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マインドフルネス
2023.01.202023.05.20
マインドフルネス
マインドフルネス
「いま、ここ」「あるがまま」などキーワードはいくつも浮かびますが、マインドフルネスという概念は理解しにくいところがあると思います。この記事では、マインドフルネスの歴史を説明したうえで、マインドフルネスとはどのようなものか、解説します。
マインドフルネスの歴史
マインドフルネスは第三世代の認知行動療法と呼ばれる通り、認知行動療法の仲間に分類されます。一見すると、不適応に至る過程を分析して治療する行動療法・認知行動療法とマインドフルネスは似ていないと感じるかもしれません。しかし、治療体系の発展過程を見ていくと、マインドフルネスがなぜ認知行動療法に分類されるのか分かります。
第一世代:行動療法
ここには、古典的条件づけやオペランド条件づけの理論を元にした治療技法が該当します。どちらの条件づけでもS(stimulus 刺激)→R(response 反応)がキーです。古典的条件づけに基づいた治療法例としては系統的脱感作があります。系統的脱感作では、患者さんが恐怖を感じるものを思い起こしたり、実際に接していたりする状況で心身をリラックスさせるということを段階的に行います。こうすることで、恐怖を感じるものにリラックスという相反するものを結びつけ、恐怖感をなくしていくのです。オペラント条件づけに基づいた治療法例としては発達障害児・者へのソーシャル・スキル・トレーニングがあります。人との交流場面において適切な行動が取れたときに褒めることで、その適切な行動を習慣化させていきます。
第二世代:認知行動療法
動物相手に古典的条件づけやオペラント条件づけをしていたときと違い、人間の場合は条件づけが上手くいかないことがあります。それは、予想や期待といった考え、すなわち認知が働いてしまうためです。そのため、第一世代のS(stimulus 刺激)→R(response 反応)の公式から、S(stimulus 刺激)→O(organism 有機体≒生き物の考え、認知)→R(response 反応)の公式に修正されました。そして、認知を変えることで行動・感情などの反応を変えることが治療のメインとなったのです。
第三世代:マインドフルネス
認知行動療法はうつ病の治療に有効ですが、時に再発してしまう患者さんもいます。再発の理由は、たまたま生じた抑うつ気分が悲観的な自動思考を起こしてしまい、それをどうにかしようと患者さんが考えもがくことにあります。つまり、認知の内容ではなく、生じてしまった抑うつ気分や自動思考を繰り返し考えてしまうこと(専門的には反芻と呼ばれます)が再発に関連していると言えます。しかし、抑うつ気分自体は誰にでも時には生じるものであるため、そういったものがあってもよいのだと気づきを得ることが大切です。この気づきを得る手法としてマインドフルネスが誕生しました。
マインドフルネスとは
マインドフルネスと言えば「いま、ここ」へ集中して気づきを得ることとイメージする方が多いと思います。しかし、なぜ「いま、ここ」なのでしょうか?その答えは、マインドフルネスとは何かを段階的に考えることで見えてきます。
マインドフルネスとは?マインドレスネスとは?
マインドフルネスは「気づき」と訳されることが多いですが、ここでは話を分かりやすくするため「マインド=心」と考えてください。そうすると、マインドレスネスとは心がない状態、つまり心ここにあらずと表現されます。例えば、過去に失敗してしまったことへの後悔や、これから起こるかもしれない嫌な事態への不安などが頭にこびりついてしまい、集中できていない状態です。心ここにあらずの状態では何をやっても上手くいかないでしょう。そうすると、さらに失敗することによって後悔や不安などが生じ、悪い循環に陥ってしまいます。この流れを断ち切るために、過去や未来ではない「いま、ここ」に集中するのです。
マインドフルネスでは何を習得するのか?
認知行動療法の流れに属する心理療法では、適応的な行動や考え方などを習得します。では、マインドフルネスで習得される「気づき」とは何でしょうか。
マインドフルネス瞑想では、いま自分が行っている呼吸に注意を向けます。「(お腹が)ふくらむ、ふくらむ」「(お腹が)縮む、縮む」。時には、「頭が少しかゆい」と考え始めるかもしれません。そういったときには「雑念が浮かんだ、呼吸への集中に戻る」と戻ります。時にはスマホの音が鳴って気になるかもしれません。しかし、雑念が起きたと考え、また呼吸に集中していきます。こうしたプロセスを何度も繰り返すことで、「色々な出来事が起きるが、時の流れとともに変化していく一時的なもの過ぎない」ことが分かります。時には不安や後悔が頭に浮かびますが、再び呼吸に集中することができます。そういったことを繰り返すことで「気にしすぎて執着してしまうので苦しむことになるんだ」という気づきが得られるのです。
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