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仕事が終わっても心が休まらない人へ。『脳のON/OFFスイッチ』がうまく切り替わらないとき
2025.04.232025.04.23
抑うつ、職場とメンタルヘルス、デジタルデトックス
仕事が終わっても心が休まらない人へ
『脳のON/OFFスイッチ』がうまく切り替わらないときに
- 「仕事は終わったはずなのに、ずっと頭の中がザワザワしている」
- 「寝る直前まで仕事のことを考えてしまう」
- 「休日なのに気持ちが休まらない」
そんな感覚に心当たりはありませんか?もしかするとそれは、脳の“ON/OFFの切り替え”がうまくいっていない状態かもしれません。現代の働き方や生活環境においては、自分で意識しないと心と脳が「オフになる時間」を失いやすい傾向があります。
今回は、脳の切り替え機能とその疲弊、そして対処法について解説します。
境界が曖昧になった「働く」と「休む」
以前は、「会社を出れば仕事終了」という明確な区切りがありました。しかし現在では、テレワークやスマートフォンの普及によって、働く場所と時間の境界が非常に曖昧になっています。
たとえば
- 寝る前に上司からLINEが来る
- 休日でも通知が気になって仕事アプリを開いてしまう
- 自宅=職場になり、空間的な切り替えができない
こうした状況では、たとえ身体が休んでいても、脳が“ずっと仕事モード”のままになってしまいがちです。脳には切り替えのスイッチがありますが、そのスイッチが「休め」の指令を受け取れず、働き続けているのです。
「疲れているのに休めない」の正体
よくあるのが、「疲れているのに、うまく休めない」という感覚。これはただの怠けではなく、神経系の過緊張状態が背景にあります。
自律神経のうち、「交感神経」は活動モード、「副交感神経」は休息モードを担当します。しかし、ストレスや過剰な刺激が続くと、交感神経が優位なままとなり、脳も体も“常に戦闘態勢”になります。
この状態が長く続くと、
- 寝ても疲れが取れない
- 趣味にも集中できない
- 何をしても楽しめない
といった「慢性的な疲労感」や「感情の鈍化」が起きてきます。いわゆる燃え尽き症候群(バーンアウト)の初期サインでもあります。
ON/OFFの切り替えができる脳に戻すために
心と脳をリカバリーさせるためには、「意図的にスイッチを切り替える習慣」が必要です。以下に具体的なヒントを紹介します。
1. デジタルとの距離を見直す
- 通知はオフにする(仕事用アプリ・SNSなど)
- 就寝1時間前はスマホを見ない
- 「物理的にスマホを別の部屋に置く」など、環境的な工夫が効果的
2. “区切り”を意識してつくる
- リモートワークでも、服を着替える、部屋を変えるなど「仕事の開始・終了の儀式」を設ける
- 「終業時に日報を書く」「一言メモを残して仕事を頭から切り離す」なども有効
3. 副交感神経を意図的に優位にする
- 深呼吸やストレッチ、ぬるめの入浴
- 音楽やアロマなど感覚からリラックスを促すものを使う
4. 週に1日は“完全オフ”をつくる
- 仕事のことを考えない日を明確に設定
- 「タスクゼロの時間」は、脳にとってのメンテナンスタイム
それでも休めないときは、専門家のサポートも選択肢に
もし自力での調整が難しく、「常に緊張感が抜けない」「何をしてもリフレッシュできない」という状態が続いているなら、心療内科や精神科での相談も視野に入れてみてください。
精神的なストレスや神経系の疲労は、自分では気づきにくく、軽症のうちに介入したほうが圧倒的に回復が早いです。治療というより、「心の健康診断」や「生活の見直し」として受ける感覚でも大丈夫です。
【まとめ】
脳のスイッチが切り替わらない状態は、現代人にとって非常に起こりやすいものです。だからこそ、「自分の問題」ではなく、「生活環境や働き方による自然な反応」と捉えてください。
まずは、小さな工夫で“休む力”を取り戻すことから。それでも難しければ、専門家の視点を借りることも、きっとあなたの助けになります。
名古屋ひだまりこころクリニック名駅エスカ院は患者様お一人お一人の症状に合わせて、治療を提案しております。
野村紀夫 監修
医療法人 山陽会 ひだまりこころクリニック 理事長 / 名古屋大学医学部卒業
保有資格 / 精神保健指定医、日本精神神経学会 専門医、日本精神神経学会 指導医、認知症サポート医など
所属学会 / 日本精神神経学会、日本心療内科学会、日本うつ病学会、日本認知症学会など
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