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なぜか話せなくなった…「ビジネスイップス」の症状と克服方法を解説

2024.05.212024.05.23

ビジネスイップス

失敗体験から、上手く話せない・上手く振舞えなくなったとき

働く上では失敗やミスはついて回るものですが、失敗体験からうまく話せなくなったり、声が出にくくなったりすることがあります。これまでは普通にできていたことが急に出来なくなった場合、「ビジネスイップス」に陥っているのかもしれません。

「イップス」は、アスリートにみられることがよく知られています。しかし、ビジネスにおいても、心理的な原因から同じような状態に陥ることがあるのです。

本記事では、仕事に関連して起きるビジネスイップスについて、症状や克服方法を解説します。これまでできていたことができなくなり、困っている方はぜひ参考にしてください。

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ビジネスイップスの3つの症状とは?

「イップス」とは、スポーツ競技や楽器の演奏などの緊張する場面で、いつものようなパフォーマンスを発揮できない状態を指します。強い緊張や不安などの心理的な要因により、無意識的に筋肉が硬直することが原因の1つです。

ビジネスにおいても心理的なプレッシャーがかかる場面が多く、同様の症状がみられることがあります。多くの場合は、「上司と話すとき」「電話対応時」など特定の場面で生じることが多いでしょう。具体的には、以下のような3つの症状です。

  • コミュニケーションの問題:思うように言葉が出ない、文章がまとまらない
  • 身体運動の異常:手が震えて字が書けない、指が硬直する
  • 決断力の低下:重要な決断を下せない

【ビジネスイップスの症状①】コミュニケーションの問題

ビジネスイップスでよくみられるのは、他人とのコミュニケーションがうまく取れなくなるという症状です。「言葉が出てこなくなった」「声が詰まる」などと、言語表現や発声に違和感が出るようになり、うまく話せなくなってしまうケースが多いでしょう。

また、「文章がまとまらない」といった発声の問題ではなく、文章表現が難しくなる場合もあります。ビジネスにおいては、他人とのコミュニケーションは必須です。人前でのプレゼンやメンバーとの打ち合わせができなくなるなど、支障が大きいといえるでしょう。

【症状例】

  • 上司の前だと緊張して言葉が出ない
  • 電話対応のときに声が裏返ってしまう
  • メールの文面がまとまらない

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【ビジネスイップスの症状②】身体運動の異常

ビジネスイップスでは、震えや筋肉の硬直といった運動の異常がみられます。とくに、「手が震える」「指先が硬くなる」といった手先にあらわれやすく、字がうまく書けなくなるケースが多いでしょう。

また、「マウスを上手く動かせない」「キーボードタッチがぎこちなくなる」といったパソコンの操作にも影響が出ることもあります。

【症状例】

  • 書類のサインなど、字を見られる場合に震えて書けなくなる
  • マウスを素早く動かせない
  • 身体が無意識的に震える

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【ビジネスイップスの症状③】決断力の低下

管理職以上のマネージャークラスに多いビジネスイップスとしては、決断力の低下が挙げられます。失敗体験から、重大な決断ができなくなったり、プロジェクトに対する意欲を失ってしまったりすることが特徴です。

【症状例】

  • 判断ミスを気にして決断ができなくなる
  • 失敗が怖い

ビジネスイップスの診断方法とは?

ビジネスイップスは、医学的な診断名ではないため、明確な診断基準はありません。精神科や心療内科では、「局所性ジストニア」「職業性ジストニア」などの診断名が付けられる場合があります。

「ジストニア」とは、脳の障害が原因で無意識的に筋肉が硬直してしまう症状です。薬の影響や遺伝性により起こることがありますが、多くは原因不明のことが多いでしょう。

ビジネスイップスの場合は、心理的な要因が影響していることが少なくありません。イップスが起こる場面を特定し、対処していくことが大切だといえます。

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ビジネスイップスの原因とは?

