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自閉症スペクトラム・ASD自閉症スペクトラム・
ASD
自閉症スペクトラム・ASDについて
自閉スペクトラム症(Autism Spectrum Disorder, ASD)は、発達障害の一つであり、社会的コミュニケーションや対人関係の困難、興味や行動の限定的・反復的なパターンを主な特徴とします。
DSM-5(精神障害の診断と統計マニュアル第5版)では、自閉症、アスペルガー症候群、特定不能の広汎性発達障害(PDD-NOS)を統合し、「自閉スペクトラム症」という診断名にまとめられました。「スペクトラム」という言葉が示す通り、症状や特性は非常に多様で、軽度から重度まで幅広く存在していることを含んでいます。
ASDの主な特徴
ASDの中心的な特徴は以下の通りです。
- 社会的コミュニケーションと対人関係の困難
- 目を合わせる、表情を読み取る、言葉の裏の意味を理解することが難しい
- 他者との関係性を築くのが苦手
- 会話が一方的になったり、興味のない話題には反応が薄い
- 限定的で反復的な行動や興味
- 特定の物や活動への強いこだわり
- 同じ行動を繰り返す(例:手をひらひらさせる、物を並べる)
- 環境の変化に対する強い抵抗
- 感覚過敏・鈍麻
- 音や光、触覚に対して過剰に反応する、または逆に鈍感である
ASDの原因
ASDの原因については完全には解明されていませんが、遺伝的要因や環境要因、脳の神経発達の違いが複合的に関与していると考えられています。
- 遺伝的要因
- 家族内でASDや他の発達障害を持つ人がいる場合、リスクが高まることが報告されています。いくつかの特定遺伝子が関連している可能性も指摘されています。
- 脳の構造・機能異常
- MRIや脳波検査などを用いた研究では、前頭葉、側頭葉、小脳、扁桃体などの脳領域における発達の違いが確認されています。これにより、感情の処理や社会的な認知能力に影響を及ぼしている可能性があります。
- 神経伝達物質の異常
- セロトニン、ドーパミン、グルタミン酸などの神経伝達物質の働きに違いがみられることも報告されています。これらは注意力や感情の調整、報酬系などに関わる重要な物質であり、ASDの特性と関連している可能性があります。
ASDの診断
ASDの診断は、行動観察や本人への聞き取りを中心としながら、ときに保護者へのヒアリング内容から診断が行われます。DSM-5やICD-10の診断基準を用い、発達歴や現在の行動を総合的に評価します。
幼児期には、目を合わせない、名前を呼んでも反応しない、言葉の遅れなどが初期のサインとなることが多いですが、軽度のASDでは学童期や成人期まで気づかれないこともあります。特に知的能力が保たれている場合(いわゆる「高機能ASD」)や、コミュニケーション能力が一見問題ないように見える場合には、診断が遅れることもあります。
ASDの治療と支援
ASD自体を「治す」薬物療法は存在しませんが、特性による困難を軽減し、生活の質を向上させるための支援や療育が重要です。
- 行動療法・社会的スキルトレーニング(SST)
- 日常生活のスキルや対人関係を円滑にするための訓練
- 応用行動分析(ABA療法)
- 望ましい行動を増やし、問題行動を減らすための方法
- 薬物療法
- ASDに伴う不安、うつ、興奮、注意欠如などの二次的な症状に対して、抗不安薬や抗精神病薬、注意欠陥・多動性障害(ADHD)の薬などを使用する場合があります。
- 環境調整
- 学校や職場、家庭での理解や支援体制を整えることも不可欠です。
ASDの個性と可能性について
ASDの特性は困難を伴う一方で、強い集中力、正確性、独創的な発想など、特定の分野で卓越した能力を発揮することもあります。有名な科学者や芸術家の中にはASDの特性を持つと推測される人物も大勢いらっしゃり、本人の特性を理解し、強みを活かせる環境を整えることが重要であるともいえます。
まとめ
2025.03.152025.03.15
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