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新型うつ病・非定型うつ病新型うつ病・非定型うつ病
- 『新型うつ病・非定型うつ病』、従来のうつ病との違いとは
- 『新型うつ病』の症状が”まだら”とはどういう意味なのか
- 新型うつ病や非定型うつ病では「さぼり」であると誤認されてしまいやすい
- 元気な時もあるけど。それでも「うつ病」なのか
- どうして『新型うつ病』と呼ばれているの?
- 新型うつ病・非定型うつ病は治りにくいって本当なのか
- 新型うつ病や非定型うつ病は治りにくいと言われやすい理由について
- 新型うつ病・非定型うつ病の症状について
- 非定型うつ病や新型うつ病の結果
- 新型うつ病や非定型うつ病の治療について
- 社会復帰へのプロセスとして、体力づくりや生活のリズム作りを継続することは大変重要
- 復帰へ向けて、社会福祉サポートをしっかりと利用することも大切
『新型うつ病・非定型うつ病』、従来のうつ病との違いとは
新型うつ病・非定型うつ病とは何でしょうか?
新型うつ病や非定型うつ病は、うつ病の一種ですが、従来のうつ病とはちょっと違っていて、ずっとふさぎ込んでしまっているのではなく、週末・休日は楽しめるなど、”まだら”に症状が出るというのが特徴である疾患と言えます。
新型うつ病は甘えではありません
新型うつ病では、強いストレスに対して心身の症状として、不安症状や憂鬱な気分が強く出てしまう一方で、精神症状や身体症状が出にくくなる低いストレスで生活をすることを好んでいるように見られがちですが、実際は過食や甘いものを食べすぎてしまったり、仮眠や倦怠感などの症状が強くみられている場合が多々あり、決してストレスが低い場面でも無症状というわけではないのです。
その為に家族をはじめとした周囲の人たちのサポートとしては、否定をしすぎず寄り添うことが求められますが、特に新型うつ病では、そのような近しい相手のサポートだけではなく、医療専門職をはじめとしたサポートや活動を元に、寄り添いながらも患者様本人の活動を上げるように見守り促していくという点が非常に重要になります。
特に新型うつ病では最初は適応障害と診断され、その慢性経過後にうつ病と診断されたりすることもあるかもしれませんが、一部の人にはパーソナリティー障害や、幼少期の人格形成期における親子の問題を抱えている場合もあります。ストレス耐性の低下が指摘されており、ショッキングな出来事や本人にとって耐え難いことがあると、その状況を引きずってしまいやすく、精神的な不調にもつながりやすいです。
『新型うつ病』の症状が”まだら”とはどういう意味なのか
特に新型うつ病・非定型うつ病では、強いストレスがかかる場で、心身のバランスを崩して憂鬱な気持ちや落ち込み、不安の症状が出てしまいます。しかし、ストレスが少ない場面である、週末や休日など趣味や楽しい出来事では、ひどく落ち込むことなく、楽しめたりするのです。
新型うつ病や非定型うつ病では、周囲の環境や状況、更には日やストレスの少なさによって、不調の程度が大きく増減するということが特徴的であると言えます。
新型うつ病や非定型うつ病では「さぼり」であると誤認されてしまいやすい
このように新型うつ病や非定型うつ病では、症状や抑うつがストレスの程度に応じて”まだら”に出現するために、周りからは「さぼりではないのか?」「仕事だけ避けているのでは?」「本当に病気なのか?」「怠けているなら、しっかりしろ」などどいった言葉を浴びてしまうことがあります。
しかし、実際に新型うつ病の方は、他者からの評価に特に敏感であることが多いため、そのような周囲の問いかけに、更に落ち込んだり恐怖や不安を感じてしまうのです。
元気な時もあるけど。それでも「うつ病」なのか
元気な時を見ていると「本当にうつ病なのか?」と、周囲からは考えてしまうこともあるかもしれません。
しかし、新型うつ病や非定型うつ病のように、週末などの抑うつが少なく見える時であっても、じつは落ち込みや不安などの不調が多少なりとも継続している場合もあります。
また、明らかな元気な様子・ハイテンションと表現できる状態であっても、長くは続かず、少し無理している印象を周囲に与えるときもあります。
従いまして、新型うつ病や非定型うつ病は、うつ病の診断基準にもある、ほとんど毎日・一日中の抑うつや落ち込み、興味の減退などを含め、体重や食欲睡眠の変化などのうつ病の診断項目を満たしているのです。
どうして『新型うつ病』と呼ばれているの?
