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醜形恐怖症の症状や治療について

2024.05.242024.05.25

醜形恐怖症

自分の顔に対して思うことと・感じることについて

自分の身体で気に入らないところって、他人からどう見られているか気になるものですよね。例えば、肌荒れ、薄毛、あざなどがあると、どうにかならないかと努力したり治療したりすることでしょう。

しかし、醜形恐怖症は「自分はみにくい」という思い込みがいきすぎて、苦痛を感じます。醜形恐怖症の思い込みや苦痛、診断、治療とともに思い込みの特徴についてもお話します。

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どんな病気?

醜形恐怖症は、過度に自分の身体のある部分が醜いと思い込み、その考えが止まらなくなります。醜いと思っている場所を何度も確認したり隠したりする行動が見られ、本人も苦しみます。醜形恐怖症の特徴についてもう少し詳しく見てみましょう。

「自分は醜い」と信じ込んでいる

実際にはどこにも異常やみにくいところがなかったり、わからないほど目立たないレベルであったりするのにもかかわらず、自分の身体には外見上に大きな欠点があると思い込みます。その結果、何回も鏡を見たり何時間も思い悩んだりします。

「自分は醜い」という考えが止められない

「自分は醜い」という思い込みに本人も困惑しています。しかし、その考えを止めようとしても止められないのです。自分では、その考えをコントロールすることが困難なのです。

嘲笑されているに違いないと信じている

自分が気になっている部位について、他人が注目したり笑ったりしていると思い込んでしまいます。そのため、1日中鏡を見て気になる部分を確認したり着替えたりするのです。

気になる部位は様々で変化する

自分が気になっているところは洋服で隠れるか隠れないかは関係なく、身体のすべてが該当します。それは、時間とともに変わっていくことがあります。例えば、はじめはニキビが気になっていたけれど、時間とともに歯並びや胸の大きさなど、気になる場所が変化していくのです。

気になる部位

  • 皮膚:ニキビ・あざ・しわ・皮膚の色・傷あとなど
  • 顔:(目・瞼・眉・鼻・口・唇・耳の形や大きさなど
  • 身体:手足・胸・腰・おなか・お尻・性器
  • 毛:白髪・薄毛・体毛の濃さなど
  • 非対称:身体の部分が対称ではないこと

具体的な例

  • 二重瞼の幅が左右対称ではなくその差が気になる
  • 胸の大きさや形に差があるといびつであると思い込む
  • 肌が荒れていると思い込みほとんど1日中肌のことを考えている
  • 髪の生え際が気になって仕方がない
  • 自分がとんでもなく身肉と感じる
  • 整形しても満足できず、傷がなくても整形したことが他人にばれてしまうと恐れる
  • 何度整形や治療をしても満足せず、借金をしてでも理想を追う

隠す行動が過剰になる

隠そうする行動は、過度なトレーニングや化粧、服装などに現れます。また、「自分が安心できるようなコメントを求める」「皮膚をむしる」「衝動買いをする」などの行動に出ることもあり、本人もつらい思いをしていることが多い傾向です。

また、醜態恐怖症の人は、美容整形や皮膚科などに受診をして悩みを持っている部位の治療を行いますが、期待した結果が得られない場合が多く、かえって気になる度合いが高まることがあります。期待した結果が得られたとしても、また新たに気になる部位が生まれ「自分は醜い」という思い込みとなって、繰り返し治療や手術を行うことがあります。

醜形恐怖症の症状であると自覚できない

客観的にみると、思い込みすぎ、やりすぎと考えられる行動でも、本人にとっては正当な行動であると認識しています。例えば、本人に「ほとんど目立たない」と言っても、「自分を傷つけないために、本心ではない。やっぱり、もっと隠さないといけない」と思い込むのです。そして、自分には価値がないと思ってしまいます。

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社会的な弊害

「自分は醜い」という思い込みが強いため、仕事、学校、社会的な行事など、人前に出たり人と接することを避ける傾向があります。醜いと信じている部分を髪や帽子で隠したり、髭を生やしたりして隠します。外出を控えることも多い傾向です。

夜、電車に乗っていると、窓に映る自分の姿が耐えられなくて、電車に乗れない。自分の姿が鏡や窓に映ることに対するストレスを強く抱えていらっしゃる方もいらっしゃいます。

相談することすら恥ずかしいと思ってしまう

また、本人は気になっている部分を恥ずかしく、忌まわしいものと捉えるあまり何年も受診しないまま放置されることがあります。その結果、長期間にわたり悩み「自分は醜い」という考えにとらわれ、この考えから離れられなくなります。このように、醜態恐怖症の人は社会的に孤立した状態になりやすい傾向です。このため、うつ病不安症などの合併などにつながることがあります。

本人も苦しんでいる

様々な弊害で本人は苦しんでいます。しかし、「自分は醜い」という思い込みがあるため、他人が「それほど気にすることではない」と言っても、本人の考えは変わりません。自分はやりすぎていると感じていることがあったとしても、醜いことによる不安で確認したり隠したりする行動がやめられないのです。本人には理想とする像があり、それに近づきたいと思って様々な手を尽くしますが、理想の姿になることはありません。

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好発年齢

15歳から30歳 の間であり 女性は男性よりもやや多く、未婚者が多いという報告があります。一般的に、醜態恐怖症の人は、他の精神疾患も患っていることが多く、醜態恐怖症の90%以上が生涯の中で抑うつを経験しているとされています。

原因・成因

醜態恐怖症の原因は、現在のところ不明です。しかし、幼少期の過干渉、良好な親子関係ではなかったこと、身体的な特徴に関するいじめなどがきっかけになることがあります。

診断

次の4つの項目に当てはまる場合、醜態恐怖症と診断されます。

  • 他人から見ると些細、あるいは心配の程度に不釣り合いなほど外見上の欠点などに過度にとらわれる
  • 外見が気になるあまり、それを隠すことや確認すること、身づくろいをすること、自分と他人を比べることなどの行為を繰り返し考えたり行動したりする
  • みにくいという思い込みによって強い苦痛を感じ、職場や家庭、友人関係に支障をきたす
  • 摂食障害とは別の心配ごとである

治療

治療は、主に薬物療法と認知行動療法を行います。

薬物治療

選択的セロトニン再取り込み阻害剤、またはクロミプラミンによる治療が効果的だと考えられています。

認知行動療法

自分の外見に関して正確に捉えられるように、また建設的な考え方ができるように支援することが大切です。皮膚をむしったり、何度も自分の姿を確認したりするといった行動をやめていくようにします。また、社会的な関わりを持つことによって、苦痛を和らげて居心地よく感じられるような支援を行います。

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まとめ

醜形恐怖症について、醜いという思い込みの特徴、診断、治療などについてお話しました。「自分は醜い」という考えを消すことができず、他人が自分をあざ笑っていると感じてしまいます。

引きこもり気味になったり仕事などの社会的な弊害も問題となります。自分では、醜形恐怖症に気が付いていない場合があり、長年受診行動をとれずにいることも珍しくありません。自分は醜いという苦しさを感じていることに気が付いたら、一度受診を検討してみてはいかがでしょうか。

醜形恐怖症に関するブログの記載はこちら

栄院の「醜形恐怖症」に関するブログの記載はこちら

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野村紀夫 監修
医療法人 山陽会 ひだまりこころクリニック 理事長 / 名古屋大学医学部卒業
保有資格 / 精神保健指定医、日本精神神経学会 専門医、日本精神神経学会 指導医、認知症サポート医など
所属学会 / 日本精神神経学会、日本心療内科学会、日本うつ病学会、日本認知症学会など

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