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転換性障害 (機能性神経症状症)とは?運動や感覚の異常が生じる精神疾患を解説

2024.05.272024.05.27

転換性障害・機能性神経症状症

ストレスがきっかけで、身体面への影響が出る時

「緊張でお腹が痛い…」「心配ごとを考えると頭が重い…」など、気持ちや考えに連動して身体が反応することはありませんか。心と身体はつながっており、お互いに影響し合っています。

しかし、「声が出ない」「音が聞き取りづらい」といった身体への影響が強く出ている場合は、何らかの症状かもしれません。ストレスが原因で身体の機能に症状が出る精神疾患の1つが、「転換性障害(機能性神経症状症)」です。

本記事では、転換性障害(機能性神経症状症)の症状や原因、治療法について解説しています。原因の分からない不調にお悩みの方はぜひ参考にしてください。

転換性障害(機能性神経症状症)とは?

転換性障害とは、身体的な症状が存在するにもかかわらず、検査をしても異常がみつからないという状態です。ストレスや葛藤の後に生じる傾向があるため、心理的な要因により生じると考えられています。具体的な特徴についてみていきましょう。

運動や感覚に異常が生じる

何か嫌な出来事を思い出すと「頭が痛くなる」「胃が気持ち悪くなる」といった身体の変化を感じるのは、多くの人が体験することでしょう。しかし、転換性障害は「力が入らない」「話せない」「聞こえない」といった運動や感覚の異常が生じる状態です。

女性に非常に多い

転換性障害は、10万人あたり11~300人が罹患していると推計されています。男女比は1:2~1:10と女性に多く、特に子どもの場合は女子の割合が高いでしょう。

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身体の機能に異常はないが強い苦痛を感じている

転換性障害では、身体の機能に異常がみられませんが、わざと症状があるように見せているわけではありません。本人は強い苦痛を感じており、原因を調べても分からずに困ってしまうといったケースが多いでしょう。

ただ、中には身体疾患を併発しているケースも少なくありません。専門家でも見極めが難しいこともあるため、原因が分からない苦しみは強いといえます。

症状が長期化すると治りにくい

転換性障害は、急性に発症して自然に治ることがあります。しかし、症状が6カ月以上続く場合には、症状が寛解するのは50%以下になるとされ、長期化すると治りにくいことが特徴です。

また、発症の原因となるストレスが明確であり、早期に治療を行うほど治りやすいと考えられています。

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転換性障害(機能性神経症状症)の症状は?

転換性障害の症状は「感覚症状」と「運動症状」、「発作症状」の3つに分けられます。

感覚症状

感覚症状としては、「目が見えない」というように感覚が失われたり、「喉に何か詰まっている」と知覚の異常が生じたりします。特に、手足に生じることが多く、「手袋を付けたような感覚」が生じるものや、身体の片側のみの感覚が失われるといった症状が特徴です。

感覚や知覚の異常があるものの、感覚器官は正常に働いています。例えば、「目が見えない」という場合でも、光に対する瞳孔の反射が生じているため、機能自体は正常なのです。感覚や知覚が通常とは異なりますが、身体的な異常は認められず、原因不明の症状として体験されることが多いでしょう。

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運動症状

運動症状としては、「立てない」「歩けない」といった歩行障害が多く、よろめくように歩くことが特徴です。声が出なくなってしまう(失声症)、首が左右どちらかに曲がる(斜頚)もあります。その他にも、手足の麻痺や筋力の低下、ジストニア運動(身体や顔が意図せず動く)がみられることが多いでしょう。

発作症状

発作症状とは、てんかんのように手足が震えたり、意識を失ったりするような発作が生じます。てんかんとは異なりますが、発作症状がみられる人の3分の1はてんかんも併発していることが分かっており、判別が難しいといえるでしょう。

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転換性障害(機能性神経症状症)の原因とは?

原因がはっきりしない身体症状が生じる転換性障害ですが、どのような原因で起きるのでしょうか。明確な原因は特定されていませんが、2つの側面から解説します。

原因①:子どもの頃に学んだストレス対処法だから

機能性の神経症状が生じるのは、無意識的な葛藤を我慢しており、それが形を変えて表れているからだと考えられています。例えば、「子どもが歩けなくなり、学校に行きたいのに困っている」という場合、学校に対する何らかの葛藤を抱えているのかもしれません。

「友達との関係が苦痛」「先生と合わない」などといったストレスの原因を避けようとしていると考えられます。「歩けない」ことにより休まざるをえず、学校に行くという葛藤を避けられるのです。

こういった避け方を、子どもの頃からストレス対処法として役立つことを学習して定着していきます。しかし、意識的にやっているわけではなく、無意識のうちに行っていることが転換性障害の特徴といえます。

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原因②:脳の機能に異常があるから

最近の研究では、「大脳皮質」という脳の部分が過度に興奮していることで症状が起こっているという仮説もあります。大脳皮質とは、人間の五感や思考活動、記憶など高度な機能をつかさどる領域です。

大脳皮質の働きの異常がなぜ起こるのかははっきりと分かっていません。ただ、「見る」「聞く」などの感覚の異常が大脳皮質の働きにより生じている可能性があります。

転換性障害(機能性神経症状症)の治療法とは?

転換性障害による身体症状は、基本的には自然に治ることが多いとされています。しかし、ストレスがかかるとまた同じ症状が出てしまうため、再発を防ぐことが治療の目的です。

精神療法や心理療法・カウンセリングにより自分の思いを探求して本当の辛さに気づいたり、リラクゼーション方法を学んだりすることでストレスを軽減します。ただ、何より重要なのは、信頼できる治療者との関係です。無意識にある自分の思いを表現できる安全な居場所が必要といえます。

人によっては、症状が想像上のものであることに気づこうとするとかえって悪化してしまうケースもあるでしょう。あくまでも「症状のほかにもストレス対処法のレパートリーを増やす」という意識で治療に望むことが大切です。

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原因が分からないゆえに苦しむ病気

転換性障害は、身体の異常を感じても原因が分からず、非常に苦しむ精神疾患だといえるでしょう。症状は実際にはなく、葛藤が形を変えて表れるものと考えられていますが、症状に伴う苦しみは確実に存在しています。

それゆえに、周囲からは理解されずにつらい思いをすることがあるかもしれません。原因不明の身体症状に悩んでいる方は、ぜひ一度精神科や心療内科にご相談ください。

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野村紀夫 監修
医療法人 山陽会 ひだまりこころクリニック 理事長 / 名古屋大学医学部卒業
保有資格 / 精神保健指定医、日本精神神経学会 専門医、日本精神神経学会 指導医、認知症サポート医など
所属学会 / 日本精神神経学会、日本心療内科学会、日本うつ病学会、日本認知症学会など

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