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抑うつとうつ病の違いとは?心のエネルギーの枯渇について
2025.04.142025.04.14
抑うつ、うつ病
「抑うつ」は一時的な心の落ち込みの“状態”を表す言葉
「抑うつ」とは、気分が沈んで元気が出なかったり、物事に対する関心や意欲が薄れてしまったりする“一時的な心の状態”のことを指します。これは特別なことではなく、誰にでも起こりうる自然な反応です。
たとえば、仕事で大きなミスをしてしまったとき、「なんだか気分が重い」「何をする気にもなれない」と感じることはないでしょうか。このような状態が、まさに「抑うつ」です。ほかにも、人間関係の悩み、過度の疲労、環境の変化、さらには季節の変わり目など、さまざまな要因がきっかけになります。
抑うつ状態は、時間の経過や環境の変化によって自然と回復することが多いのが特徴です。たとえば、ゆっくり休んだり、気分転換をしたり、信頼できる人と話すだけでも、心が軽くなることがあります。そのため、抑うつを感じたときは「こういうこともある」と受け止め、無理をせずに過ごすことが大切です。
大切なのは、自分を責めすぎないこと。「気分が落ち込むのはダメなことだ」と否定するのではなく、「ちょっと疲れているのかもしれないな」と心と体の声に耳を傾けることが、回復への第一歩になります。
▷「【抑うつ】ってなんだろう?「なんだかしんどい」の正体とは」についての記事の紹介はこちら
「うつ病」とは?こころのエネルギーが枯渇した“病気”としての診断
うつ病とは、気分の落ち込みや意欲の低下が長期間にわたって続き、日常生活に支障をきたす「こころの病気」です。一時的な気分の落ち込み(抑うつ)とは異なり、自然に回復することが難しく、医療的な支援や治療が必要となる場合が多くあります。
うつ病では、単に「気分が沈む」だけではなく、「何をしても楽しくない」「疲れやすい」「集中できない」といった心身の不調が現れます。眠れない、食欲がない、逆に過食してしまうといった身体症状が出ることもあります。また、自分を過度に責めたり、「自分は価値のない人間だ」といった否定的な考えにとらわれてしまうことも少なくありません。
代表的な症状には、以下のようなものがあります。単なる落ち込みを超えて、日常生活に支障をきたすほどの症状が2週間以上続く場合には特にうつ病が疑われます。
- 強い気分の落ち込み
- 興味や喜びの喪失
- 疲れやすさ、倦怠感
- 食欲や体重の変化
- 睡眠障害(不眠または過眠)
- 自責感、無価値感
- 集中力の低下
- 死について繰り返し考える など
うつ病の原因はさまざまで、ストレス、性格傾向、過労、人間関係、生活環境の変化などが複雑に関係しています。脳内の神経伝達物質(セロトニンやノルアドレナリンなど)のバランスが崩れることが関係しているとも考えられています。
またうつ病は、「気の持ちよう」や「根性」では回復しきれません。だからこそ、「頑張らなきゃ」と無理を重ねてしまうと、かえって悪化してしまうこともあります。うつ病は誰にでも起こりうる身近な病気であり、早めの受診と適切な治療によって回復が望めます。
「最近どうもおかしい」「いつまでも気分が晴れない」と感じたら、自分を責めるのではなく、心の不調として向き合ってみることが大切です。そして、必要であれば、精神科や心療内科などの医療機関に相談することもとても大切です。
【まとめ】その違いを理解して、適切な対処を
項目 | 抑うつ | うつ病 |
---|---|---|
意味 | 一時的な落ち込み状態 | 医学的な診断名のある病気 |
原因 | ストレス、疲れ、環境変化など | 生物学的・心理的・社会的な要因が複雑に関与 |
回復 | 自然に改善することもある | 医師の診断・治療が必要 |
期間 | 一時的・短期間のことが多い | 2週間以上、継続して強い症状が出る |
「抑うつ」と「うつ病」は、いずれも気分の落ち込みに関係する言葉ですが、その本質には大きな違いがあります。抑うつは一時的な心の状態であり、十分な休養や気分転換によって自然に回復することも多いのに対し、うつ病は長期的かつ深刻な症状を伴う病気です。日常生活に支障をきたすような状態が続く場合は、適切な治療が必要になります。
このような「抑うつ」と「うつ病」の違いを正しく理解しておくことは、自分自身や周囲の人の心の変化に気づき、無理をさせずにサポートするうえで非常に重要です。たとえば、「最近元気がないな」と感じたとき、その人がただ疲れているだけなのか、それとも専門的なケアが必要な状態なのかを見極めるヒントになります。
また、自分の心の不調に気づいたとき、「ただの気のせい」「自分が弱いだけ」と片づけてしまわず、今の状態に合った適切な対処をとることが、回復への第一歩です。少し立ち止まって休むことで元気を取り戻せる場合もあれば、医療機関に相談することが必要な場合もあります。
心の不調は誰にでも起こりうるものです。大切なのは、我慢しすぎないこと。そして、「助けを求めてもいい」と自分に許可を出すことです。自分自身のこころのサインに耳を傾け、必要に応じて専門家のサポートを受けることが心のケアにはとても重要な事でもあります。
気になる症状があるときは、迷わず相談を
「これはただの疲れだろう」「まだ頑張れる」と、自分の不調を見逃してしまう方も多いですが、心のSOSはとても繊細です。放っておくと、抑うつ状態がうつ病に進行してしまうこともあります。
気分の落ち込みや不調が続くときは、どうかひとりで抱え込まず、専門機関に相談してみてください。ひだまりこころクリニック名駅エスカ院では、あなたの心の変化に寄り添い、回復への一歩を一緒に探していきます。どんな小さな不安でも、お気軽にご相談くださいね。
名古屋駅から徒歩1分、名駅の地下街にあります心療内科,精神科,メンタルクリニックですので、名古屋市内外にお住いの方からも通っていただきやすいクリニックです。
▶うつ病に関する記載はこちら
野村紀夫 監修
医療法人 山陽会 ひだまりこころクリニック 理事長 / 名古屋大学医学部卒業
保有資格 / 精神保健指定医、日本精神神経学会 専門医、日本精神神経学会 指導医、認知症サポート医など
所属学会 / 日本精神神経学会、日本心療内科学会、日本うつ病学会、日本認知症学会など
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