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「何もしていないのに疲れる」「朝起きられない」心のエネルギー低下について
2025.04.202025.04.20
抑うつ、心理面・思考、うつ病
「何もしていないのに疲れる」「朝起きられない」とき
「朝がつらくて起きられない」「ちょっとしたことでミスが増えた」「休日は寝ているだけなのに、なぜか疲れが取れない」「最近、何をしても楽しくない」。
こうした状態が続いていると、「自分はだらしないだけでは?」「甘えているだけかも」と、自分を責めてしまう人が少なくありません。
しかし、こうした感覚や変化には、心や脳のコンディションが大きく関係していることがあります。単なる“気の持ちよう”では片づけられない心のサインを見逃さないためにも、いくつかのポイントを紹介しております。
「朝起きられない」のは、意志の弱さではなく“脳のブレーキ”
まずよくあるのが、「朝どうしても起き上がれない」という訴えです。これは睡眠不足や生活リズムの乱れだけでなく、精神的ストレスや抑うつ状態の初期症状であることもあります。
特に、目は覚めているのに体が動かない、着替えや出勤の準備をする気力がわかないといったケースでは、脳の“やる気”や“活力”を生み出すシステムが機能低下している可能性があります。これはサボりではなく、脳が「これ以上の負荷に耐えられない」と判断してブレーキをかけている状態です。
「仕事でのミスが増える」は、注意力の低下や処理能力の落ち込み
以前は普通にこなせていた業務で、急にミスが増えるようになったとき、職場のプレッシャーや人間関係などによる心理的負荷が関係していることがあります。
心が疲弊すると、集中力や注意力が落ちるのは自然なことです。また、脳が常に「不安」や「緊張」を処理している状態では、作業そのものに使えるリソースが減ってしまい、結果としてミスが重なりやすくなります。
「なぜこんな簡単なことができないのか」と自分を責める前に、まずはその“背景”を見つめることが必要です。
「何もしてないのに疲れる」は、慢性的なストレスのサインかも
「今日は何もしていないのに、もうクタクタ」と感じる日が続くのは、身体的な疲労ではなく“脳の疲れ”が原因かもしれません。
慢性的なストレス状態では、交感神経が優位になり、リラックスする力が働きにくくなります。すると、休んでいるはずなのに疲れが取れず、むしろ倦怠感や頭の重さが増していくという悪循環に陥ります。
また、抑うつ状態の初期では、体の重さやだるさが強く出ることもあり、「とにかく動けない」という表現をされる方もいます。
「楽しめない」「笑えない」…それは感情が反応しにくくなっている状態
以前は楽しめていた趣味や娯楽に、今はあまり心が動かない。笑う機会が減った。こうした変化も、心のエネルギーが枯渇しているサインのひとつです。
これは「興味・喜びの喪失(アネドニア)」と呼ばれ、うつ病の診断基準にも含まれる重要な症状のひとつです。本人としては「感情が平坦になったように感じる」「何に対しても反応が鈍い」と感じることがあります。
一時的な落ち込みや気分の波と異なり、これが何日も、あるいは何週間も続くようであれば、精神科や心療内科などの専門家に相談することをおすすめします。
早めに気づくことが回復への第一歩
心の不調は、目に見えにくく、他人にはなかなか伝わりにくいものです。だからこそ、「がんばればどうにかなる」「人と比べたら自分はまだ大丈夫」と、自分の状態を軽く見積もってしまいがちです。
けれど、朝起きられない、集中できない、疲れが取れない、楽しくない。そうした感覚が続くのは、心や脳が「休みたい」「見直してほしい」とサインを送っている可能性があります。
無理を続けるほど、回復には時間がかかります。少しでも「おかしいな」と思ったら、自分だけで抱え込まず、専門家の力を借りることも選択肢に入れてみてください。
名古屋のひだまりこころクリニック名駅エスカ院も患者様お一人お一人の症状に応じた、治療ケアを提案しております。お気軽にご相談くださいませ。
【まとめ】それは「ただの疲れ」ではないかもしれません
- 朝起きられない
- 仕事でのミスが増える
- 何もしていないのに疲れる
- 楽しめない・笑えない
これらの状態が単独で、または複数同時に続いている場合、それは心のエネルギーが低下しているサインです。
こうした変化を「気のせい」や「甘え」として片付けず、自分の状態を丁寧に見つめることが大切です。必要であれば、医療機関での相談も、回復に向かうための適切なステップになります。
野村紀夫 監修
医療法人 山陽会 ひだまりこころクリニック 理事長 / 名古屋大学医学部卒業
保有資格 / 精神保健指定医、日本精神神経学会 専門医、日本精神神経学会 指導医、認知症サポート医など
所属学会 / 日本精神神経学会、日本心療内科学会、日本うつ病学会、日本認知症学会など
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