名古屋駅から徒歩1分の心療内科,精神科,メンタルクリニックのひだまりこころクリニック名駅エスカ院が 心の悩みは無意識が原因?人の心を説明するフロイトの「局所論」について解説

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心の悩みは無意識が原因?人の心を説明するフロイトの「局所論」とは?

2024.05.242024.05.27

心理面・思考

こころの問題を理解するために

人の心の仕組みを理解するためには、さまざまな理論や考え方があります。精神療法・心理療法やカウンセリングの成り立ちに大きく影響したフロイトは、心の問題を理解するため、「局所論」という考え方を重視しました。

精神的な症状が生じるメカニズムを理解しようとした

局所論では、人の心を「意識」「前意識」「無意識」の3層に分けます。3つの層が相互に影響し合った結果の1つとして、精神的な症状が生じると考えることが特徴です。とくに、心の悩みの原因は、無意識の層にあると考え、その内容を意識化することを治療の目的とします。

局所論は、人の心を説明する理論として、3つの層に分ける点が分かりやすいといえます。一方で、症状が起こるプロセスや無意識の概念はやや難しく、理解できないこともあるでしょう。

本記事では、フロイトが提唱した「局所論」について解説します。初めて聞く人でも、分かりやすいように説明していますので、興味がある方はぜひ参考にしてください。

心を構成する3つの層

フロイトが提唱した局所論では、人間の心を以下のように3つの層に分けます。それぞれの層が互いに影響し合い、行動や判断が決定されるという点が特徴です。

  • 無意識
  • 前意識
  • 意識

「無意識」が最も深い層に位置し、前意識を経て、意識が一番表面的な層とされています。3つの層がもつ機能について解説します。

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無意識

無意識とは、自分では認識できない心の深層です。普段は自覚されませんが、人間の行動や思考、感情に影響を与えています。

無意識の領域には、性的欲求や自分の命を守るための本能、トラウマなど、現実的には認めがたい欲望や感情が存在します。こういった欲望や感情は、意識にのぼってくると、生活に支障を及ぼすことがあるため、抑圧されるのです。

つらい記憶や強い感情を思い出さないように、無意識の層に抑圧することで、心のバランスを保とうとしているといえます。無意識の内容がが形を変えて意識にのぼってくることがあり、それが精神的な症状につながるとフロイトは考えました。

精神症状をはじめとする心の問題を解決するためには、無意識の領域で生じていることを理解することが必要といえるでしょう。

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前意識

前意識とは、普段は意識されないものの、注意することで思い出せる層です。無意識の層へ抑圧されなかったものが、意識に移る前にとどまる段階だと考えられています。注意を向ければ、いつでも意識の領域に取り込むことが可能です。

例えば、小学生のクラス担任の顔や名前を常に覚えているわけではないでしょう。関わりのない人や物事の記憶は、思い出そうとすれば思い出せますが、薄れていくのが通常です。思い出そうとして思い出せるのは前意識にある内容といえるでしょう。

一方で、無意識の層にあるものは思い出そうとしても思い出せなかったり、意識すらしなかったりするという違いがあります。

前意識は、意識と無意識の層をつなぐ役割を持っており、忘れている記憶の中でも、努力すれば思い出せる内容だといえるでしょう。

意識

です。頭の中で考えている言葉や、身体の感覚、感情、五感を通して入ってくる周りの情報などを含みます。

フロイトは、意識の領域で体験しているものごとは、ほんの一部に過ぎないと考えました。さまざまな体験や思いが無意識の領域に抑圧されて、意識されないようになっているのです。

局所論から考える心の問題

フロイトは、心の悩みの原因は、無意識の層に抑圧された欲求や思いであるとしました。では、心の問題はどのようにして生じるのでしょうか。具体的な2つの精神症状や現象をもとに、解説します。

トラウマ

トラウマは、重大な事故や災害、虐待などの生命を脅かされる体験の後に生じる心の傷のことを指します。トラウマ体験は、日常的に思い出されると生活に支障が出るため、無意識の層に抑圧されることが多いでしょう。大変だった体験を何度も思い出していては仕事が手につかなくなってしまうからです。

無意識の層への抑圧は、自分を守る防衛的な手段として機能しているといえるでしょう。

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ヒステリー

ヒステリーとは、現在は「解離性障害」として知られている精神症状です。強いストレスやトラウマが原因となり、記憶や身体の一部がコントロールできない状態に陥ります。例えば、「足が動かない」「声が出ない」「記憶がなくなる」といった症状が特徴です。

フロイトの局所論は、ヒステリーの原因を説明するものとして注目されました。ヒステリーが起きるのは、トラウマ体験を受け入れられず、別の症状として表現するからだとされます。トラウマ体験そのものや、体験に伴う感情や考えは無意識の層に抑圧され、意識の層には、別の症状として表れるということです。

また、フロイトのもとに来たヒステリーの患者は、レイプや虐待をされた女性が多い傾向がありました。「足が動かない」といったヒステリーの症状は、外出できなくなる一方で、襲われる可能性も低くなります。ヒステリーは、自分の生命を守るために、症状を引き起こすとも考えられるでしょう。

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局所論の限界と修正

人の心を3つの層に分類した局所論ですが、徐々に説明できない精神症状がみられるようになりました。第一次世界大戦の勃発により増加した、戦争に伴うPTSDです。PTSDとは、事故や災害、虐待などの生命を脅かす体験に遭遇したあとに生じる、さまざまな精神症状を指します。

局所論では、トラウマ体験は無意識の層に抑圧され、別の症状に変換されて意識化されるとされていました。しかし、戦争に行った兵士たちは、戦争のつらい経験を抑圧できず、何度も悪夢として体験するフラッシュバックが起こったのです。

戦争に行った兵士たちの症状は、局所論では説明できないものであったことから、フロイトは理論を修正して、「構造論」を提唱しました。フロイトは、時代の変化とともに、自らの理論を改良しながら、人の心を理解しようと努めたのです。

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心の問題は無意識に存在することがある

フロイトが提唱した局所論では、人の心には無意識の領域が存在していると考えます。普段私たちが意識している物事はほんの一部に過ぎず、無意識によって動かされている行動や判断の傾向もあるのです。

無意識的に生じていることを理解しようとする試みは、自己理解を深めます。「調子が優れない」「原因の分からない症状がある」などの精神症状がある場合は、無意識的に生じているものが原因かもしれません。心の問題が解決できない場合は、無意識の領域で起こっていることに思いをはせるのも1つの方法です。

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野村紀夫 監修
医療法人 山陽会 ひだまりこころクリニック 理事長 / 名古屋大学医学部卒業
保有資格 / 精神保健指定医、日本精神神経学会 専門医、日本精神神経学会 指導医、認知症サポート医など
所属学会 / 日本精神神経学会、日本心療内科学会、日本うつ病学会、日本認知症学会など

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