新型うつ病は正式な病名ではありませんが、現代社会で非常に多くの方たちが、このようなうつ状態を呈する『うつ病』にかかられているので、「新型うつ病」と呼ばれるようになっております。
新型うつ病・非定型うつ病は治りにくいって本当なのか
従来のうつ病のように、新型うつ病や非定型うつ病も薬物療法に一定の効果があります。
しかし、従来のうつ病と異なり、薬物療法による効果が得られにくい人たちも多く、通常は精神療法などの両方を薬物療法とともに組み合わせることが治療では大切です。
また、非定型うつ病や新型うつ病ではパニック症や不安症などの他のメンタルの疾患を合併していることも多く、また背景には発達障害やパーソナリティー障害などの合併も少なくないために、抗うつ薬だけにとどまらない多角的な治療が必要となります。
新型うつ病や非定型うつ病は治りにくいと言われやすい理由について
新型うつ病や非定型うつ病では
- マイナス思考
- 周りの人からの評価に敏感
- 自分を無理に良く見せようとしてしまう傾向がある
- 他人のせいにしてしまう傾向がある
- 自分の事には没頭できるが役割意識が苦手
- 楽しい事や、辛いことに対してある程度切り替えができるが脆い
などの傾向や陥ってしまいやすい特徴があります。
従来のうつ病には
- マイナス思考
- 責任感が強く抱え込みやすい
- 真面目で周囲への配慮が強い
- 自責的になりやすい傾向
- 辛いことを引きずりやすい
などの傾向や、陥りやすい特徴があります。
その為、新型うつ病や非定型うつ病での治療では、薬物療法だけではなく、対人面における認知面の取り組み・ストレス耐性の低下の回復・訓練も意識した精神療法や支援なども大切なのです。
つまり、従来のうつ病通りに薬物治療を行うだけではなく、就労支援や、生活支援・日常生活の取り組みなどの活動が治療する上でより重要な効果を持っているのが、新型うつ病なのです。
もちろんお一人お一人の症状の様子や特徴に応じて治療は組み立てられますが、薬物療法が新型うつ病や非定型うつ病よりも比較的従来のうつ病のタイプに効果が得られやすいと言われて理由の一つでもあります。
新型うつ病・非定型うつ病の症状について
精神面の症状
- 気分の落ち込み
- 楽しいことは多少は楽しめる
- 良いことがあると気分が晴れやすいが長続きしない
- 相手の反応次第で落ち込みが強くなる
- 回避的・相手のせいにしてしまう傾向も
身体面の症状
- 身体が鉛のように重い
- 過眠
- 過食(甘いものをたくさん摂るなど)
- 体重増加
一方で従来のうつ病では
従来のうつ病の、精神面の症状として
- 趣味だったものや楽しい事が楽しめなくなった
- 自己否定感が強い
- 自責的になりやすい
従来のうつ病の、身体面の症状として
- 食欲が下がる
- 体重が減少する
- 睡眠が減る
などの傾向があるなどがあり、新型うつ病や非定型うつ病との違いもあります。
非定型うつ病や新型うつ病の結果
上記のような症状が
長引くと…
-
1さぼっているのではないか?とみなされてしまう
ストレス耐性の低下状態でもある、週末など楽しめる状態を指して、仮病である・さぼっているのではなどの誤解を生みやすい -
2周囲からの評価が厳しくなってしまうことも
周囲の環境や状況に応じた症状の変化により、周囲との人間関係がよりぎくしゃくしてしまうことも -
3周囲の人間関係に敏感で、安定的な人間関係が築きづらくなってしまう
周囲の人間関係や評価にさらに敏感になってしまい、安定的な人間関係が築きづらく他責的になってしまう時も
新型うつ病や非定型うつ病の治療について
新型うつ病は従来のうつ病より、就労支援や生活支援などのサポートも特に重要です
新型うつ病ではうつ病同様に、抗うつ薬であるSSRIや抗不安薬の薬物療法だけではなく、ストレス耐性の低下の回復・訓練が特に重要になってきます。
病気の初期は、休職や自宅療養が必要な場合もありますが、辛い症状が落ち着いてきたタイミングでは、日常生活のリズムを整えたり、外出や運動・買い物・図書館などの活動を定期的に行えるような体調づくりと準備を始めることが大切です。その後は、電車に乗る、試験的に出社をしてみるなどの社会の関りを増やしていく事を目指していきます。
社会復帰へのプロセスとして、体力づくりや生活のリズム作りを継続することは大変重要
特に新型うつ病の方たちにとって、会社などのストレス下に対して非常に敏感になっていたり、他の人の評価や発言に敏感であるために、日常生活の回復までの過程はスムーズでも、会社復帰となると体調がすぐれなくなったり、復帰しても休職を繰り返しやすくなってしまっている傾向が出やすいといわれています。
