名古屋駅徒歩0分
大人のための
メンタルクリニック
公式ブログ
理由もなく沈む気持ち、その裏にある“見えないストレス”とは?
2025.04.062025.04.06
メンタルケア、気分変調症・持続性抑うつ障害、うつ病、双極性障害・躁うつ病
理由もなく沈む心。その裏にある“見えない疲れ”とは?
「なんだか、ずっと気分が重い。でも、これといった理由は見当たらない…」
そんなふうに、自分の感情がわからなくなってしまうときはありませんか?
仕事があるからと頑張っているのに、心のどこかにずっとモヤモヤが残っている。笑っているのに、なんだか無理をしている気がする。
気分の落ち込みには、ちゃんと理由があります。ただ、その多くは自分でも気づけないほど、深く静かにたまっていくのです。
もしかして、“見えない疲れ”がたまっていませんか?
心が沈む原因は、人それぞれです。でも、「明確なきっかけがない落ち込み」には、こんな“見えない疲れ”が潜んでいることがあります。
感情を出せずに我慢している
職場でも家庭でも、「いい人」でいようとして、無理をしていませんか?言いたいことを飲み込むのが当たり前になると、心の中で小さなストレスが積もっていきます。
常に“ちゃんとしなきゃ”・”もっと頑張らなくては”と思っている
完璧を目指して、ずっと気を張っている状態。これも心にとっては大きな負担です。「何をやっても不安」「ちょっとした失敗で自分を責めてしまう」というときは、心が疲れ果てているサインかもしれません。
頑張っても報われていない
「頑張ってるのに、うまくいかない」「悪いことばかり起きる」そんな感覚が続くと、無力感や虚しさに変わっていきます。やがて“やる気”そのものが湧かなくなることも。
小さなストレスが蓄積している
仕事、家事、育児、人間関係…「ちょっとしたこと」の積み重ねが、心をじわじわと消耗させます。ストレスの原因がはっきりしないと、余計にモヤモヤが強まることもあります。
気づいていますか? 心からの“落ち込みサイン”
知らず知らずのうちに、心はSOSを出しています。以下のチェックリストで、あなたの心の状態を確認してみましょう。
- □ 以前楽しめていたことに、興味が持てなくなった
- □ なんとなく泣きたくなることがある
- □ 「自分なんて…」という思いがよく浮かぶ
- □ とにかく疲れやすい。眠っても回復しない
- □ 人と話すのがおっくうになった
- □ 何もかもが面倒に感じる
- □ 食欲や睡眠に変化がある(減った/増えた)
- □ 頭がぼんやりして集中できない
当てはまる項目が多い場合は、知らないうちにストレスや疲労が蓄積しやすい傾向であると考えられます。心身のケアと休息もです。
「病気かもしれない」と思ったときに知っておきたいこと
気分の落ち込みが継続するときには、次のような心の病気の可能性もあります。
うつ病
強い抑うつ気分や意欲の低下が続いてしまうと、うつ病で日常生活にも支障が出ます。「寝ても疲れがとれない」「自分を責めてばかりいる」といった症状が継続してしまっている場合には要注意です。
双極性障害
気分が落ち込む「うつ状態」と、異常にテンションが高まる「躁状態」を繰り返す病気が双極性障害です。「時期によって性格が変わったようになる」と感じたら、早めの受診を。
気分変調症・持続性抑うつ障害
うつ病ほどではないものの、抑うつ状態が長期間続きます。「ずっと気分が晴れない」「心が重たい日が2年以上続いている」という場合は、気分変調症・持続性抑うつ障害かもしれません、精神科や心療内科などの専門家への相談もとても大切です。
気分が落ち込んだ時のセルフケア方法
気分が落ち込んだ時のセルフケアについて紹介します。紹介した中から、これならやってみようと思えるものから、心のケアを始めてみてはいかがでしょうか?
