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右脳と精神療法の関係性「心の奥深くにアプローチする新しい視点」
2025.03.262025.03.29
右脳と左脳、ネガティブ思考、精神療法、心理面・思考
心の奥深くにアプローチする新しい視点と右脳の関係性
現代の精神療法では、単に「考え」や「気持ち」を言語化するだけではなく、心的行為や感覚的な体験を重視する流れが生まれています。その鍵となるのが「右脳」の働きです。今回は、右脳がメンタルヘルスにどのように関わっているのか、そしてそれを活かした精神療法のアプローチについて掘り下げていきます。
右脳の役割とは?
脳は大きく「左脳」と「右脳」に分かれており、それぞれ異なる働きを持っています。左脳は主に言語や論理的思考を司るのに対し、右脳は以下のような役割を担っています。
- 感情や直感的な理解
- イメージや視覚的情報の処理
- 空間認識や創造性
- 非言語的コミュニケーション(表情やトーンなど)の理解
つまり、右脳は「言葉にならない感情」や「体験をそのまま感じ取る力」に深く関わっているとも言えるのです。
右脳と精神療法のつながり
従来の認知行動療法(CBT)などのアプローチは、左脳の論理的な思考を使って「歪んだ考え方」を修正することに重点を置いています。しかし、過去のトラウマや強い不安といった深い心の傷は、言葉で整理できない場合も多く、左脳だけでは十分に癒やしにたどり着けないことがあります。
そこで注目されているのが、右脳を意識的に活用するアプローチです。
右脳を活かした代表的な療法
1️⃣ 箱庭療法➡砂の箱の中に人形やオブジェを自由に配置してもらうことで、内面のイメージや無意識を可視化します。言葉にできない感情や心の状態を「形」にすることで、自己理解を深めやすくなります。
2️⃣ アートセラピー➡絵を描いたり、粘土をこねたりすることで、右脳の「創造性」や「直感的な感情」を表現します。うまく言葉にできない辛さや喜びを表出する手助けになります。
3️⃣ イメージ療法➡リラックスした状態でポジティブなイメージを思い描くことで、安心感を得たり、過去のネガティブな体験を新たな視点で捉え直したりする療法です。
右脳を刺激するセルフストレスケア法
日常生活でも右脳を刺激する習慣を取り入れることで、感情を解放し、ストレスケアにつなげることができます。以下の方法を試してみましょう。
✔️ 絵を描いたり、音楽を聴く➡作品の完成度にこだわらず、自由に表現してみることが大事です。
✔️ 自然の中を散歩する➡五感を使って自然を感じることで、右脳が活性化されます。
✔️ 深呼吸や瞑想を取り入れる➡言葉を手放し、自分の内面に意識を向ける時間を作りましょう。
まとめ
右脳を活用する精神療法は、言葉だけでは癒やしきれない「深い感情」や「無意識の体験」にアプローチするための重要なカギとなります。言語化が難しい苦しさに直面している方や、従来の方法でなかなか効果を感じられなかった方にとって、新たな希望となるかもしれません。
「言葉にできない辛さがある」そんなときは、右脳を意識したアプローチやストレスケアを取り入れてみてはいかがでしょうか?
参考文献
- Schore, A. N. (2009). Right brain affect regulation: An essential mechanism of development, trauma, dissociation, and psychotherapy. International Journal of Psychoanalysis, 90(5), 1047-1067.
- 岩宮恵子 (2015). 「箱庭療法の実践と理論」. 金剛出版。
- 厚生労働省 (2023). 「こころの健康」. https://www.mhlw.go.jp
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