名古屋駅から徒歩1分の心療内科,精神科,メンタルクリニックのひだまりこころクリニック名駅エスカ院が対人関係療法・人との関係に焦点をあてる治療について解説

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対人関係療法・人との関係に焦点をあてる治療とは

2024.06.012024.06.04

精神療法、心理面・思考

人間関係のつまづきやストレスについて

人間関係がうまくいかないことによるストレスは大きいものですね。人間関係のつまずきはうつ病の誘因や持続因子になっていることが多く、心の健康に大きな影響を与えます。対人関係療法は、人間関係の問題の解決を通してうつ病の治療を図ろうとするものです。

今回は、この対人関係療法についてお話ししたいと思います。

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対人関係療法とは

対人関係療法は心理療法・精神療法のひとつであり、うつ病に対する短期療法で1970年代にクラーマンとワイスマンによって開発されました。

人との関係に焦点を当てて精神的な問題を解決し、感情の安定や個人の成長を促進することを目指します。対人関係療法では、治療者と患者さんの間で信頼関係を築きながら、患者さんの対人関係に関する問題やパターンを探求し、改善していくことが大切にされています。

対人関係療法のアプローチの特徴

対人関係療法では、精神疾患の発症と持続は社会的・対人関係的なかかわりの中で起こり、患者さんと重要な他者間の関係に影響されると考えられています。対人関係療法では、患者さんと治療者の間での信頼関係を重視し、患者さんの経験や感情を尊重することが大切です。

患者さんの行動や感情が対人関係にどのように影響しているかを理解し、治療計画を立てます。治療の目標は、患者さんの対人関係の質を改善し、より健康的で満足のいく関係を築くことを目指します。また、患者さんの精神症状や心理的問題を軽減し、日常生活における効果を向上させることも重要な目標です。

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治療プロセス

対人関係療法は通常、12~20回のセッションを4~5か月の間に行います。対人関係療法には3つの段階があります。

1つ目は初期段階で、主に治療の対象となる問題領域の特定が中心です。2つ目は中期段階で、問題領域の解決に焦点が置かれます。3つ目は終結段階で、治療期間に得たものを統合し、患者が治療終了後に自身で問題に取り組む準備を中心に行われます。

個人で行われる対人関係療法

個人の対人関係療法は、治療プロセスを3つの段階に分けて進めます。

初期段階

通常、最初の5回のセッションに相当します。ここでは、患者の精神状態を評価し、適切な診断を行います。治療者と患者は診断と治療計画について話し合い、治療者は対人関係の問題を特定し、変化させることを重視する段階です。

中期段階

通常、6~15回目のセッションに相当します。この段階では、患者さんが自身の対人関係の変化と精神症状の変化を関連付けることが重要です。治療者は、特定された問題に焦点を当てた治療戦略を実行します。

終結時期

通常、16~20回目のセッションに相当し、治療の終結を患者さんと話し合い、治療の完了が患者さんに理解されるようサポートします。患者さんは治療から得たことを評価し、問題領域の改善を維持するための計画を立てる段階です。治療者は患者さんを支援し、再発の初期徴候と対処法について話し合います。

集団形式で行われる対人関係療法

集団形式で行われる対人関係療法は、同じ問題を抱える患者さんたちが一緒に治療を受ける方法です。集団形式の対人関係療法には有益な側面があります。

たとえば、うつ病社交恐怖症などの診断に基づいて患者さんを集めた場合、孤立していたり他者との関わりを避けていた患者さんが、同じような問題を抱える人々との関わりを通じて安心感を得ることができることが考えられます。集団形式の治療では、様々な対人関係スキルを学びやすく、患者さんが外部での社会生活に適用可能な状況が整いやすい傾向です。そのため、多くの患者さんに共通する問題を明確にし、効果の高い治療方法としても注目されています。

治療は通常20回のセッションが5か月間で行われ、各グループのメンバーは6〜9人で、そのうち1人または2人がグループリーダーです。治療の過程では、3回の個人面談が行われ、患者さんの対人関係問題に焦点を当てた計画が立てられます。

グループ前面談

治療前面談は、集団療法の始まりにおいて、患者さんの個別治療を促進するために非常に重要です。2時間の前面談では、対人関係の問題を特定し明確な治療計画を立て、集団療法に向けて準備します。患者さんは新しい対人関係スキルを学び、治療者は関係の変化や重要な関係に焦点を当て、グループを社会的なつながりの代替物として治療を進めていきます。

初期段階

最初の5回のセッションは集団療法の初期段階です。この時期には、治療者はメンバーの症状の類似性を強調し、肯定的な集団基準と集団団結を育てます。メンバーは自身の目標を見直し、対人関係の問題領域に変化を始めるよう奨励されます。

中期段階

セッション6~15回までの期間が中期段階です。この段階では、メンバーが互いの目標を共有し、治療者がつながりを育てます。治療者はメンバーが新たに身につけたスキルを試してみるよう奨励し、彼ら自身の対人関係と精神的葛藤を関連付けます。

治療中期面談

中期の途中で行われる面談は、各メンバーの進展を振り返り、対人関係目標を洗練する機会です。治療者は残りの作業をまとめ、治療の完了前にメンバーと再確認します。

終結時期

終結時期は、セッション16~20回までの期間です。治療の終了を話し合い、メンバーが取り組むべき個人的な対人関係目標についての計画を立てます。治療者はメンバーが改善した領域を維持するための計画をサポートします。

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治療後面談

対人関係療法の集団形式での治療後面談は、治療終了後の個々のメンバーと治療者との間で行われるセッションです。目的は、治療後面談の主な目的は、治療の結果や効果を振り返り、個々のメンバーが今後の人間関係や自己改善のための具体的な計画を立てることです。メンバーは、治療期間中に得た洞察や成長、対人関係の変化などを共有します。それぞれのメンバーが自身の進歩や課題を話し合い、その時点での状況を確認します。治療者は、個々のメンバーの成長や課題に対してフィードバックを提供し、必要に応じて将来の展望や対処方法について助言や支援を提供します。

治療後面談では、治療の経験を統合し、今後の生活での成功と関係の健全性を維持するための具体的な計画を立てることが重要です。メンバーはお互いに励まし合い、治療グループの終了に対する感謝や共感を表明し、一緒に経験を振り返ります。

集団形式の治療後面談は、治療の成果を最大限に引き出し、メンバーが治療を通じて得た成長や洞察を継続的に活用するための貴重な機会となります。

まとめ

対人関係療法は、個人の心理的問題や精神疾患を改善するために、その人の対人関係を中心に据えたアプローチです。個人と集団形式の方法があり、最近では効果の高い治療方法として集団形式による治療が注目されています。

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野村紀夫 監修
医療法人 山陽会 ひだまりこころクリニック 理事長 / 名古屋大学医学部卒業
保有資格 / 精神保健指定医、日本精神神経学会 専門医、日本精神神経学会 指導医、認知症サポート医など
所属学会 / 日本精神神経学会、日本心療内科学会、日本うつ病学会、日本認知症学会など

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