“どうしても人と比べてしまう”そのクセ、心の仕組み理解と心療内科の視点について名古屋ひだまりこころクリニック名駅エスカ院が解説

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“どうしても人と比べてしまう”そのクセ、心の仕組み理解と心療内科の視点

2025.04.252025.04.26

自己概念、抑うつ、自己肯定感

なぜ人は他人と比べてしまうのか?

「他人と自分を比べてしまう」と感じることは、誰にでも一度は経験があることだと思います。社会や周囲の人々の生活、仕事、外見、成績など、常に比較してしまう自分に悩まされることも少なくありません。こうした「他人と比べるクセ」が癖になり、心の中で自分を責めてしまったり、自己評価が低くなったりすることがあります。今回は、心療内科の視点でこの「比較癖」がどのような心理的メカニズムに基づいているのかを掘り下げ、どのように向き合っていけばよいのかを解説しています。

社会的に適応するために

人は社会的な動物であり、周囲と自分を比較することで自分の位置を確認し、社会的な適応をしています。この「比較」という行動は、無意識に行っていることが多く、その目的は自己評価をし、社会的に適切な位置を見つけるためです。比較は、もともと生存に役立つもので、古代の人々が集団で生活していた時代、仲間と自分を比べることで自分の強みや弱みを認識し、生き残るための判断材料として重要でした。

現代においても、比較はある意味で自分の「基準」を知る手段となっています。特に社会的な場面では、どんな自分が「正常」で、どんな自分が「成功している」と見なされるかを知るために、他人との比較は避けられない行動となっています。

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比較することで生じる心理的影響

「他人と比べてしまう」こと自体は悪いことではありません。問題になるのは、その比較によって自分を不必要に責めたり、劣等感を感じたり、自己肯定感を低くしてしまう場合です。以下のような心理的影響が生じることがあります。

(1) 自己肯定感の低下

他人と自分を比較してしまうことで、どうしても自分が劣っているように感じてしまいます。特に、SNSなどで他人の成功や楽しそうな生活を目にすると、無意識に自分と比較し、「自分はまだ何も達成していない」「自分はこんなに劣っている」と感じることが多くなります。その結果、自己評価が下がり、自己肯定感が低くなることがあります。

▶「自己肯定感」についてはこちら

(2) 完璧主義の強化

他人と自分を比べることが続くと、「他人のように完璧でなければならない」という思いが強くなります。これがさらにエスカレートすると、自己批判的になり、自分の短所を極端に意識してしまうようになります。完璧主義が強化されると、達成感を得ることが難しくなり、次第に自分を許せなくなることがあります。

(3) ストレスの増加

常に他人と比較することで、「自分は十分ではない」「もっと頑張らなければならない」というプレッシャーが生まれます。これが積み重なるとストレスとなり、身体的・精神的な疲労を引き起こすことがあります。特に、外部の基準に合わせて自分を無理に変えようとすると、心のバランスが崩れやすくなります。

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心療内科から見た「他人との比較」の問題

心療内科の視点では、他人との比較は「自己概念」に大きな影響を与えます。自己概念とは、「自分はどういう存在か」という自分に対する認識のことです。この自己概念が安定していると、他人と比較しても、あまり感情的な影響を受けず、自分のペースで生きやすくなります。しかし、自己概念が不安定な場合、比較の結果が過剰に自己評価に影響を与えてしまいます。

例えば、自己概念が低い人は、他人との比較によって簡単に自分を否定的に捉えてしまう傾向があります。このような状態が続くと、自己肯定感がさらに低下し、うつ病不安障害などの心の問題に繋がることがあります。

▶「自己概念」についてはこちらでも紹介しています

(1) 他人と比較して自己評価を下げることのリスク

心療内科では、過度な比較によって「自分に対する否定的な認識」が強化されることが問題視されます。自己評価が低くなると、どんな小さな失敗にも過剰に反応し、「自分はダメだ」という思い込みに陥りやすくなります。このような状態が続くと、慢性的なストレスや心理的な不調を引き起こし、最終的にはうつ病などのメンタルヘルスの問題に繋がる可能性があります。

(2) 他人の成功と自分の進歩をどう受け止めるか

心療内科では、他人の成功や進歩を見ても、自分のペースで進んでいることに価値を見出す重要性を指摘します。他人の成功に焦点を当てすぎると、自己肯定感を保つことが難しくなりますが、逆に、自分の小さな進歩や成功を積み重ねていくことで、心の安定を取り戻すことができます。

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「比べるクセ」にどう向き合うか?

「他人と比べてしまうクセ」を改善するためには、次のような心のアプローチが有効です。

(1) 自分の基準を持つ

他人と比較するのではなく、自分自身の基準を明確にすることが重要です。自分が何を目指しているのか、どんな自分でありたいのかを再確認し、その基準に従って進んでいくことが、自分を他人と比較することなく前進する力になります。

(2) 他人の成功を祝う

他人と比べることが自分を苦しめる場合、他人の成功を「自分とは違う形の成功」として捉え、心から祝福することが大切です。他人の成功を自分の不足を補うものとしてではなく、自分と違う進み方をしている人がいることを理解することで、無用な比較から解放されることがあります。

(3) 小さな成功を認める

自分の中で「小さな成功」を大切にすることで、自己肯定感を育てることができます。自分を他人と比較する代わりに、日々の小さな進歩を認めて、自分のペースで歩んでいることを誇りに思いましょう。

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まとめ

他人と自分を比べることは、社会的に生きている以上避けられないことです。しかし、それが過度になると、自己評価が下がり、ストレスや心理的な不調を引き起こす原因になります。心療内科の視点からは、他人との比較を意識的に減らし、自分自身の基準やペースで進むことが、人と比べすぎてしまう時の、心の安定に繋がります。

自分を他人と比較してしまうクセに悩んでいる場合は、少しずつ自分自身に優しく、前向きな心のアプローチを実践してみてください。否定的な考えが継続してしまうと、抑うつやうつ病の症状も強くなってしまうこともありますので、精神科,心療内科,メンタルクリニックなどへの医療機関への相談も大切です。

名古屋ひだまりこころクリニック名駅エスカ院は、名古屋駅から徒歩1分とアクセス良好な精神科,心療内科,メンタルクリニックです。

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野村紀夫 監修
医療法人 山陽会 ひだまりこころクリニック 理事長 / 名古屋大学医学部卒業
保有資格 / 精神保健指定医、日本精神神経学会 専門医、日本精神神経学会 指導医、認知症サポート医など
所属学会 / 日本精神神経学会、日本心療内科学会、日本うつ病学会、日本認知症学会など

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