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死別反応について、どうやって乗り越える?サポート紹介
2024.05.312024.06.01
心理面・思考
死別反応とは?
大切な人との別れは、本当につらいものです。悲しい気持ちをコントロールすることができず、泣いたりふさぎ込んだりすることもあるでしょう。そのような感情や行動は死別反応といって自然なことです。今回は、この死別反応についてお話しします。
死別反応とは、大切な人を亡くしたときに経験する感情のことです。非常につらい状態ですが、死別反応の後にはこの悲しみを乗り越えることができるとされています。
どうなるの?
死別に関してどのように感じるのかは、個人差があります。文化や信念、死別の背景によって様々です。ここでは、多くの人が共通して経験することを紹介します。
無感覚や感情の麻痺
死別の後は、数時間〜数日間は呆然とする期間があります。大切な人との死別が実際に起こったこととは思えないような感覚になります。日常のことや周りの環境については、感じることができず、反応もできません。気持ちが打ちひしがれているため、周りのできごとを感じられなくなってしまう感情麻痺の状態になります。
気持ちが揺れ動く
何も感じない無感覚や感情を出せない感情の麻痺状態は、数日後に落ち着くことが多い傾向です。その後は気持ちが不安で、死別した大切な人に対する悲しみや恋しさなど、様々な思いで気持ちが揺さぶられます。
また、できないと理解していても、なんとかして相手に会いたいという思いに駆り立てられます。そのため、リラックスしたり何かに集中したりすることができず、普通に睡眠をとることも難しくなってしまうのです。わずかな時間でも構わないから会いたい、声が聞きたいと願わずにはいられない状態です。
怒りを感じる
強い怒りを感じます。関わった医療従事者や友人には、「命を救ってくれなかった」「十分に助けてくれなかった」と怒りを表します。また、亡くなった相手にもいなくなったことに対して怒りを覚えるのです。
自分を責める
これまでのことを振り返って、「こうしておけばよかった」「言っておけばよかった」と、後悔の念が沸き起こります。人が死ぬことについて、自分がコントロールすることはできないのに、「自分は大切な人の死を防ぐことができたのではないか」と悩むことがあります。死について、決してコントロールできないとわかっていてもそのような感情を抱くのです。
安心する
もし大切な人が、苦痛の後に亡くなった場合、ほっと安心するかもしれません。死によって大切な人がつらさから解放され、安楽な状態に置かれたことに対して安心するのです。これは、思いやりの気持ちが全くないのではなく、その人を想う自然な感情です。
悲しむ
死別後、 数週間にわたって様々な感情を経験した後は、徐々に静かに悲しみを感じ、ふさぎ込むようになるかもしれません。これまでよりも感情の起伏が落ち着いてきますが、気持ちが沈み悲しみを感じることの方が多くなります。この状態は、死別後4週間〜6週間頃に最もよく現れる症状といわれています。
考え込む
周りから見ると死別後の数ヶ月間は、何もせずに考え込んでいるように見えることがあります。しかし、何もしていないわけではありません。大切な人との時間を思い出し、記憶の中で行き来しているのです。これは、死別を乗り越えるために避けられない過程です。
自分がもとの自分に戻っていく感覚がある
個人差がありますが、ある程度の時間がたつと、悲しみが非常に強いときの反応は和らいできます。少しずつ日常を取り戻して死別以外のことを考えることができ、未来のことを考えられるようになります。しかし、自分の一部がなくなったような空虚感が完全に消えることはありません。そのような状態でも少しずつ自分を取り戻し、精神的にも落ち着いてくるでしょう。
亡くなった人へのこだわりを手放す
亡くなった人へのこだわりをやめて、自分自身の新しい生活に目を向けられるようになります。忘れるわけではなく、大切な人を心に留めながら、以前の活気や明るさを取り戻していきます。
死別を乗り越えることができないと
死別を悲しむことができない場合、身体や心に問題を生じるかもしれません。
数年後に身体症状や鬱症状
大切な人が亡くなったときに、家族や仕事など周りへの責任を感じて、全く悲しみを表さずに元の生活に戻ったかのように見える人もいます。しかし、大切な人との別れをありのまま悲しむことができない場合、数年後に身体やうつ病などの心の不調が起こることがあります。
悲嘆によって身動きが取れない
死別による悲しみを感じ始め、身動きが取れなくなってしまうことがあります。大切が人が亡くなったショックとそのことを信じたくないという強い気持ちが続き、そこから抜け出せなくなるのです。何年経過しても大切な人が亡くなったことを受け入れることができません。
自分自身の健康に疎くなる
死別を受け入れられずに強く落ち込み、食事もままならず、大切な人のもとへ行きたいと自分の命をも断ちたいと考えることがあります。そのような気持ちのまま過ごすと健康を害し、自分の健康について気にも留めなくなります。
どうやって乗り越える?
大切な人との死別を乗り越えることは容易ではありません。でも、このつらさを乗り越えるためにできることをしたいと思うなら、周りの人の力を借りるのもいいでしょう。
- 似ている境遇の人と話す
- 悲嘆専門のカウンセラーや心理士に相談する
- かかりつけ医院を受診する
周りからはどのようなサポートが必要?
最後に、悲しみに暮れている人をどのようにサポートできるかについて考えましょう。そばにいることや気持ちを共有できるような接し方ができるといいですね。
- 悲しむ人のそばにいる
- 悲しむこと共有する
- 一緒に涙を流して、共感する
- 悲しむ時間を奪わない
- 孤独感を感じないように接する
- 気持ちを話せるようにする
- 「頑張れ」「しっかりして」などの言葉を使わない
まとめ
死別は、体や心に強い影響を及ぼします。死別反応は動揺や怒りなどの感情を持ちながら死を受け入れ、自分自身も日常を取り戻すために必要な感情の動きです。周りにいる人は、悲しみを共有し気持ちを話せるような環境を作ってサポートできるといいでしょう。
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