突然の動悸や息苦しさ…もしかしてパニック症？

突然の動悸や息苦しさが出た時

ある日突然、激しい動悸や息苦しさに襲われ、「このままどうにかなってしまうのでは？」と感じたことはありませんか？

何の前触れもなく発作的に起こる強い不安や身体の症状。それが「パニック症（パニック障害）」の特徴です。実は、この症状は珍しいものではなく、誰にでも起こりうるものなのです。

パニック発作の主な症状

パニック症の代表的な症状には、以下のようなものがあります。

• 急に心臓がドキドキする（動悸）
• 息が苦しくなる、過呼吸になる
• めまいやふらつきがある
• 冷や汗をかく
• 手足が震える
• 胸の痛みや圧迫感を感じる
• 強い不安や恐怖に襲われる
• 「このまま死んでしまうのでは」と思う

これらの症状は、数分から長くても30分程度で落ち着くことが多いですが、一度経験すると「また発作が起こるのでは？」という不安がつきまとい、日常生活に影響を及ぼすこともあります。

どうして発作が起こるの？

パニック症の原因は完全には解明されていませんが、いくつかの要因が関係していると考えられています。

• ストレスや疲労➡過度なストレスや疲れがたまると、自律神経が乱れ、発作が起こりやすくなります。
• 脳の働きの変化➡パニック症の人は、不安を感じる脳の部分（扁桃体）が過敏になっていると言われています。
• 過去の経験➡過去に強い不安を感じた経験があると、それが引き金となることもあります。

パニック症は治る？

結論から言うと、適切な治療を受ければパニック症は改善できます。

① 薬物療法

抗うつ薬や抗不安薬を使うことで、発作の頻度を減らしたり、不安を和らげたりすることができます。医師と相談しながら、自分に合った薬を見つけることが大切です。

② 精神療法・認知行動療法

「発作が起こったらどうしよう」「また苦しくなるかも」といった思考のクセを見直し、過度な不安を和らげるトレーニングを行います。また、生活上の対処法、症状の傾向を踏まえてパニック症の特徴を理解して、工夫していくことも大切です。

③ 生活習慣の見直し

ストレス管理や適度な運動、十分な睡眠を心がけることで、発作の予防につながります。また、カフェインやアルコールを控えることも効果的です。

パニック発作が起こったときの対処法

もし発作が起こってしまったら、次のような方法を試してみてください。

• ゆっくり呼吸をする➡鼻からゆっくり息を吸い、口からゆっくり吐き出します。過呼吸にならないよう、意識的にペースを落としましょう。
• 「これはパニック発作だ」と自分に言い聞かせる➡パニック発作は一時的なもの。命に関わることはないと理解すると、不安が和らぎます。
• 安心できる場所に移動する➡混雑した場所にいるときは、少し落ち着けるところへ移動すると楽になることがあります。

ひとりで抱え込まないで

パニック症は、決して珍しいものではありません。しかし、周囲に理解されにくいため、ひとりで悩んでしまう人も多い病気です。

そしてパニック症は、「また発作が起こるかも…」という不安が大きくなり、外出が怖くなったり、人付き合いを避けたりするようになると、生活の質が大きく下がってしまう疾患です。

「もしかして…？」と感じたら、一度メンタルクリニックに相談してみるのも一つの選択肢です。適切な治療やサポートを受けることで、少しずつ不安が和らぎ、発作のコントロールができるようになっていきます。

つらい症状をひとりで抱え込まず、自分に合った対処法を見つけていきましょう。