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心をゆるめる、心療内科がおすすめの“ひとり時間”の過ごし方
2025.04.252025.05.07
ひとり時間とメンタルヘルス、デジタルデトックス、マインドフルネス、HSP
心をゆるめる、心療内科がおすすめの“ひとり時間”の過ごし方
忙しさや人間関係に追われる日々のなかで、「ひとりで過ごす時間」は心を整えるためにとても大切です。誰にも気をつかわず、自分のペースで過ごす時間は、ストレスをリセットする“心の休憩時間”。今回は、心療内科の視点から見た「心をゆるめるひとり時間」の過ごし方をいくつかご紹介します。
なぜ“ひとり時間”が心にいいのか?
現代は「つながりすぎる社会」とも言われます。SNSやチャット、会話のやりとりは、便利である一方で、絶えず人と関わることに疲れてしまう人も多いのが現実です。
人と一緒にいることで安心できる人もいますが、心が疲れているときは“誰とも関わらない時間”の方が、むしろ回復を促すことがあります。これは、脳や自律神経に余白を与えることができるから。特に以下のような傾向がある方には、ひとり時間が効果的です。
- 物音や人の気配に敏感な人(HSP傾向)
- 常に周囲を気にしてしまう人
- 予定が多く、心が休まらない人
ひとり時間は、感情の処理をするための“スペース”でもあります。抑え込んでいた感情がゆっくりと浮かび上がり、自分の本音に気づけることもあるのです。
1. “五感”を取り戻す時間をつくる
ストレス状態にあると、感覚が鈍くなったり、逆に過敏になったりします。意識的に五感(視覚・聴覚・嗅覚・触覚・味覚)を使うことは、心のバランスを取り戻すのに有効です。
- 視覚➡お気に入りの景色や自然の動画を見る
- 聴覚➡静かな音楽や雨音、環境音(ヒーリング系)を聴く
- 嗅覚➡好きな香りのアロマを焚く(ラベンダー、ベルガモットなど)
- 触覚➡ふわふわのブランケットにくるまる、マッサージ器を使う
- 味覚➡ゆっくりお茶やコーヒーを味わう
「味わうこと」を丁寧に行うだけでも、交感神経から副交感神経へのスイッチが入りやすくなります。
2. “頑張らない”趣味をあえて選ぶ
「何かを生産しなければ」「ちゃんとやらなきゃ」という意識が強いと、趣味でさえプレッシャーになることもあります。ひとり時間では、“頑張らない”ことを大前提にした趣味を選ぶことがカギです。
おすすめはこんなもの
- 塗り絵やぬりえアプリ
- 手を動かすだけのパズルやブロック
- 日記ではなく「落書きノート」
- 動物のライブ配信をただ見る
- 読書も“読みかけでもOK”のマインドで
何かに没頭していると、自然と「今この瞬間」に意識が向きます。これは“マインドフルネス”と呼ばれる状態で、不安やストレスが緩和されやすいのです。
3. “話さない”ことを意識的に選ぶ
誰とも話さない時間は、現代人にとって意外と貴重です。もちろん無理に孤独になる必要はありませんが、「今日は一言もしゃべらなかったな…」という日が、心の疲れを和らげてくれることもあります。
たとえば
- スマホを機内モードにして数時間過ごす
- カフェや公園で“ひとりでいる空気”を楽しむ
- 本や音楽で内面との対話をする
声を出さず、耳も休ませることで、脳が静かなモードに切り替わります。特に神経が張りつめていたり、過覚醒状態が続いている人には効果的です。
4. “ひとり”でも“孤独”ではないという視点
ひとり時間に不安を感じる人もいます。「誰ともつながっていない気がして、逆に不安になる」という声もあります。そんなときは、「ひとり=孤独」ではない、という視点が大切です。
むしろ、“ひとりで過ごせる力”は、自己調整力のひとつとも言えます。
必要ならば、短いメッセージで誰かとつながることもOKです。自分が心地よいと感じる範囲で、「つながる」「離れる」のバランスを取ることが、心の安定につながります。
最後に:ひとり時間は、心の状態を整えるための手段のひとつ
ひとりで過ごす時間は、気持ちを落ち着けたり、頭を整理したりするうえでとても有効です。人との関わりが多すぎると、自分でも気づかないうちに緊張が続いていたり、無理をしていたりすることがあります。そんなときこそ、ひとりで過ごす時間が、気持ちのバランスを取り戻すきっかけになります。
心療内科でも、ひとり時間の持ち方について相談を受けることがあります。「ひとりでいるのが苦手」「何もしないと不安になる」という方も多いですが、それは決して珍しいことではありません。
大切なのは、自分にとって無理のない範囲で、“ちょうどいい時間の使い方”を見つけていくこと。最初は短い時間からでも構いません。少しずつ、自分に合った「心をゆるめる方法」を生活の中に取り入れてみてください。
野村紀夫 監修
医療法人 山陽会 ひだまりこころクリニック 理事長 / 名古屋大学医学部卒業
保有資格 / 精神保健指定医、日本精神神経学会 専門医、日本精神神経学会 指導医、認知症サポート医など
所属学会 / 日本精神神経学会、日本心療内科学会、日本うつ病学会、日本認知症学会など
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