夜になると不安になるのはなぜ?脳と自律神経の仕組みについて名古屋ひだまりこころクリニック名駅エスカ院が紹介

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夜になると不安になるのはなぜ?脳と自律神経の仕組みから考える

2025.04.182025.04.18

抑うつ、心理面・思考、HSP

「昼間は平気なのに、夜になると不安になる」その感覚とは

一日の終わり、ふと静かになった夜。なんとなく不安になって眠れない。過去のことを思い出して落ち込んだり、将来への焦りが強くなってしまうなど、「昼間はなんともなかったのに、夜になると急に心がざわざわする」という人は、実は少なくありません。

この“時間帯による不安感”には、いくつかの脳と自律神経のしくみが関係しています。「夜になると不安になるのは、自分が弱いから」ではなく、「人の体と心の仕組み」として、誰にでも起こりうる自然な現象でもあるのです。

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夜に不安が高まりやすい理由①:副交感神経が優位になり、思考が内向きになる

夜になると、体は“休息モード”に入っていきます。これは「自律神経」の切り替えによって起こるものです。自律神経には「交感神経(活動)」と「副交感神経(休息)」があり、夜になると副交感神経が優位になり、身体はリラックスに向かいます。

ところが、リラックス=安心ではない人も多いのです。静かになることで、かえって思考が内側に向きやすくなり、「今日はこんなことで失敗した」「将来が不安だ」「自分って大丈夫なのか」など、昼間は意識していなかった不安が表に出てくるようになります。

これは、感受性が強い人や、日中にがんばりすぎる傾向のある人ほど起きやすいとされています。

夜に不安が高まりやすい理由②:セロトニン不足とメラトニンの影響

気分を安定させる神経伝達物質「セロトニン」は、朝の日光を浴びたり、運動したりすることで分泌が促されます。ところが、夜はセロトニンの分泌量が下がっていく時間帯であり、代わって「メラトニン」という眠気を促すホルモンが優位になります。

このセロトニンの低下が、「気持ちの落ち込み」や「漠然とした不安感」といった状態につながることがあるのです。特に、セロトニンの分泌がもともと少なめの人(うつ傾向のある人やHSP傾向のある人)は、夜の情緒不安定さを感じやすい傾向があります。

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夜に不安が高まりやすい理由③:情報の遮断と“考えすぎ”のループ

夜は、スマホを閉じ、家族との会話も減り、外からの刺激が少なくなる時間です。つまり、思考が“フリー”になりやすく、脳が勝手に過去の出来事や未来の不安を再生してしまうのです。

このとき、脳は「実際に起こっている出来事」と「想像上の不安」をあまり区別しないときもあります。たとえば、「明日の仕事で失敗したらどうしよう」と想像するだけで、実際に失敗したときと同じように心拍が上がったり、眠れなくなったりします。これが「予期不安」と呼ばれる状態でもあります。

この“考えすぎ”のループに入ると、自律神経は交感神経優位(=緊張モード)に戻ってしまい、心も体も休まらなくなっていきます。

「夜の不安」が慢性化するとどうなる?

夜に不安を感じること自体は、誰にでもある自然な心の反応です。しかし、それが毎晩のように続いたり、眠れない日が増えたりすると、以下のような心身の不調につながることがあります。

  • 不眠や睡眠の質の低下
  • 朝起きるのがつらくなる
  • 日中の集中力や意欲の低下
  • 情緒が不安定になる
  • 身体のだるさや頭痛、胃腸症状が出る

こうした状態が長く続く場合、「軽度のうつ状態」や「不安障害」、「自律神経失調症」の可能性もあるため、早めの対処が大切です。

夜の不安を和らげるためにできること

不安を完全になくすことは難しいですが、「不安を小さくする工夫」はできます。夜間の不安を和らげるための具体的な方法をいくつかご紹介します。

● 太陽の光を取り入れる

朝はしっかり太陽の光を浴びることで、セロトニンの分泌が活性化します。また、夜はスマホやパソコンなどのブルーライトを控え、間接照明や暖色系の照明で“睡眠モード”へ切り替えましょう。

● 頭の中の不安を書き出す

不安を感じたときに「書く」ことは、脳をクールダウンさせる効果があります。考えが堂々巡りしそうになったら、紙に「いま考えていること」「明日やること」などをメモしておくと、脳が一旦“処理済み”・”感情をまとめた”と判断し、思考のループが止まりやすくなります。

● 呼吸とリズムで副交感神経を優位にする

深く、ゆっくりとした呼吸は副交感神経を刺激し、心身をリラックスさせます。特に「吸う:吐く=4:6」くらいのペースで呼吸を整えると、脳も「安全だ」と認識しやすくなります。

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「夜の不安」は、自分を責める材料ではなく、気づきのサイン

夜に不安を感じたとき、私たちはつい「弱いからだ」「気にしすぎだ」と自分を責めがちです。でも、その不安は“脳と神経の自然な働き”であり、あなたの心が自分を守ろうとしてくれている証でもあるのです。だからこそ、「なぜ不安になるのか」を理解することは、自分自身とやさしく向き合う第一歩になります。

【まとめ】夜の不安は、体と心のサイクルを見直すチャンス

「夜になると不安になる」のは、感情の問題だけではなく、脳・ホルモン・自律神経といった“身体のしくみ”と深く関わっています。そして、そのサインに気づいたときこそが、自分自身のケアを始めるチャンスです。

眠れない夜が増えてきたときは、一人で抱え込まず、心療内科や精神科などの専門機関に相談することも選択肢のひとつです。こころのメンテナンスは、特別なことではなく、誰にでも必要な“習慣”なのです。

名古屋ひだまりこころクリニック名駅エスカ院も、不眠症うつ病の診療を行っております心療内科,精神科,メンタルクリニックです。名古屋市内外にお住いの方も通院していただきやすいクリニックですので、お気軽にご相談くださいませ。

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野村紀夫 監修
医療法人 山陽会 ひだまりこころクリニック 理事長 / 名古屋大学医学部卒業
保有資格 / 精神保健指定医、日本精神神経学会 専門医、日本精神神経学会 指導医、認知症サポート医など
所属学会 / 日本精神神経学会、日本心療内科学会、日本うつ病学会、日本認知症学会など

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