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ジェットコースターのような気分循環性障害を上手く乗り越えるには
2021.04.142022.06.08
気分循環性障害
躁うつ病と比べるとマイルドとはいえ、ジェットコースターのように気分に波のある気分循環性障害。うつ病ほどは知られていませんが、気分循環性障害も精神疾患に含まれるものですので、生活していく上で困難を抱えることになります。
特に気分循環性障害は、DSM-5では双極性障害に関連した障害群としてカテゴリーされています。うつ病や双極性障害の程度ではないものの、「抑うつ」と「軽躁」の症状を行ったり来たりすることが特徴である精神疾患です。
この記事では、気分循環性障害を患っていても無理なく仕事をやっていくにはどうすればよいかについてお話しします。
気分循環性障害は仕事を行う上で支障になる
気分循環性障害では気分が高揚しているときと落ち込むときを行き来して、いわゆる普通の状態にメンタルが安定してとどまることはありません。そのため、仕事をしていく上で以下の4点から支障が出てきます。
①気分がジェットコースターのようにアップダウンする
診断基準から考慮しても、躁うつ病と比べれば、気分循環性障害は気分の波が少しはましであるという特徴があります。とはいえ、気分循環性障害の本人にとっては「ジェットコースター」に乗っているようなものです。ここで「ジェットコースター」と言っているのには2つの意味があります。
・気分が上がったり、下がったりする
・気分の波を自分ではコントロールできない
女性に多い月経前の心身の不調(月経前症候群;PMS)は月経が始まる5日前後から調子が悪くなるので、事前にある程度覚悟を決めることができます(覚悟を決めることができるからといってもPMSも大変ではあります)。しかし、気分循環性障害はいつ気分の波が下がるかが分かりません。調子が良かった日の次の日にいきなり絶不調なこともあります。また、調子が悪ければ、一日のなかで上下に気分が揺れ動くこともあります。
②疲れやすい
気分の波が激しいということと関連して、疲れやすいという問題もあります。「今なら何でもできる」「生まれてきて良かった」という高揚状態から「自分には価値がない」「何だか悪いことをしてしまったような気がする」という落ち込んだ状態になってしまうのです。これだけ気分に幅があると、何かしているわけではなくても疲れてしまいます。
また気分が高揚しているときは、つい「あれもしたい!これもしたい!」となってしまいます。しかしその気分のまま活動すると、エネルギーのない抑うつ状態のときに一気に疲れがどっと押し寄せて、疲弊してしまうことになるのです。また、その落差に自分で自覚して更に落ち込んだりなどを呈してしまう事もあるのです。
③安定した成果を出せない
気分の波は仕事の成果にも影響します。気分が高揚している状態では「何でもできる」という感じで意欲的に仕事に取り組めます。また、気分がハイなので新しいアイデアが浮かびやすいこともあります。一方で、気分が落ち込んでいるときは頭の動きも重くなり、仕事に取り組むのも非常に大変になります。そのため、安定した成果を出すのが難しいのです。
④気分にムラがあると周りの人から誤解される
躁うつ病と比べると、気分循環性障害はあまり知られていません。そのため、周囲の人から見ると、「気分にムラがあって落ち着かない人だ」と誤解される可能性があります。場合によっては、「今日は甘えていてやる気がないから仕事をしていない」と批判される恐れもあります。
気分循環性障害を患っていても無理なく仕事を行っていくには
無理なく仕事を行っていくための工夫には、以下の3つがあります。
①【強く責めすぎてしまう時】症状が悪いのであり、自分が悪いのではないことを理解することも手
気分の浮き沈みが激しいのは自分が落ち着いていないからではなく、症状のためです。まずは、これをしっかり意識しておくことが大切です。そうすると、自分を批判しすぎる考えをしないで済みます。
②上司に相談する
「気分循環性障害は仕事を行う上で支障になる」でもお話ししたように、気分が安定しないと、一定の成果を出すことが難しくなります。これは、人によっては甘えているように見え、時として批判される恐れがあります。しかし、これは症状がそうさせているため、自分ではコントロールできません。上司に相談することで、周りからのフォローを得やすくする必要があります。
③休みを取ることを忘れない
特に気分が高揚しているときは「あれもこれもしたい!」となって、色々と予定を入れてしまいがちです。しかし、いざその時になると気分が落ち込んで予定通り行動ができないこともありますし、また、予定通りの行動ができたとしても、いつ絶不調の状態になるか分かりません。もちろんやりたい予定を入れるのはストレスを発散する上で大切なことなので必要なことです。でも、やりたい予定を入れると同時に、しっかり休む日も予定として必ず入れておきましょう。
まとめ
気分循環性障害も精神疾患です。ここでは自分でもできる仕事上の工夫をいくつかお話ししましたが、クリニックで治療を受けることも気分循環性障害の大きな対策となります。気分循環性障害も精神疾患ですので、適切なお薬治療や通院治療などを経ることで生活に支障が出てしまう気分の変動を少しづつ整えることを目指してゆきます。「もしかしたら自分は気分循環性障害かも…」と思われる方は、心療内科や精神科・メンタルクリニックなどの医療機関に相談してみることをおすすめします。
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