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『生きづらい』って、どういうこと?心理的メカニズムから読み解く、その正体とは
2025.04.182025.04.18
心理面・思考、HSP
「生きづらい」と感じるのは、どのような時でしょうか?
- 「なんとなく、毎日がしんどい」
- 「人といると疲れてしまう」
- 「自分の考えや感じ方は、周囲と違う気がする」
こんなふうに、日々の中でふと感じる“生きづらさ”。理由がはっきりしないまま、検索窓に「HSP?」「発達障害?」「うつ?」と打ち込んだ経験がある方も多いかもしれません。
けれど、「生きづらい」と感じることは、決して異常なことではありません。それは、心が出している“違和感のサイン”であり、あなたの感受性や思考の深さの裏返しでもあるのです。
生きづらさの正体「心の“特性”と“環境”のミスマッチ」
「生きづらさ」とは、医学的な病名ではありません。しかし、多くの場合には以下のような要因が複雑に絡み合って、その感覚を生み出しています。
● 感受性が高すぎて疲れやすい(HSP傾向)
光や音、人の機嫌などに敏感で、環境から強い影響を受けやすい人は、日常生活だけでも大きなエネルギーを消耗します。自分を抑えて周囲に合わせすぎてしまうことで、疲れがたまりやすくなるのです。
● 発達特性との関連(グレーゾーン含む)
注意のコントロールが苦手だったり、言語以外のコミュニケーションが読み取りにくいといった特性を持つ人は、人間関係や仕事でのミスが続きやすくなります。それによって「なぜ自分だけがうまくいかないのか」という自己否定に結びついてしまうことも。
● 抑うつや慢性的なストレスの影響
明確なうつ病でなくても、慢性的なストレスが続くことで思考がネガティブに偏り、「自分には価値がない」「このまま生きていくのがつらい」といった感情が強くなることがあります。
周囲との「違い」が、孤独感を深める
生きづらさを抱えている人の多くが、「どうしてみんなは普通にできるのに、自分だけ…」という感覚に悩まされています。しかし、私たちは見えないところで、それぞれに違う困難や敏感さを抱えて生きているもの。表面だけでは判断できない“心の負荷”を、自分だけが重く感じているように錯覚してしまうこともあるのです。
その「自分だけが違うかもしれない」という孤独感こそが、生きづらさをさらに強める要因となります。
「生きづらさ」を抱える人に共通する思考のパターン
以下のような考え方のクセがあると、心の柔軟性が失われ、自己否定感が強くなりやすくなります
- すぐに「自分が悪い」と結論づけてしまう
- 完璧にできないと意味がないと思ってしまう
- 他人と比べて、自分に足りないところばかり見てしまう
- 人に頼ることを「迷惑」と感じてしまう
これらの傾向は、過去の経験や育った環境、対人関係の積み重ねによって形づくられていきます。そして、その思考のクセが気づかないうちに“生きづらさ”として現れているのです。
「病気かどうか」よりも、「つらさがあるかどうか」が大切
「自分はHSPなのか?発達障害なのか?うつ病なのか?」と気になって調べること自体は、心の状態を知ろうとする大切なプロセスです。
でも、重要なのは「診断名があるかどうか」ではなく、「いま、つらさがあるかどうか」。病名がつくかどうかにかかわらず、苦しさや違和感があるなら、それは十分にケアすべき状態です。
実際、精神科や心療内科では、診断がつきづらい“グレーゾーン”の相談も多くあります。たとえば、「社会生活はなんとかできているけれど、毎日がしんどい」「自分をうまく説明できない違和感を感じる」といった悩みにも、臨床的な支援は可能です。
一人で抱えずに、「わかってくれる人」とつながること
生きづらさを感じている人にとって、本当に必要なのは「正解」ではなく、「安心して自分を出せる場所」です。
心療内科や精神科は、「病気の人が行く場所」ではなく、「こころの違和感を整理するための場所」でもあります。自分自身の特性や思考パターン、疲れやすさの原因に気づくことで、少しずつ“生き方の選択肢”が広がっていくことがあります。
【まとめ】“生きづらさ”は、あなたの繊細な感受性が知らせてくれるメッセージ
「生きづらさ」を感じるとき、それは単に心が弱っているからではなく、物事を丁寧に受け止めている証でもあります。感受性が強い人ほど、周囲の空気や言葉に敏感に反応し、自分自身にも厳しくなりがちです。その積み重ねが、「なんとなくしんどい」という感覚につながっていくこともあります。
でも、その違和感には、必ず理由があります。「なぜこう感じるのか」と立ち止まって考えることは、自分を理解する第一歩です。もちろん無理に前向きになろうとする必要はありません。ただ、ひとりで抱えず、心の疲れや負担に気づけたときは、少しずつケアしていくことを意識してみてください。名古屋駅の心療内科,精神科,メンタルクリニックのひだまりこころクリニック名駅エスカ院も患者様お一人お一人の症状に合わせて治療やケアの提案をしております。お気軽にご相談くださいませ。
関連記事について
▶「その悩み、もしかしてHSPかも?毎日をあなたらしく生きるために」
野村紀夫 監修
医療法人 山陽会 ひだまりこころクリニック 理事長 / 名古屋大学医学部卒業
保有資格 / 精神保健指定医、日本精神神経学会 専門医、日本精神神経学会 指導医、認知症サポート医など
所属学会 / 日本精神神経学会、日本心療内科学会、日本うつ病学会、日本認知症学会など
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