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“疲れすぎて何もしたくない日”の過ごし方|心療内科ブログで紹介
2025.04.252025.05.02
抑うつ、うつ病
“疲れすぎて何もしたくない日”の過ごし方とは
「今日は何もできそうにない」「体も心も重くて、何かをする気になれない」そんなふうに感じる日は、誰にでもあります。
多くの方が、「ちゃんと休まなきゃ」と思いつつも、「このままでいいのかな」「もっと何かやらなきゃ」と焦ってしまうものです。
今回は、心療内科の視点から、“疲れすぎて何もしたくない日”の過ごし方についてご紹介します。ポイントは、「頑張ることをやめて、エネルギーを“ためる日”と割り切る」こと。
不調を悪化させないためにも、安心して休む方法を知っておくことは、とても大切です。
何もしたくない日は「休息のサイン」
まず知っておいてほしいのは、「何もしたくない」という感覚は、脳や体からの“休ませて”という信号であるということです。
心身が限界近くに達すると、やる気や集中力が落ちる、思考がうまく回らない、動くのが億劫になる……といった症状が出てきます。これは“甘え”ではなく、生理的な現象です。
とくに真面目で責任感が強い人ほど、「何もできない自分」を責めてしまいがちですが、そんなときこそ意識的に“がんばらない”ことが必要です。
休み方にも“選び方”がある
ただ横になってスマホを見ているだけでも休みにはなりますが、心療内科の視点から見ると、より回復効果の高い休み方もあります。
以下に、疲れすぎているときにおすすめの休み方を、具体的にご紹介します。
1. 「最低限のケアだけ」でOKとする
- 歯みがき、洗顔だけできたら十分
- 食事はインスタントやプロテインドリンクでも構わない
- 部屋は片付けなくてもいい、散らかっていても命に関わらない
こういった「生活の最低ライン」だけを意識して、あとは潔く“何もしない”と決めてしまうのがポイントです。完璧を目指さないことで、少しずつ心が軽くなっていきます。
2. 「静かな刺激」に切り替える
大きな音や画面の光、SNSの流れなどは、意外と脳に負担をかけています。疲れているときは、できるだけ「静かな刺激」に切り替えるのが効果的です。
たとえば
- スマホを機内モードにしておく
- 照明を少し暗めにする
- 雨音や波の音など自然音を流す
- 頭を使わない映像(動物動画、風景など)を見る
これだけでも、脳が過剰な情報から解放され、回復に向かいやすくなります。
3. 「横になるけど眠らない」時間も大切
昼間にベッドで何時間も寝てしまうと、夜の睡眠リズムが崩れることがあります。そんなときは、眠らずに「横になるだけ」の時間を取りましょう。
- 電気毛布で体を温めながらうつ伏せになる
- 目を閉じて深呼吸を数分だけ意識する
- タオルケットにくるまって静かに音楽を聴く
これらは“起きているけど脳が休んでいる状態”を作るので、疲労回復に効果的です。
4. できたら「プチ達成感」をひとつだけ
「何もしていない」と感じると、自己否定につながりやすくなります。そこで、“とても小さなこと”をひとつだけやってみるのもおすすめです。
- コップ1杯の水を飲む
- カーテンを少しだけ開けて日差しを入れる
- 手を温かいお湯で洗ってみる
- ゴミを1つだけ捨てる
それだけで、「今日はゼロじゃなかった」と感じることができ、焦りや罪悪感を軽くすることにつながります。
5. 明日の自分へのメモを残す
エネルギーが少し戻ってきたら、「今日は何がつらかったのか」「明日は何を休みたいか」など、自分へのメモを1行だけでも残しておくと、回復の手助けになります。
文章にすることで、漠然とした不安やイライラが整理されやすくなります。
心療内科ではこう考えています
心療内科では、「何もしたくない日」が続いたり、「休んでも疲れが取れない」という相談を多く受けます。これは、うつ病・不安障害・自律神経の乱れなどが背景にあるケースも珍しくありません。
たとえば
- 朝起きるのが極端につらい
- 休日もずっと寝ているだけで回復しない
- 何をしても楽しめない
- 急に涙が出る、イライラが増える
このような状態が2週間以上続く場合は、ただの疲労ではなく、心の病気の初期サインである可能性もあります。少しでも不安があれば、心療内科に相談してみてください。無理に話さなくても、医師がゆっくり聞き取りながら状況を整理してくれます。
休むことは「治すこと」「回復する事」でもあります
何もしたくない日を“怠け”ととらえる必要はありません。
それは、心や体がエネルギー切れになっている証拠。そんなときは、「休むことそのものが、回復への第一歩」と考えてみてください。
無理をせず、必要なときにしっかりと休む。それは、自分を守るための“基本的な対応”です。疲れた自分に、もっと優しくなっていいのです。
野村紀夫 監修
医療法人 山陽会 ひだまりこころクリニック 理事長 / 名古屋大学医学部卒業
保有資格 / 精神保健指定医、日本精神神経学会 専門医、日本精神神経学会 指導医、認知症サポート医など
所属学会 / 日本精神神経学会、日本心療内科学会、日本うつ病学会、日本認知症学会など
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