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2~3ヵ月で効果がある?「短期不安誘発精神療法」の特徴について解説

2024.05.272024.05.28

精神療法、心理面・思考

ブリーフセラピーとは

精神療法や心理療法・カウンセリングというと、「治るまでじっくり取り組む」というイメージがあるのではないでしょうか。症状によっては、1年以上の治療期間が必要な場合があり、じっくり取り組む場合があります。

しかし、精神療法や心理療法の中にも、治療目標を限定して短期間で治療を行うものもあるのです。現在は「ブリーフセラピー」として知られていますが、その成立に影響したのが「短期不安誘発精神療法」です。

本記事では、短期不安誘発精神療法の進め方と特徴について解説します。短期間で治療を行いたいと思われる方は、ぜひ参考にしてください。

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短期不安誘発精神療法とは?

短期不安誘発精神療法とは、アメリカの精神科医であるピーター・E・シフオネスによって1950年代に開発された治療法です。短期間で「精神分析」を行う方法として考案されました。

「精神分析」とは、ジークムント・フロイトにより創始された心理療法の流派の1つです。無意識に焦点を当てて、過去の未解決になっている人物との葛藤を分析し、現在の問題を解決していきます。

短期不安誘発精神療法では、精神分析のプロセスをスムーズに引き起こす治療法です。具体的には、以下の3つの特徴が挙げられます。

特徴①:2~3か月間の短期的な治療を行う

短期不安誘発精神療法の標準的な治療期間は、2~3ヵ月とされています。精神分析では、毎回45~50分のセッションを週4~5回、数年間かけて行うのが正式な方法です。

短期不安誘発精神療法を開発したシフオネスは、精神分析の理論が複雑化するほど治療期間が長く、受ける側のコストが増大することに疑問を抱いていました。正式な方法で治療を受けようとすると、多大なコストがかかります。

精神分析を低コストで実施できるように開発されたのが、短期不安誘発精神療法です。現在は短期間で問題解決を目指す「ブリーフセラピー」が広まっていますが、当時は短期で行う心理療法は画期的でした。

特徴②:「エディプス葛藤」に焦点を当てる

短期不安誘発精神療法は、2~3ヵ月で治療を行うものですが、短いからといって正式な精神分析に比べて効果が劣るわけではありません。目標を限定し、その達成のために不安を引き起こし、早く変化するように取り組むため、短期的な治療が可能となるのです。

治療目標は、患者の「エディプス葛藤」に焦点を当てます。エディプス葛藤とは、男性が幼少期に母親に対して強い好意を抱き、父親に敵対心を持つという無意識的な心理状態のことです。敵対心の背景には、「母親を独り占めしたい」という感情が影響しています。

成長するにつれて、母親を独占することを諦め、父親とも安定的な関係を築くのが一般的な発達です。しかし、何らかの原因でエディプス葛藤が解消されないと、以下のような状態に陥ることがあります。

  • 権威的なもの(先生や上司など)に反発する:父親への反発が他の対象に広がる
  • 女性に対する愛情欲求が強い:母親に求める愛情が他の対象に広がる
  • 規律やルール、男性らしさが発達しない:父親のようになることを諦める

短期不安誘発精神療法では、心理療法で扱う問題が、エディプス葛藤とどのように関連しているかを探ります。原因を焦点化して探っていくことで、短期間での治療を行うことが特徴です。

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特徴③:治療者から積極的に質問する

伝統的な精神分析では、患者が思い浮かんだことを自由に表現する「自由連想法」が用いられました。自由連想法によって表現された内容を治療者が解釈します。患者が連想したことを重視して治療を行うことが特徴です。

一方、短期不安誘発精神療法では、治療者から積極的に質問を行います。エディプス葛藤に関係する不安を引き起こし、現在の問題と過去の葛藤を関連付けられるよう働きかけるのです。

治療の中では、患者が治療者に対して「転移感情」を抱くことがあるでしょう。転移感情とは、過去に重要な対象に向けられるはずだった感情を治療者に向けることです。例えば、「治療者が父親に似ていて落ち着く」という感情は、治療者と父親を重ねています。

こうした転移感情から、「両親から○○のように扱ってほしかった」という満たされなさを明確にします。満たされなさが現在の問題とどのように繋がっているかを強調しながら、葛藤に対処できるよう取り組むのが主な流れです。

従来の精神分析よりも、質問を繰り返してエディプス葛藤に直面してもらうことで、短期的な治療を行います。

短期不安誘発精神療法が適している人

短期不安誘発精神療法には、以下のように治療が適用されるための条件がいくつかあります。

  • 解決したい問題が特定されている
  • 幼少期に、有意義で意見交換ができる人間関係があった
  • 治療者に対して感情を適切に表現できる
  • 心理面について年齢相応に理解できる
  • エディプス葛藤に関連する葛藤に悩まされている
  • 症状の改善だけでなく、自分が変化したいという動機付けがある

短期間で変化を起こすため、問題が焦点化されていることや、動機付け、心理的な理解力があるかどうかが重要です。治療の対象となる症状も、比較的軽い不安、抑うつ、対人関係の問題などを扱います。重篤な症状は、きちんと時間をかけて行うことが重要だといえるでしょう。

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カウンセリング、心理療法には短期的な解決方法もある

短期不安誘発精神療法は、平均2~3ヵ月の期間で治療目標を絞って行うものです。精神分析を受けやすくするために開発されたもので、受ける側に配慮された治療法だといえます。

精神療法や心理療法、カウンセリングには時間がかかると思いがちですが、短期間で治療を行う方法もあります。短期間で症状を改善してみたいと思う場合は、短期不安誘発精神療法やブリーフセラピーを検討してみるとよいでしょう。

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野村紀夫 監修
医療法人 山陽会 ひだまりこころクリニック 理事長 / 名古屋大学医学部卒業
保有資格 / 精神保健指定医、日本精神神経学会 専門医、日本精神神経学会 指導医、認知症サポート医など
所属学会 / 日本精神神経学会、日本心療内科学会、日本うつ病学会、日本認知症学会など

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