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パートナーとうまくいかないのはカサンドラ症候群?関係悪化の原因と対処法を解説

2024.05.182024.05.18

カサンドラ症候群、大人の発達障害・ADHD

ASDのパートナーとの関係性に悩み、心身の不調のきっかけに

「家族やパートナーの心ない発言に傷つき、分かりあえない…」
「パートナーのことを周りに相談しても『そんなに人には見えない』と理解されない」
「パートナーからいわれた言葉が何度もフラッシュバックする…」

そのようにパートナーとの関係性に悩み、心身に不調をきたしている場合は、「カサンドラ症候群」かもしれません。カサンドラ症候群とは、ASD(※)の方の家族やパートナーが対応に苦しみ、調子を崩してしまうことをいいます。

本記事では、カサンドラ症候群の特徴や原因となるASDの特性、対処方法を紹介します。パートナーとの関係に悩んでいる方は、ぜひ参考にしてください。

※自閉スペクトラム症、アスペルガー症候群

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カサンドラ症候群とは?

ASDの方の家族が、本人と心の通った関係を築けず、心身に不調をきたす状態を「カサンドラ症候群」と呼びます。パートナーの心ない一言に傷ついたり、振り回されたり、自分感覚や理想とのズレに対するコミュニケ―ションが十分に取れずに、疲れ果ててしまうのが特徴です。

ASDの方の視点と、自分の抱える相談がかみ合わず、苦しむことも

また、パートナーへの不満を周囲に打ち明けても、「そんな人には見えない」と理解されないことがあります。また、ASDの方が感じる視点と、自分の抱えている問題点について理解が上手くかみ合わず、真意が伝わらないこともあります。

その結果、1人で悩むことが多く、「理解できない自分が悪い」「上手くパートナーとして振舞えない自分が辛い」と追い込んでしまいます。

ASDは女性よりも男性に4倍ほど多いとされているため、最もよくみられるのは女性が夫の対応に苦しむケースです。ただ、女性特有の問題というわけではなく、男性にもありえるでしょう。また、本人を取り巻く家族や職場の同僚も含むことがあり、最近では、ASDの特性が強い子どもの母親も含まれます。

カサンドラ症候群の症状と診断基準は?

カサンドラ症候群は、正式な病名ではありませんが、「カサンドラ情動剥奪障害(AfDD)」という名称で診断基準が設けられています。AfDDとされるのは「パートナーの特徴」「パートナーとの関係」「心理・身体的症状」の3つの特徴のうち、1つ以上を満たす場合です。

【パートナーの特徴】※1つ以上

  • 低い感情知能(相手の立場に立って考えるのが苦手)
  • アレキシサイミア(感情への気づきが弱い)
  • 低い共感指数(相手の気持ちに共感することが苦手)

【パートナーとの関係】※1つ以上

  • 強く対立した関係
  • 身体的および心理的な家庭内暴力
  • 関係満足度の低下
  • 関係の質の低下

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【心理・身体的症状】

  • 自尊心の低下(パートナーに否定されて自信がなくなる)
  • 混乱や当惑(どう対応していいか分からない)
  • 怒り、抑うつ、不安の感情
  • 罪悪感(自分が悪いと思ってしまう)
  • 自己の喪失(自分が分からなくなる)
  • 恐怖症、社会恐怖症、広場恐怖症(外に出るのが怖くなってしまう)
  • 心的外傷後ストレス反応(パートナーの言動がトラウマになり思い出す)
  • 疲労
  • 睡眠障害
  • 片頭痛
  • 体重減少または増加
  • 女性関連の問題

3つの特徴からは、パートナーの共感性が低く、心の通った関係を築きにくいといった問題があるといえます。さらに、関係が上手く行かないのは自分のせいだと感じやすく、さまざまな心理面や身体面の症状が生じることが特徴です。

重症化すると、恐怖症やトラウマ性のストレス反応を起こす場合もあります。それほど、身近な人と気持ちの通った関係を築けないことは多大なストレスとなるのです。

関係悪化につながる3つのASD特性とは?

