名古屋駅徒歩0分
大人のための
メンタルクリニック
公式ブログ
職場の人間関係で消耗する。そのままにしないための対処法
2025.04.232025.04.23
職場とメンタルヘルス、精神科・心療内科
職場の人間関係で消耗する。そのままにしないための対処法
仕事の内容そのものよりも、「人間関係」で疲れている…そう感じている人は少なくありません。
・話しかけづらい上司との関係
・同僚の空気や評価を気にしすぎてしまう
・些細な一言に傷ついてしまう
・気を遣いすぎて、帰宅後どっと疲れが出る
こうした状態が日常になると、仕事への意欲がなくなったり、体調にまで影響が出てくることもあります。この記事では、職場の人間関係による“消耗”を放置しないためにできることを、心理的・医学的な視点から解説していきます。
人間関係の「ストレス」は、見えにくく・気づきにくい
身体の不調は気づきやすいのに対し、人間関係によるストレスは、「慣れ」や「仕方なさ」で見過ごされがちです。たとえば、次のような状態が続いていませんか?
- 朝、職場に行くことを考えるだけで気が重い
- 周囲の視線や評価を気にして疲れる
- 常に「怒らせないように」「変に思われないように」と考えている
- 休日も仕事の人間関係を思い出して気が休まらない
こうした状態は、心が常に緊張しているサインです。そのままにしておくと、うつ状態やうつ病、不安障害、自律神経失調症などに発展する可能性もあります。
なぜ「人間関係のストレス」は重くなりやすいのか?
職場の人間関係で消耗する背景には、次のような構造的な特徴があります。
1.距離を取れない「関係の強制性」
職場の人間関係は、自分の意思で選んだ相手ではありません。たとえ合わなくても、基本的には毎日顔を合わせ、会話を交わし、協力しなければならない関係です。この「関係性から逃れにくい状況」が、心理的な負担を強めます。
2.評価・上下関係がセットになっている
職場では、業務内容だけでなく、人間関係にも“評価”がつきものです。「うまくやらなければ」というプレッシャーが、自分らしい振る舞いを抑制し、過度なストレスになります。
3.「我慢して当然」という文化
多くの職場には、「仕事だから仕方ない」「大人として割り切るべき」という風潮が根付いています。そのため、自分のストレスや感情を抑えこみ、気づかないうちに心がすり減っていくことがあります。
そのままにしないための対処法
1.「相手を変える」のではなく「自分の境界線を引く」
職場の人間関係でよくあるのが、「どうすれば相手が変わってくれるか」と悩むこと。しかし、相手を変えることは簡単ではありません。それよりも重要なのは、自分のこころの境界線(バウンダリー)を意識することです。
- 無理な同調をやめてみる
- 話したくないことには答えない
- 必要以上に「良く思われよう」としすぎない
こうした小さな行動の積み重ねが、自分のこころを守る第一歩になります。
2. “疲れやすい関係”に気づく
特定の人と関わった後だけぐったりする、というような傾向があれば、その相手との関係が心理的負荷になっている可能性があります。「なぜ疲れるのか」「どんなパターンのときにそう感じるのか」を整理してみましょう。
それがわかれば、心の準備ができたり、距離の取り方を工夫することができます。
3. 「職場の空気=自分の責任」と思いすぎない
空気を読んでばかりで疲れてしまう人ほど、場の雰囲気を「自分の影響」と捉えがちです。しかし実際には、職場全体の空気や人間関係は、自分ひとりではどうにもできません。
- 「今の空気はたまたまそうなっている」
- 「全体の雰囲気と自分の価値は別のもの」
そんなふうに、意識的に線引きや自分の中での心理的整理をすることが、心の疲れを軽減する助けになります。
それでもつらさが続くときは
上記のような対処を試しても、気分が沈み続けたり、体調不良が続く場合は、心のエネルギーが限界に近づいているサインかもしれません。
- 仕事に行くのが怖い・つらい
- 眠れない、食べられない
- 何をしても楽しくない
- 些細なことで涙が出る
- もう辞めたい、逃げたい気持ちが強くなる
こうした状態が2週間以上続いているなら、精神科や心療内科,メンタルクリニックなどの専門機関への相談を検討してよいタイミングです。精神科や心療内科では、診断や投薬だけでなく、心の整理やストレス対処の相談も可能です。
まとめ:「人間関係の悩み」は、心の健康の一部です
職場の人間関係の悩みは、誰もが持ちうるものです。それでも、「この程度で弱音を吐くなんて」「社会人なら我慢して当然」と自分に言い聞かせ続けてしまうと、心身に深刻な影響を及ぼすことがあります。
人間関係に疲れたときは、「自分の感じること」を認めること、そして「それにどう対処するか」を落ち着いて考えることが大切です。
もし一人で抱えるのが難しい・不調が続いていると感じたら、心の専門家に相談してみてください。職場での悩みや人間関係が関係する心の負担やストレスは意外にも大きいものです。早めの対応が回復への近道です。
野村紀夫 監修
医療法人 山陽会 ひだまりこころクリニック 理事長 / 名古屋大学医学部卒業
保有資格 / 精神保健指定医、日本精神神経学会 専門医、日本精神神経学会 指導医、認知症サポート医など
所属学会 / 日本精神神経学会、日本心療内科学会、日本うつ病学会、日本認知症学会など
一人で悩まずに、まずは一度ご相談ください
一人で悩まずに、
まずは一度ご相談ください
たくさんの方が
悩みを抱えて来院されています。
ご紹介している症状以外でも、「こんなことで受診していいのかな…」 と迷ったらまずは一度お気軽にお電話ください。