何もしないで“休む”、生活のリズムを整える
気分の落ち込みを感じた時、自分を責めたり、理由を追求しすぎる前に、まずは「休むことを自分に許す」ことが大切です。
予定やタスクは一旦置いておいて、思い切って心と身体を休ませましょう。「寝る」「ぼーっとする」「ゆっくりお風呂に入る」それだけでも心の疲れは回復します。
またしっかりと、食事や睡眠のリズムを整えることも大切です。
小さな“できた”を大切にする
何も手につかないと、「ダメな自分」と責めてしまいがちです。でも、たとえ布団から出られなかった日でも、「水を飲んだ」「顔を洗えた」など、ほんの小さな“できた”があるはず。
どんなに小さなことでも、「今日も一歩進めた」と認めることが、心の回復のきっかけになります。
五感をやさしく刺激する
気分が落ちているときは、感覚そのものが鈍くなりがちです。そんなときは、視覚・聴覚・嗅覚・触覚・味覚など、五感を意識的に使ってみましょう。
- お気に入りの風景や写真を眺める(視覚)
- 自然音や優しい音楽を聴く(聴覚)
- ラベンダーや柑橘系の香りでリラックス(嗅覚)
- あったかい毛布にくるまる、お風呂につかる(触覚)
- 温かいスープや甘い飲み物を味わう(味覚)
五感を刺激することは、心を“今ここ”に戻す手助けになります。
デジタルデトックスをしてみる
SNSやニュースを見続けていると、無意識のうちに疲れてしまいます。「自分と他人を比べて落ち込む」「不安な情報で心がざわつく」……そんなときは、一時的に情報をシャットアウトする時間を作ってみてください。
- 寝る前1時間はスマホを見ない
- 朝起きてすぐは、SNSを開かない
- 休日の午前中は“ノースマホタイム”にする
これは心に静けさを取り戻す時間です。
自然の中で過ごす
緑や水のある風景には、ストレスをやわらげる効果があります(「グリーンセラピー」とも言われています)。
- 近くの公園をゆっくり歩く
- ベランダや窓から空をながめる
- 川や海辺の音に耳を澄ます
外出がむずかしい日は、自然の写真や動画を見るだけでも効果があると言われています。自然に触れると、呼吸も深くなり、心が少しずつ整っていきます。
自分を励ます言葉を持つ
落ち込んでいるときは、思考がネガティブに偏りやすくなります。そんなときに備えて、自分を安心させる言葉をメモしておくのがおすすめです。
- 「何もできなくても、私は私でいい」
- 「今日は休んでもいい日」
- 「がんばらなくても、生きてるだけでOK」
- 「この気分はずっとは続かない」
壁に貼っておくのもよし、スマホのメモにしておくのもよし。“過去の自分が今の自分を助ける”、そんな仕組みを作っておくと心強いです。
信頼できる人に話す
誰かに話すだけで、心は軽くなります。アドバイスをもらわなくても、「聞いてもらう」ことそのものが安心につながります。もちろん、つらい心の体調は精神科や心療内科などの医療機関にもお気軽にご相談ください
セルフケアは「義務」じゃありません、自分の気になるものだけでもOK
ここで紹介したセルフケアは、「全部やらなきゃ」と思う必要はありません。あなたのペースで、できそうなものを1つだけ取り入れてみてください。
必要なのは「がんばる」ことではなく、「緩める」ことと、心へのケアをもう少しだけ意識してみること。それが、回復のいちばん確かな一歩になります。
あなたの心が、ほんの少しでも軽くなりますように
もし、今のあなたが「このままだとしんどいかも」と思っているなら。それは心の大事なサインです。
一人で抱え込まず、必要であれば精神科や心療内科などの専門家に頼ってください。話しづらいこと、言葉にならない気持ちでも、丁寧に向き合います。お気軽にご相談くださいませ。
▶うつ病に関する記載はこちら
野村紀夫 監修
医療法人 山陽会 ひだまりこころクリニック 理事長 / 名古屋大学医学部卒業
保有資格 / 精神保健指定医、日本精神神経学会 専門医、日本精神神経学会 指導医、認知症サポート医など
所属学会 / 日本精神神経学会、日本心療内科学会、日本うつ病学会、日本認知症学会など
一人で悩まずに、まずは一度ご相談ください
一人で悩まずに、
まずは一度ご相談ください
たくさんの方が
悩みを抱えて来院されています。
ご紹介している症状以外でも、「こんなことで受診していいのかな…」 と迷ったらまずは一度お気軽にお電話ください。