カサンドラ症候群にみられるパートナーとの関係悪化は、ASDの特性との関連がとても大きな病気だといえます。2人の関係に影響する、ASDの特性とはどのようなものがあるのでしょうか。以下の3つの特性について解説します。

  • 「なんとなく察する」が難しい
  • 見えないものに対するイメージがわきにくい
  • 切り替えにくい

関係悪化に繋がりやすい特性①:「なんとなく察する」が難しい

ASDの特徴として、他人の気持ちを自然に読み取ることが苦手なところがあります。そのため、パートナーからすると「なんとなく察してほしい」気持ちでも、うまく読み取れない場合があるのです。

例えば、忙しそうに家事をしている姿をみても、ゲームばかりして手伝わないことがあったとします。そういう場面では「手伝ってといわれていないから」「自分の役割じゃないから」と思いやすいでしょう。

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対処法

ASDの特性が強いと、言葉にしないと分からないことがあります。そのため、役割分担を決めたり、事前にこうしてほしいと伝えたりするとよいでしょう。例えば、以下のように、「○○のときは△△してほしい」とパターン化して取り決めておくことがおすすめです。

  • 頭痛で横になっているときは疲れがたまっている時なので、「大丈夫?」と声をかけてほしい
  • 「洗濯は私、食器洗いはあなた」は基本ルールだけど、私が走り回るくらい忙しそうにしているときは、手伝ってほしい

関係悪化に繋がりやすい特性②:見えないものに対するイメージ共有ができにくい

ASDの方は、行間を読んだり、雰囲気を読み取ったりすることが苦手な場合があります。言葉に表れない「見えないもの」に対するイメージがわきにくいためです。そのため、「○○してほしい」といわれても、「何のためにするのか」、”他者の視点”、をなかなかイメージできず、やる気にならないということがあります。

対処法

何かを頼む時には、それをした結果どうなるのか、なぜそれをしてほしいかを合わせて伝えるとよいでしょう。例えば、「子どもに習い事をさせたい」という場合は、通った結果何が得られるかを言葉にして伝えます。

とくに、数字のように具体的な根拠を示して伝えると、イメージしやすいでしょう。イメージがわきにくい特性をカバーするような関わりをすると、聞いてもらいやすくなります。

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切り替えにくい

最初に言われたことから切り替えにくいところも、ASDの特徴です。急な予定変更が苦手で、「急に予定を変えるないでほしい」「前は○○だったのに、なぜダメなんだ」と反発されることもあるでしょう。

対処法

予定変更がある場合には、事前に伝えておくとよいかもしれません。例えば、「○○日の予定だけど、先に△△をしておきたいから、14時から13時出発にしてもいいかな?」と目的を明確にして伝えます。

1度決まったことが変わるのは、ASDの方にとっては苦痛なことが多いです。そのため、丁寧に伝えられないと、「失礼だ」「ありえない」という感情が湧いてしまうことがあります。

また、相手の事情を汲むよりも「自分にとって良いのかどうか」という視点に思える発言が出てしまい、お互いに意見の批判のタネや怒りの爆発のもとになってしまうことがあります。

事前に時間を取って変更を伝えることで、トラブルを回避しやすいといえます。

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特性を理解してもうまくいかない、こころの不調が生じる場合はSOSが必要

ASDの特性を理解し、適切な対応が取れていても、うまくいかないこともあります。また、「なぜ自分だけがここまで我慢しないといけないんだ」・「ずっと自分の気持ちを分かってもらえなくて辛い」とイライラした気持ちになることもあるでしょう。

パートナーだからといって、1人で支える必要はありません。決して1人で抱え込まず、誰かを頼ってみんなで支えていくことが重要です。どうしてもうまくいかない場合は、適切な距離を取り、信頼できる人に相談しましょう。

周囲に相談できる人がいない場合には、専門の支援機関に相談し、適切な対処や治療を行うことも必要です。発達障害を扱う精神科や心療内科では、家族からの相談を受け付けているところもあります。

また、ASDの特性を持つ本人も苦しんでいるケースが少なくありません。無理に治療を押し付けることなく、専門家と一緒に理解を深めていきましょう。

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野村紀夫 監修
医療法人 山陽会 ひだまりこころクリニック 理事長 / 名古屋大学医学部卒業
保有資格 / 精神保健指定医、日本精神神経学会 専門医、日本精神神経学会 指導医、認知症サポート医など
所属学会 / 日本精神神経学会、日本心療内科学会、日本うつ病学会、日本認知症学会など

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