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右脳アプローチについての紹介「言葉にできない心の解放」
2025.03.262025.03.29
右脳と左脳、ネガティブ思考、精神療法、心理面・思考
右脳アプローチについての紹介
「言葉で説明できないけれど、なんだか心が軽くなった」そんな声が増えているのが、右脳を活用した精神療法やカウンセリングなどが最近注目されています。今回は、実際に右脳アプローチを試した方々の体験談をもとに、どのような変化が生まれたのかを深掘りします。
右脳アプローチとは?
右脳は、感情や直感、イメージを司る部分です。従来の「言葉で考え方を整理する」左脳優位の療法に対して、右脳を使う療法では「感じること」を大切にします。
主な右脳アプローチの具体的な例として、
- 箱庭療法:ミニチュアやオブジェを使って心の内を表現
- アートセラピー:絵や造形で自分の気持ちを描き出す
- イメージ療法:リラックスした状態でポジティブなイメージを思い描く
これらを実際に体験した人たちは、どんな変化を感じたのでしょうか?
例示1:長年の不安を抱えていたAさん(仮30代女性)
Aさんは、職場の人間関係で長くストレスを抱えていました。言葉にするたびに涙が出てしまい、診察の場でも「話すこと自体が辛い」と感じていたそうです。
Aさんの声
「箱庭療法をやってみたところ、無意識に手が動いていました。家のミニチュアを端に置いて、自分の分身に見立てた人形を遠くに置いたとき、『ああ、私はずっと孤立していたんだ』って気づいたんです。でも、海のミニチュアを追加してみたら、不思議と『帰る場所がある』と思えて…。言葉じゃない気づきって、こんなに心を楽にするんだって驚きました。」
ポイント
Aさんは、言語化できなかった「孤独感」をビジュアルで表現したことで、自分の状態を客観的に理解できるようになりました。さらに、ポジティブなイメージを加えることで、「私は大丈夫」と感じるきっかけを得られたのです。
例示2:過去のトラウマを抱えるBさん(仮40代男性)
Bさんは、幼少期の虐待経験から「人と深く関わるのが怖い」という強い恐怖を抱えていました。従来の診察の場では「過去を話すのが苦しい」と途中でやめてしまうことも多かったそうです。
Bさんの声
「イメージ療法をやってみて、最初は『何も浮かばない』と思っていたんですが、リラックスして目を閉じたら、幼い自分が浮かんできました。最初は悲しくて仕方なかったけれど、セラピストと一緒に『その子を守る存在』を想像するうちに、ふっと安心できる感覚が生まれたんです。初めて、過去の自分を抱きしめられた気がしました。」
ポイント
右脳は「今ここ」にいる感覚を強く持つため、過去のつらい記憶でも「今、安全だ」と感じられるようにアプローチできます。Bさんのように、言葉で説明するのが苦手な方でも、イメージを通して安心感を得られることがあります。
右脳アプローチが有効な理由
右脳アプローチは、以下のようなケースに特に有効だと言われています。
✅ 言葉にできない感情を抱えている
✅ 話すこと自体がストレスになってしまう
✅ 過去のトラウマや心の傷に向き合うのが辛い
✅ 理屈で考えてもなかなか気持ちが変わらない
研究でも、右脳を刺激するアプローチがトラウマや不安症状の軽減に有効であることが示されています。もちろん外来や診察内で行う精神療法以外にも心理療法として取り入れている施設も多くあります。
自分にはこれが合うと思うと決めつけてしまいすぎず、専門家の意見も取り入れながら、取り組んでみることも大切です。
まとめ
右脳アプローチは、言葉だけではたどり着けなかった「心の深い部分」に届く可能性を秘めた方法です。今回はあくまでもケースの例示を行い、言葉に頼らず感覚やイメージを使うことで、自分の本当の気持ちに気づいたり、安心感を得たりするケースもあるという紹介として記載させていただきました。
「話せないからダメだ」ではなく、「話せなくても大丈夫」と思える選択肢の一つとして、右脳を活かした療法をぜひ知ってほしいと思います
参考文献
- Schore, A. N. (2012). The Science of the Art of Psychotherapy. W. W. Norton & Company.
- 厚生労働省 (2023). 「心の健康づくり」. https://www.mhlw.go.jp
- 岡田康伸 (2018). 「トラウマと脳の回復過程」. 日本心理学会。
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