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昔の「うつ病」に対する誤解と変遷|時代とともに変わる認識
2025.03.072025.03.07
非定型うつ病、うつ病
昔の「うつ病」に対する誤解と変遷
現在では、「大うつ病(Major Depressive Disorder, MDD)」は医学的に認められ、脳の機能や環境要因が影響する病気として理解されています。しかし、過去にはうつ病に対する認識が大きく異なり、さまざまな誤解や偏見が存在していました。本記事では、歴史の中でどのようにうつ病が捉えられてきたのかを解説します。
貴族や芸術家の「憂鬱な気質」と考えられていた
古代ギリシャの医師ヒポクラテスは、「メランコリア(黒胆汁)」という概念を提唱し、気分の落ち込みを説明しました。中世ヨーロッパにおいては、うつ的な傾向は「知的な人や芸術家が持つ特有の気質」と考えられ、哲学者や詩人の苦悩と結びつけられることがありました。現代のように「病気」として扱われることは少なく、むしろ「深い思索の結果」として称賛される場合もあったのです。
「ヒステリー」や「神経衰弱」と混同されていた
19世紀から20世紀初頭にかけては、精神疾患の分類が今ほど細かくなく、特に女性のうつ症状は「ヒステリー」や「神経衰弱」と診断されることが一般的でした。当時の医学では精神疾患の原因が十分に解明されておらず、治療法も確立されていなかったため、電気ショック療法や温泉療法などが試みられることもありました。
隔離や入院治療の対象とされていた
精神疾患に対する理解が乏しかった時代、重度のうつ病患者はしばしば精神病院に隔離されることがありました。20世紀前半の精神医療はまだ発展途上であり、精神疾患全般に対する偏見が強かったため、患者の苦しみが軽視されることも少なくありませんでした。
「気の持ちよう」「怠け」と誤解されていた
つい最近まで、「うつ病は気の持ちよう」「努力すれば治る」といった誤った考えが広く浸透していました。特に、日本では「がんばることが美徳」とされる文化が根強く、うつ病の人も自身の状態を隠してしまう傾向がありました。適切な治療を受けることよりも、「根性で乗り越えよう」とする精神論が優先される場面も多かったのです。
現代との違い「医学的理解の進展」
現在では、うつ病は脳の神経伝達物質のバランスや環境要因が関与する医学的な疾患として理解されるようになりました。薬物療法・精神療法・認知行動療法などの治療法が確立され、社会的な認識も変化しています。「休むことの大切さ」や「適切な支援の必要性」が広く受け入れられるようになったことは、過去との大きな違いといえます。
かつては「性格の問題」や「特異な気質」とされていたうつ病が、現在では科学的に証明された病気として認識されるようになったことは、精神医療の進歩の証でもあります。今後もさらなる理解が進み、誰もが適切なサポートを受けられる社会になることが期待されます。
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