特に現代社会では、外出しなくても買い物ができてしまったり、家で過ごすしていてもインターネットやそれを介した相手との会話が成り立ってしまうので、退屈に感じたりすることがなくなっているからです。そのために、さらにストレスが低い生活に慣れてしまいやすく、そのような状況が継続しすぎてしまうとストレス耐性が更に低下してしまい、病気の治療に時間がかかってしまいやすくなってしまうのです。
復帰へ向けて、社会福祉サポートをしっかりと利用することも大切
新型うつ病の方のストレス耐性の低下の回復には特に生活スタイルの細かい支援や、生活指導の段階調整が必要となることが多く、リワークや、就労継続・就労移行、また訪問看護などの専門サポートをしっかりと組み立てることが重要であると考えられます。
また、自己否定感や、失敗に対する恐怖や、周囲への過度の敏感さ、また自己決定できない、自発性に欠けるなどの面を併せ持っていることも多いので、考え方のクセの見直しに取り組んでみたり、医師との精神療法や支持療法などの通院治療を併用しながら、就労へ向けた支援や活動・治療を継続していく事も大切なのです。
ひだまりこころクリニック名駅エスカ院は看護師や検査技師、また精神保健福祉士や心理士も常勤で複数名在籍をしておりますので、お気軽にご相談くださいませ。
野村紀夫 監修
ひだまりこころクリニック 理事長 / 名古屋大学医学部卒業
保有資格 / 精神保健指定医、日本精神神経学会 専門医、日本精神神経学会 指導医、認知症サポート医など
所属学会 / 日本精神神経学会、日本心療内科学会、日本うつ病学会、日本認知症学会など
よくあるご質問
うつ病が再発するおそれはありますか?
うつ病がぶり返しやすい病気であるため、再発を予防することが大切です。
抑うつ症状が改善し、気分が軽くなってきたと感じるタイミングでは、「治療をやめたい」と思う方が多いかと思います。
しかし、処方する薬には「症状の改善、状態をよくする」という働きに加えて、「状態を維持する」という効果もあります。
個人差はありますが、症状の改善がみられても、およそ半年から1年間は薬の服用を続ける必要があります。また、うつ病になりやすい「ものの見方・考え方」など自分の考え方のクセを知ることで、自分なりにものの見方を調整して、再発を予防することも大切です。
うつ病の薬って安全でしょうか?副作用ってありますか?
抗うつ薬の種類にもよりますが、吐き気、便秘、下痢などの消化器系症状や、眠気、排尿困難、口が渇くなどの副作用があらわれることがあります。
SSRIでは、飲み始めに、吐き気やむかつきなどの消化器系の副作用があらわれることがあります。
また、SNRIでは、排尿障害(尿が出にくい・出過ぎる・我慢できないなど)のほか、消化器系症状や頭痛、血圧上昇もみられます。NaSSAでは眠気が比較的多く、そのほか体重増加などもみられています。
三環系・四環系抗うつ薬は、アセチルコリンという神経伝達物質の働きを抑制するため(抗コリン作用といいます)、便秘、排尿困難、口が渇くなどの副作用があらわれることがあります。
これらの副作用は飲み始めに多くみられますが、次第におさまってきます。
うつ病治療はどれくらいの期間がかかるのですか?
個人差がありますが、3ヵ月ほどで症状の改善がみられるといわれています
症状の改善がみられる期間は約3ヶ月と言われていますが、再発を防ぎ、元の生活を取り戻していくためには、数ヶ月から1年ほどかかる場合もあります。
なお、治療期間の目安としては、以下のように時間が必要となります。
・十分な休養を取りながら、薬の服用を開始し、うつ病の症状が軽くするための期間
約6〜12週間
・安定した状態を維持していく期間
約4〜9ヶ月
・徐々に日常生活に戻っていく期間
約1年〜
心筋梗塞とうつ病には何かしらの関係がありますか?
心筋梗塞発作後3ヵ月以内にうつ病またはうつ症状が発症する頻度は、20~45%との報告もあります。
逆に、もともとうつ病を有する人は、うつ病でない人に比べて心筋梗塞を起こす可能性が大きいという報告もあります。その為、心筋梗塞とうつ病には関連があると考えられています。
アトピー性皮膚炎とうつ病に関係はありますか?
ストレスはアトピー性皮膚炎の発症・悪化因子のひとつです。
そしてアトピー性皮膚炎にかかっていること自体がストレスとなって心理的な苦痛や、社会的機能の低下、QOLの低下を引き起こし、治療のコンプライアンスやセルフケアが障害されています。
つまりアトピー性皮膚炎とうつ病は互いに悪循環を引き起こしていることになります。
2022.05.072022.05.07
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