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診断がつかず理解されない?「発達障害グレーゾーン」とは?

2024.05.212024.05.22

発達障害グレーゾーン、大人の発達障害・ADHD

コミュニケーションや集中力、学習の特性とは

診断がつきづらい、発達障害の疑いとは

発達障害には「グレーゾーン」と呼ばれる概念があります。発達障害とは、脳機能の発達に関する障害であり、コミュニケーションや集中力、学習など生活上の問題を引き起こすものです。

発達障害は、医師によって診断されますが、中には発達障害の傾向があっても、基準を満たさずに診断されない場合があります。

とくに、発達障害かもしれないと疑って、病院を受診したけれども、次のようにいわれた方もいるのではないでしょうか。

  • 「発達障害の傾向はあるけども、診断はつかない」
  • 「発達障害のグレーゾーンだ」
  • 「必要な検査をしたけども、明らかな傾向はみられなかった」

このようにいわれ、「グレーゾーンといわれてもどうしたらいいか分からない…」と思うことも少なくないでしょう。グレーゾーンだからといって、症状が軽いわけではなく、グレーゾーンだからこその悩みもあるのです。

本記事では、発達障害のグレーゾーンといわれた方や、発達障害の傾向があるのではないかと考えている方に向けて、特徴や対処方法について解説します。

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発達障害のグレーゾーンとは?

発達障害には3つの障害やタイプがあります

発達障害のグレーゾーンとは、発達障害の傾向があるのに診断がつかない状態をいいます。発達障害に分類されるのは、主に以下の3つの障害です。

  • 自閉スペクトラム症(ASD)
  • 注意欠如・多動症(ADHD)
  • 限局性学習症(SLD)

発達障害の診断は、「DSM-5※」という精神疾患の国際的な基準をもとに行います。診断基準は、1つではなく複数あり、全てを満たさないと発達障害とは診断されません。そのため、1つは当てはまるがもう一方は当てはまらないという場合、診断されないことがあるのです。

※DSM-5:アメリカ精神医学会が刊行する「精神障害の診断・統計マニュアル第5版」

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発達障害にはどんな特徴がある?

グレーゾーンでは、3つの発達障害と同じ特徴がみられます。そもそも発達障害にはどのような特徴があるのでしょうか。大人の発達障害によくみられる「自閉スペクトラム症(ASD)」と「注意欠如・多動症(ADHD)」を例にして解説します。

大人の発達障害①:自閉スペクトラム症(ASD)

自閉スペクトラム症(ASD)は、コミュニケーションや周囲と調子を合わせることに関する発達障害の1つです。対人関係上で状況に合わない行動をしてしまったり、こだわりが強くて物事が進まなかったりするなど、社会生活を送る上で支障をきたしやすいでしょう。

自閉スペクトラム症(ASD)の症状の例について

以下のような例があげられます。

  • 会話で何を話せばいいか分からなくなってしまう
  • 相手の意図を汲み取るのが苦手
  • 急に予定を変更されると混乱する
  • 音や匂いに敏感で、体調が悪くなることがある

グレーゾーンの場合は、「音や匂いに敏感だが、会話であまり困らない」などと、一貫して当てはまらないことが多いでしょう。

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大人の発達障害②:注意欠如・多動症(ADHD)

注意欠如・多動症(ADHD)は、落ち着きがなく集中できないことや、突発的に行動してしまうことを特徴とする発達障害の1つです。大人においては、集中力が続かず仕事でミスを重ねたり、不用意な発言で空気を悪くしてしまったりするなどの支障をきたすことがあります。

ADHDの症状の例について

ADHDの症状として、以下のような例が挙げられます。

  • 忘れ物が多く、頻繁にものを失くす
  • 集中が続かず、話を聞いていないと指摘される
  • 別の刺激があると、すぐに気が散ってしまう
  • つい喋りすぎて相手の発言をさえぎってしまう

グレーゾーンの場合、「忘れ物は多くないが集中が続かず困っている」といった一部しか当てはまらないような状態であるでしょう。

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発達障害のグレーゾーンとされる理由は?

では、どうして発達障害の傾向があるのに、診断基準を満たさないことがあるのでしょうか。3つの理由について説明します。

グレーゾーンの理由①:子どものころの情報が不足しているから

診断基準を満たさない原因の1つとして、子どものころの情報不足があります。発達障害は、子どものころからその傾向があることが診断における条件の1つです。

大人になってから発達障害を疑うケースでは、子どものころの対人関係やコミュニケーションがどうだったか、はっきりしないことがあります。そのため、発達障害と診断するには十分な情報が足りないということが起こるのです。

グレーゾーンの理由②:調子によって症状の重さが変化するから

身体の調子や周囲の環境によって、発達障害特性の強さは変動します。病院で診察を受けた日が、たまたま調子が良く症状が目立たなかった場合、診断を下せない場合があるのです。

とくに、発達障害の傾向がある場合、体調によりコミュニケーションや集中力などが左右されることが多いでしょう。

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グレーゾーンの理由③:工夫により特徴が目立たなくなっているから

大人の発達障害の場合、自分なりに工夫したり、周囲が配慮してくれたりするなど、既にうまく工夫されていることがあります。工夫により目立たなくなっていると、診断基準の一部を満たさない可能性があるでしょう。

発達障害のグレーゾーンの人が抱えやすい悩みとは?

