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【HSS型HSPとは?】繊細で内向的なのに刺激を求める性格
2024.05.172024.05.17
HSP
HSPについて
HSPとは、周りの環境から刺激を受けやすい性質をもつ人を指す言葉です。繊細であるために、良い影響を受けることもあれば悪い影響を受けて生きづらくなることがあります。
HSPという言葉は一般的に広く知られるようになりました。一方で、次のように「繊細なHSPだと思うけど、当てはまらないところがある」と感じている人もいるのではないでしょうか。
- 「繊細だけど、好奇心が強く大胆な行動をする」
- 「興味があるときと慎重なときの気持ちの差が激しい」
- 「一人でいると気楽だけど、外に出て刺激も欲しい」
意外とHSPの方は多い
HSPは5人に1人がもつ性質であり、全人口に占める割合は非常に多いことが特徴です。そのため、繊細さを特徴としていても、その他にもさまざまな性質をあわせもっています。上記のように、「慎重だけど刺激も欲しい」という場合、「HSS型HSP」かもしれません。
本記事では、HSS型HSPの特徴や生きやすくなるヒントについて解説します。HSPに完全に当てはまらない、と感じている方はぜひ参考にしてください。
HSS型HSPとは?
HSS型HSPとは、どのような特徴を指す言葉なのでしょうか。「HSP」と「HSS」という2つの性質に分けて解説します。
HSP(Highly Sensitive Person)とは?
HSP(Highly Sensitive Person)とは、「環境感受性」が非常に高い性質をもつ人を指す言葉です。環境感受性とは「環境からの影響の受けやすさ」を表す性質であり、感受性には個人差があります。
環境感受性が高いHSPの人は、ポジティブな影響もネガティブな影響もどちらとも受けやすいことが特徴です。「敏感だから生きづらい」と思われがちなHSPですが、「深く感動できる」というようにポジティブな側面もあります。
具体的には、以下の4つの性質をもつことが特徴です。
- D(grater Depth of information processing/物事を深く考える)
- O(greater ease of Overstimulation/刺激に圧倒されやすい)
- E(increased Emotional reactivity and empath/感情的反応や共感をしやすい)
- S(greater awareness of environmental subtleties/些細な刺激に気づきやすい)
多くの人が気づかない細かいところにも気づきやすいため、物事を深く考えられたり、細やかな共感ができたりします。一方で、細かいところに気づきすぎてしんどくなるといったことも生じやすい点もHSPの特徴です。
HSS(High Sensation Seeking)とは?
HSS(High Sensation Seeking)とは、刺激を求めて新しい物事や変化を好む性質のことを指します。「刺激追求型」とも呼ばれる性格特性であり、好奇心が高く冒険心が豊かなことが特徴です。
HSS(刺激追求)+HSP(繊細さ)=HSS型HSP
HSS型HSPは、HSPとHSSといった相反する特徴を持ちます。一般的にはHSPというと、「繊細で大人しく、静かな人」というイメージを抱かれやすいでしょう。しかし、HSS型HSPは、時にアクティブに挑戦しますが、傷つきやすく疲れやすいといった矛盾した特徴をもちます。
そのため、HSS型HSPは「アクセルとブレーキを両方踏んでいる状態」に例えられます。エネルギーをうまく自分でコントロールできなかったり、周囲から抱かれる印象と内面とのギャップに苦しんだりしてしまうのです。
HSS型HSPの2つの特徴
繊細さと刺激を求めるところがあるといった相反する特徴を持つHSS型HSPですが、どのような特徴があるのでしょうか。
特徴①:探求心が強いが落ち込みやすい
