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INFP型(仲介者型)は生きづらい?性格の特徴や悩みを解説
2024.05.312024.06.08
心理面・思考
深く感情的に反応する「仲介者型(INFP型)」とは
INFP型とは、MBTIという性格テストで示される性格のタイプの1つです。「仲介者型」とも呼ばれ、繊細さや発想力、共感性の高さを特徴とします。
Web上でも簡易的な性格診断テストが受けられるため、本記事を読まれている方の中にはINFP型と診断された人もいるかもしれません。
しかし、「特徴が分かりにくい」「何に気を付ければいいのだろう…」と、結果を見ても疑問に思うことも多いのではないでしょうか。
本記事では、INFP型の性格特徴や抱えやすい悩みと対処法について解説します。MBTI性格診断を受けてもよく分からなかったという方は、ぜひ参考にしてください。
INFP型(仲介者型)の4つの性格的な特徴
INFP型はアルファベットにあるように、4つの特徴の組み合わせで成り立っています。元になっている理論である「MBTI」では、以下の4つの側面から性格を分析することが特徴です。
性格の特徴を4つの視点から振り分けてみる
- 関心の方向 興味を向けるのは内面か、外部のどちらか➡外向的(E) 内向的(I)
- 情報の受け取り 情報をどのように受け取ることを好むか➡感覚(S) 直観(N)
- 意思決定 どのように判断するのを好むか➡思考(T) 感情(F)
- 態度 対処するときに判断と知覚のどちらを優先するか➡判断的態度(J) 知覚的態度(P)
INFP型の性格とは
INFP型は、上記のうち、次の4つの指標が高い組み合わせです。4つの指標に沿って、INFP型の特徴について解説します。
- 内向的(I):自分の内面に関心を向けやすい
- 直観(N):インスピレーションを重視する
- 感情(F):共感的で情にもろい
- 知覚的態度(P):臨機応変に対応しようとする
【興味の方向】自分の内面に関心を向けやすい
INFP型の大きな特徴として、「内向的である(I)」という点が挙げられます。内向的な人は、自分の考えや気持ちといった内面にある物事に関心を向けやすいでしょう。
そのため、人と話したり、何か行動したりするときには、「自分が納得できているか」を重視することが多いといえます。内省を繰り返しているので、自分なりの価値観や理想像が明確であるため、その基準に基づいた行動をしようとするのです。
【その他の特徴】
- 理解したことを自分の中で整理する時間が必要
- 理想像がしっかりしている
- 自己表現は控えめだが、表現したい気持ちが強い
【情報の受け取り方】インスピレーションを重視する
INFP型の人は、情報の受け取り方において、感覚型(S)よりも直観型(N)の特徴が強くみられます。直観型の人は、インスピレーションを大切にする傾向があるため、周りにはない発想を思いつくという長所があるでしょう。
しかし、事実や数値など、具体的な情報を受け取ることをあまり好まないため、現実味のない空想にふけりやすいという側面もあります。そのため、地に足のついた考え方ができなくて困る場合もあるでしょう。具体的な特徴としては、以下のようなものがあります。
【その他の特徴】
- 感受性が鋭く、クリエイティブな仕事に向いている
- 理屈から考えたり、説明したりする
- 理想が高く、夢見がち
【意思決定】共感的で情にもろい
INFP型の3つ目の特徴は、感情型(F)の特徴です。感情型は、事実や客観性よりも、人の気持ちや人間同士の関係を重視して、物事を判断する傾向が強い人を指します。そのため、共感性が高く、人と協力的な関係を築くことを重視するのが特徴です。
【その他の特徴】
- 見返りを求めずに、他人を助けることがある
- 思いやりがあり、繊細な気配りができる
- 誰かと揉めると、かなりのエネルギーを使う
【態度】臨機応変に対応しようとする
4つ目の特徴は、生きる上でさまざまな物事に対応するときの態度です。INFP型の人は、知覚型(P)の特徴が強く、臨機応変に対応することを好みます。1つのやり方にこだわることが好きではなく、新しいやり方を探すところがあるでしょう。
【その他の特徴】
- 綿密に計画を立てるよりも、行き当たりばったりで進める方が好き
- 決断するときは、様子を見ることが多く、先送りにしがち
- 期限ギリギリに取り組む方がやる気になる
INFP型の2つのタイプ「INFP‐T」、「INFP-A」とは?
INFP型はさらに、「INFP-A」と「INFP-T」の2つのタイプに分類されることがあります。Aは「自己主張性(Assertive)」、Tは「慎重さ(Turbulent)」を指し、ネガティブな感情を感じやすいかどうかを表す指標です。具体的には次のような違いがあるでしょう。
- INFP-A:INFP型の中でも、比較的ポジティブで立ち直りが早い。感受性が豊かだが、感情の起伏はある程度コントロールできる。ただ、楽観的すぎて無謀な挑戦をしてしまうことがある。
- INFP-T:INFP型の中では、ネガティブで落ち込みやすい。感情の起伏に左右されやすく、うまくコントロールできないことがある。一方で、慎重で冷静に判断するという長所も持つ。
INFP型が抱えやすい3つの悩みと対処法とは?