発達障害と診断されないと、どのようなことに困ってしまうのでしょうか。グレーゾーンの方が抱えがちな2つの悩みを紹介します。

グレーゾーンの方の悩み①:やる気や性格の問題だと周りに思われる

「発達障害の傾向がある」と自分で伝えても、診断されていないと説得力がなく、周囲に理解されないことがあります。発達障害の特性でうまくいかないことも、「根気が足りない」「だらしないから」と片づけられてしまうのです。

発達障害の特性が原因で困ることは、努力してもうまくいかないことが多いでしょう。しかし、周りからはやる気や性格の問題と思われ、「できないのは努力が足りないから」と自分を責めてしまうのです。

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グレーゾーンの方の悩み②:発達障害に必要な支援を受けにくい

発達障害の診断を受けると、障害者手帳の取得や就労支援サービス、障害者枠での雇用など、障害に応じた支援を受けられます。しかし、グレーゾーンの方の場合、障害に合わせた形で必要な支援を受けにくいことがあるでしょう。

なお、うつ病不安障害など、発達障害以外の診断がついている場合は、他の精神疾患で障害者手帳を申請することも可能です。

発達障害のグレーゾーンの対処法は?

「周囲に理解されない」「必要な支援を受けにくい」など、グレーゾーンには、特有の悩みがあります。では、どのように対処すればよいのでしょうか。

グレーゾーンの対処法①:発達障害の場合と同じ対応をする

診断がついていなくても、発達障害の傾向に配慮した工夫が有効な場合があります。そのため、グレーゾーンの場合でも、「発達障害の傾向がある」として対応していくとよいでしょう。例えば、以下のように仕事や生活の中で工夫することがおすすめです。

【集中力が続かない場合(ADHDの傾向)】

  • 作業に必要のないものを全て片づけておく
  • こまめに小休憩をとる
  • 「15分だけ」など短時間に集中して取り組むようにする

【仕事の全体像を掴むのが苦手な場合(ASDの傾向)】

  • 優先順位を考え、周囲と共有する
  • 与えられた指示を5W1Hで整理して書き出す
  • 必要な作業をリストアップする

グレーゾーンの対処法②:心理検査の結果を参考にする

グレーゾーンに限りませんが、客観的な検査によって、得意不得意の傾向を知り、対策を考えることがとても重要です。

発達障害の診断では、「心理検査」の結果が参考にされることがあります。心理検査とは、知能レベルや能力の特徴、性格などについて調べるもので、発達障害の診断によく用いられるのが「WAIS-Ⅳ」という知能検査です。

WAIS-Ⅳについて

WAIS-Ⅳでは、自分の知能レベルが同じ年齢の人たちの中で、どのくらいのレベルなのかを調べられます。また、能力を以下の4つの指標に分けて、得意分野と苦手分野の傾向がわかることが特徴です。

  • 言語理解:語彙や一般常識の理解力、言葉を使った思考力や表現力
  • 知覚推理:目で見た情報を正確にとらえる力、または情報をまとめたり、推理する力
  • ワーキングメモリー:聞いたことを一時的に覚えておく力
  • 処理速度:一定のルールに沿って、作業を正確かつ速くこなす力

仕事や生活で困っていることが、4つの指標のどういったバラつきから生じているかを考え、対処方法を導いていきます。

例えば、「仕事が遅くて怒られる」という困りごとがある場合を考えてみましょう。「言語理解」が高いのに「処理速度」が低いという場合は、「やるべき仕事は頭で理解できている(=言語理解)が、スピードが遅い(=処理速度)」といえます。

一方、「処理速度」は平均的なのに、「ワーキングメモリー」が低いという場合は、「指示を忘れ、確認が増えて作業が遅くなる」のが原因かもしれません。

このように、1つの困りごとをとっても、原因はさまざまだといえます。知能検査から、得意不得意の傾向を調べ、特徴に合わせた対処を行うことが大切です。

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発達障害のグレーゾーンは他の症状で苦しむ場合もある

発達障害のグレーゾーンとは、発達障害の傾向があるのに診断がつかない状態です。しかし、症状が軽いので悩まないというわけではありません。

周囲に理解されず、仕事や日常生活でつらい思いが募ると、うつ病不安障害など、他の精神疾患の症状が出てくることもあります。診断がつくかどうか、というポイントだけではなく、能力や適性に合わせた配慮を考え、ストレスが少なく生きられることが最も重要です。

一度グレーゾーンと判断された人でも、他の病院を受診すれば、診断が変わるケースもあります。1人で悩まず、精神科や心療内科などの医療機関を受診し、専門家に相談してみましょう。

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野村紀夫 監修
医療法人 山陽会 ひだまりこころクリニック 理事長 / 名古屋大学医学部卒業
保有資格 / 精神保健指定医、日本精神神経学会 専門医、日本精神神経学会 指導医、認知症サポート医など
所属学会 / 日本精神神経学会、日本心療内科学会、日本うつ病学会、日本認知症学会など

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