刺激に対する感受性が高いため、刺激を求めて新しいことに挑戦しますが、失敗すると落ち込み引きずり、疲れやすいことが特徴です。そのため、警戒心や不安も抱きやすく、「興味はあるのに踏み出せない」といったどっちつかずな状態に陥ってしまうこともあります。
特徴②:人と接することは苦手だが、一人で取り組めるものなど、好奇心は旺盛
繊細であるがゆえに、細かな気遣いもできます、しかし人と接する事や人間関係の構築にストレスや疲労を強く感じやすく、苦手なこともあります。つまり内向的であるともいえる一方で、気を遣いすぎて疲れてしまう影響も多いのです。
そのため、探求心はあるものの、内面では「一人で過ごしたい」とギャップが生まれています。そのため、一人で取り組んだりすることを好み、探求心や好奇心も旺盛です。
HSS型HSPが生きやすくなる3つのヒント
矛盾する特徴があるゆえに、生きづらさを抱えやすいHSS型HSP。どのようにすれば生きやすくなるのでしょうか。
ヒント①:自分の感情や考えを見つめなおす
HSS型HSPの人は、繊細かつ比較的内向的であるため、人と接する事への心配や懸念が大きくなって、人付き合いで疲労感やストレスを感じやすいです。しかし、探求心や新しいことへの興味は高く、豊かな感受性を持っているため、一人で過ごすことや行動をすることを好んでいます。
感情や考えを抑制することは、自分を大切にしないということにもつながり、自信を持てなくなることがあります。感じていることや考えていること・興味のあることを書き出すことで、本来の自分が何を感じ、考えているのかを客観的に見つめなおすきっかけになるでしょう。
しかし、率直な気持ちや考えを書いていると、「こんな風に思ってはいけない」とブレーキをかけてしまうかもしれません。内容が正しいかどうかは置いておき、「自分はそのように感じているんだ」と、まずは自分の特徴について認めていくことが大切です。
ヒント②:セルフケアと休息でバランスを取る
HSS型HSPの人は、好奇心が強く行動力がある一方で、刺激に圧倒され疲れやすいといった特徴があります。やる気がある日とない日の差が激しく、行動できないことがあるでしょう。
また、刺激を求めて行動しすぎると、思わぬところでストレスがたまってしんどくなってしまうかもしれません。
自分がどれだけ行動したり、人と関わったりすると疲れやすいのかを把握しておくことが重要です。誘いを断り、一人ででかける機会も作るというように、刺激を受けすぎないように調整していくことが大切です。
ヒント③:周りの人と適度な距離感を保つ
HSS型HSPは、人との距離が近すぎるとストレスをため込みやすいでしょう。そのため、苦手な人と無理に付き合わずに距離を取ったり、1人の時間を意識的に作ったりすることが大切です。
また、周りの人を頼ることも生きづらさの解消には必要でしょう。相手を傷つけないようにするあまり、本心を話せず自分で何でも抱え込みがちなためです。
誘いを断ったり、頼ったりするためには、うまく表現することが求められます。自分の意思を伝える際には、「残業続きで疲れていて休みたい」というように、事実に基づいてどうしたいかを伝えるとよいでしょう。
慎重に刺激を求める性質はHSS型HSPの長所
HSS型HSPの人は、新しい刺激を求める一方で、慎重に判断する一面や人と行動を共にすることにストレスを感じたり疲労を感じる事があります。相反する特徴をもつため、「興味があるのに、人との関係や人に合わせて過ごすことに対する不安が強くて踏み出せない」と葛藤することもあるでしょう。
しかし、このような葛藤は、新しい刺激に飛びつかず、リスクを避けるために慎重に考えるHSS型HSPの長所でもあります。決して、自分の考え方や気持ちの波がおかしいと思う必要はありません。HSS型HSPの強みを活かして、自分らしくさまざまなことに取り組んでいきましょう。
野村紀夫 監修
医療法人 山陽会 ひだまりこころクリニック 理事長 / 名古屋大学医学部卒業
保有資格 / 精神保健指定医、日本精神神経学会 専門医、日本精神神経学会 指導医、認知症サポート医など
所属学会 / 日本精神神経学会、日本心療内科学会、日本うつ病学会、日本認知症学会など
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