ビジネスイップスの原因は、はっきりと分かっていません。ただ、イップスが起きる原因として、2つの異なる信号が脳から発信されるためだと考えられています。

「失敗してはいけない」という気持ちと、「頑張らなければ」という2つの考えがせめぎ合う

例えば、以前に大きなミスをした仕事に再び取り組むときを考えてみましょう。「絶対に失敗してはいけない」という引き締まった気持ちと、「頑張ろう」と奮い立つ気持ちを同時に体験することがあるかもしれません。

これは、アクセルとブレーキを同時に踏んでいる状態であり、思うように進まなくなってしまうのです。そして、「思うようにできない」ということが失敗体験となり、「次も出来なかったらどうしよう」と不安が強くなってしまいます。

相反する気持ちや行動を取ろうとしてできなくなり、さらに不安感が高まってよりできなくなるといった悪循環が起きるのです。

ビジネスイップスの治療・克服方法とは?

無意識のうちに、これまでできていたことができなくなってしまうビジネスイップスですが、どのように克服するとよいのでしょうか。

【ビジネスイップスの克服法①】感情に気づく

ビジネスイップスは無意識的に何かができなくなる症状ですが、何らかの感情の葛藤が原因となって生じていることが多いでしょう。そのため、イップスになってしまう際の感情や身体の状態に、意識的に気づけるようになることが大切です。

例えば、「上司と話すときに言葉が出なくなってしまった」という場合を考えてみましょう。「怒られるのが怖いから逃げたい」と思う一方で、「上司とは良い関係を築かないといけない」という理想があることで、話しづらくなってしまうのかもしれません。

ビジネスイップスは、真面目で完璧主義な人ほどなりやすいとされています。自分が理想とする状態と、現実に起こるネガティブな感情とのギャップがあると、イップスを起こしやすいといえるでしょう。このように、理想と現実のギャップに気づくことが克服のためには大切です。

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【ビジネスイップスの克服法②】身体の緊張を解く

ビジネスイップスにおいては、身体が緊張して生じる場合が多く、筋肉の緊張を緩めることが重要です。意識的にリラックス状態を作り出すことで、身体の状態を自分でコントロールできている感覚を身に付けられ、不安も軽減するでしょう。

緊張を緩める方法としては、「自律訓練法」や「筋弛緩法」が有効です。

自律訓練法:自分に暗示をかけてリラックスする

自律訓練法は、自己暗示により意識的にリラックス状態を作り出すための方法です。落ち着いた環境の中で「気持ちが落ち着いている」「右足が重い」などの言葉を唱えてリラックス状態に導きます。

自律訓練法は、感情の安定やストレスの軽減に効果的です。ビジネスイップスの症状についても、緊張状態を和らげる効果が期待できます。

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筋弛緩法:力を抜いてリラックスする

筋弛緩法は、筋肉の緊張を解き、意識的にリラックス状態に導くためのリラクゼーション法です。精神的に緊張しているときには、身体に力が入っていますが、意図的に力を入れたあとに抜くと、緊張が緩和されやすい性質があります。

筋弛緩法では、手や腕、肩、足などの身体の各部分に力を入れて抜くということを繰り返して、リラックスした状態を意識的に作り出します。

ビジネスイップスは急に何かができなくなる症状

ビジネスイップスは、仕事の場面で起きやすい心理的な問題の1つですが、医学的な診断名ではありません。

そのため、「根気が足りない」「怠けている」と周りから理解されないことがあるでしょう。信頼できる周りの人に、症状について打ち明け相談できる関係を作るとよいかもしれません。

周りに相談できる人がおらず、一人で抱えてしまう場合は、精神科や心療内科を受診し、専門家に頼ることも1つの方法です。イップスの背景に別の精神的な不調が隠れていることもあるからです。症状に苦しんでいる場合は、一度受診してみましょう。

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野村紀夫 監修
医療法人 山陽会 ひだまりこころクリニック 理事長 / 名古屋大学医学部卒業
保有資格 / 精神保健指定医、日本精神神経学会 専門医、日本精神神経学会 指導医、認知症サポート医など
所属学会 / 日本精神神経学会、日本心療内科学会、日本うつ病学会、日本認知症学会など

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