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蛙化現象はなぜ起きる?気持ちが冷める心理と治し方を紹介
2024.05.172024.05.18
蛙化現象
好きな気持ちが一気に冷めるとき
SNSを中心に共感する人が増えている「蛙化現象」。「好きな気持ちが突然冷める」という恋愛関係での現象を指す言葉ですが、耳にしたことがある人も多いのではないでしょうか。
相手を好きだと思う気持ちは、自然に湧いてくるものであるため、完全にはコントロールできません。しかし、急に気持ちが冷めると、「誰かを好きになれないのでは…」「自分は人間関係の構築が難しい人なのか…」と自分を責めてしまうこともあるでしょう。
本記事では、蛙化現象が起きる心理と治し方について解説します。気持ちが急に冷めて恋愛がうまくいかないと感じる方は、ぜひ参考にしてください。
「蛙化現象」とは?
蛙化現象とは、好意を抱く相手から好意を伝えられ、両想いになると同時に、気持ちが冷めてしまう現象です。グリム童話の「かえるの王さま」に由来する言葉で、近年SNSを中心に広がりました。男性にも一部みられますが、女性に多い現象として知られています。
では、蛙化現象とはどのような現象なのでしょうか。具体的な特徴について解説します。
【蛙化現象の特徴①】相手の好意に嫌悪感を持つ
好きだと思っていた相手から、好意を伝えられると気持ちが冷めてしまうことが蛙化現象の特徴です。「生理的に受け付けなくなる」というように、自分でも説明が難しい理由で嫌悪感を持つことが多いでしょう。
例えば、「スキンシップが不快に感じる」「同じ場所にいたくない」といった感覚的な嫌悪感です。突然生じる嫌悪感が特徴的で、自分の感情の変化に戸惑いやすいでしょう。
【蛙化現象の特徴②】自己嫌悪に陥り自信が持てなくなる
蛙化現象が起きると、相手に申し訳ないと思い、自分を責めてしまうことがあります。悩みが深くなると、「この先誰かを好きになれないのではないか」と考えてしまう場合があるでしょう。
急に人を嫌いになった経験から、異性との関わりを避けてしまいがちです。自己嫌悪から恋愛に対する自信がなくなり、自然に人を好きになることに不安を感じるようになります。
蛙化現象が起きる原因や心理とは?
蛙化現象は、起きた本人や相手にも影響がありますが、どのような心理で起こるものなのでしょうか。蛙化現象が生じる理由として、以下の3つが挙げられます。
- 相手のことを理想化しすぎる
- 自信がなく嫌われるのが怖い
- 相手と親密になるのが不安
【蛙化現象の原因①】相手のことを理想化しすぎる
蛙化現象は、好きな人の欠点をみてしまったときに幻滅するといった現象といえます。付き合う前は、理想の人だと思っていても、付き合うと欠点が見えてしまい、気持ちが冷めてしまうのです。
人間関係の中では、「完全に理想の人」や「完全に苦手な人」はあまり存在しません。「○○というところは好きだけど、△△は直してほしい」というように、多くの場合は長所と短所をあわせ持っています。
相手を理想化しすぎると、現実的な姿をみたときにギャップが大きく、戸惑ってしまいかねません。良いところも悪いところも、バランスよく理解していくことが大切です。
【蛙化現象の原因②】自信がなく嫌われるのが怖い
自分に自信がなく、自己肯定感が低い場合も、蛙化現象の原因につながることがあります。相手に好意を向けられても、「自分を好きでいてくれるはずがない」と自信が持てなくなり、不安や恐怖が強くなってしまうのです。
不安や恐怖が強くなった結果、気持ちが冷めてしまい、交際自体をやめてしまうということがあります。相手に嫌われるのが怖くて、安定した恋愛関係を築けないことも、蛙化現象につながります。
【蛙化現象の原因③】相手と親密になるのが不安
恋愛関係になると、これまで「自分―片思いの相手」だったのが、「彼氏―彼女」という関係性に変化します。関係が深くなるにつれて、「こんな姿を見せても大丈夫なのか」と考えることもあるでしょう。
とくに、本来の自分の姿を見せて嫌われてしまったという経験がある場合は、親密になることに不安を感じやすいといえます。「自分を受け入れてもらえる」という感覚が持てていないと、表面的な関係に終わり、気持ちが覚めてしまうことがあるでしょう。
蛙化現象の治し方とは?
相手への好意が突然冷めてしまう蛙化現象ですが、どのように治したり、予防したりするとよいのでしょうか。
【治し方・予防法①】異性との関わりを増やす
蛙化現象は、異性との関わりや関係が深まった経験が少ないため、短所を見つけたときのショックが大きい面も少なからず関与していることがあります。異性との関わりを増やしていき、長所だけでなく短所も含めて相手を理解する練習をしていくとよいでしょう。
【治し方・予防法②】上手くいかない面も含めて自分を認めてあげる
どうしても相手の短所が気になって仕方がないという場合、「自分の短所はどうか?」と確認してみるとよいかもしれません。「良い部分も悪い部分も自分だ」と認められないと、他人にも同じように評価してしまうことがあります。
「○○ができるから自分はすごい」という能力を基準にした自信だけでなく、失敗しても自分を認められる自己肯定感を育むことが大切です。
【治し方・予防法③】一気に親密になろうとしない
恋愛関係になり、交際が始まると、それまでにはなかったさまざまな葛藤が生まれます。「本当の自分を見せても嫌われないか」というように、親密になるのを怖く感じることもあるでしょう。
交際がスタートするとすぐ親密になるのではなく、そこから少しずつお互いを知っていくものです。付き合い始めると、相手を理解しないといけないと思いがちですが、距離の縮め方は自分のさじ加減で調整するとよいでしょう。
蛙化現象にはさまざまな葛藤がある
SNSを中心に話題になった蛙化現象ですが、気持ちが冷めてしまった人に対して否定的な言葉が向けられることがあります。しかし、単に嫌いになるわけではなく、自分の気持ちの変化に戸惑い、罪悪感を抱くなど、さまざまな葛藤があるのです。
自分の気持ちに自信が持てず、苦しい思いをしている場合には、本記事で紹介した予防方法を参考にしてみてください。それでも、苦しい思いが晴れず、眠れなかったり、体重が減ったりしたという方は、精神科や心療内科を受診して相談することが必要かもしれません。
野村紀夫 監修
医療法人 山陽会 ひだまりこころクリニック 理事長 / 名古屋大学医学部卒業
保有資格 / 精神保健指定医、日本精神神経学会 専門医、日本精神神経学会 指導医、認知症サポート医など
所属学会 / 日本精神神経学会、日本心療内科学会、日本うつ病学会、日本認知症学会など
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