内向的でインスピレーションや周囲との調和を大切にするINFP型が抱えやすい悩みは、以下の3つが特徴的です。対処方法とともに解説します。
- 他人から干渉されるのが苦手
- 理想と現実のギャップに苦しむ
- 周りに気を遣って素直に表現できない
悩み①:他人から干渉されるのが苦手
INFP型の人は、自分の考えを表現することや価値観を守ることを大切にしています。そのため、他人から干渉されたり、縛られたりするとストレスを感じやすいでしょう。特に、批判を受けると傷つきやすく、自分の感じ方を否定してしまうことがあります。
傷ついた時には、1人で過ごす時間を大切にすることでバランスを保とうとするでしょう。しかし、周りとの調和も大切にしているため、気を遣って誘いを断れないことがあるかもしれません。他人との適度な距離感を維持しにくいことが悩みの1つだといえます。
対処法:人間関係は「狭く深く」
人間関係においては、さまざまな人と関わるよりも、特定の友達と関係を深める方がよいでしょう。価値観は人それぞれであり、あわない人と無理に付き合う必要はありません。自分の価値観や考えと合う人や、受け入れてくれる人を大切にするとよいでしょう。
悩み②:理想と現実のギャップに苦しむ
事実よりも、自分の発想を大切に考えるため、「こうするべき」という理想的な考えをもつことがあります。そのため、現実で起こっていることとの差を感じて、がっかりしてしまったり、傷ついてしまったりすることがあるでしょう。
例えば、「仕事は実力で評価するべきだ」という考えは理想的だといえます。しかし、実際には人柄や上司との関係性など、他の要因も絡んでくることもあるでしょう。必ずしも理想どおりには行かないのです。
INFP型の人は、このような理想通りに行かない場面では、憤りを感じたり、嫌気が差してしまったりすることが多いかもしれません。
対処法:価値観の多様性を認めつつ、自分を大切にする
社会で広く受け入れられている価値観を時には取り入れていくことも大切です。例えば、「本音で語ることが相手を傷つける場合がある」「本音と建前は違う」など、INFP型の人が抱きやすい理想とは違う価値観が受け入れられている場合があります。
そういった価値観を完全に受け入れるのではなく、「そういう考え方もあるんだな」と知っておくだけでも、受け取り方が変わるでしょう。周りの人が持つ価値観と折り合いをつけながら、自分の価値観も大切にできるよう、多様性を認めていくことが大切です。
悩み③:周りに気を遣って素直に表現できない
INFP型は、内向型で価値観がしっかりとしている一方で、周りに気を遣う繊細な一面があります。「思うところがあるけども、空気を悪くするので言えない」「自分の考えを否定されるのではないか」と、思ったことを表現するのを我慢してしまいやすいでしょう。
そして、内向的な性質と自己表現したいという気持ちの間でジレンマが生じ、モヤモヤした気持ちになりやすいことがあります。
対処法:相手の行動を制限しない形で表現する
人間関係の中で自己表現や主張をしていざこざが起きるのは、相手の行動を制限したときだといえます。例えば、「早くしてよ!」というよりも、「早くしてくれたら嬉しい」と伝える方が、相手は受け取りやすいでしょう。後者の方が、相手の行動を制限していないためです。
主張をする時には、自分の気持ちを添えて、「~だと思っています」と自分が考えているだけだという言い方にすることがおすすめです。特に、INFP型の人は、感受性が高く自分の感情には繊細に気づける長所を持っているので、気持ちを適切に表現しやすいでしょう。
INFP型の性格で悩み過ぎたら専門家に相談しましょう
INFP型の特徴を持つ場合、自分が思い描く理想と現実との間に生じる違いにより、がっかりしてしまうこともあるでしょう。思い描く理想の通りになるとは限りませんが、自分が生きたいと思う方向性や意味を見つけていくことが、上手に生きる上では重要です。
ただ、その過程で、つらい気持ちでいっぱいになり、何も手につかないといった状態になることもあるかもしれません。
もし、悩みが深く精神的な問題が生じている場合は、精神科や心療内科を受診し、専門家に相談することがおすすめです。周りを頼りながら、「生きやすくなる方向」を模索していきましょう。
野村紀夫 監修
医療法人 山陽会 ひだまりこころクリニック 理事長 / 名古屋大学医学部卒業
保有資格 / 精神保健指定医、日本精神神経学会 専門医、日本精神神経学会 指導医、認知症サポート医など
所属学会 / 日本精神神経学会、日本心療内科学会、日本うつ病学会、日本認知症学会など
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