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仕事のミスが増えた…疲れのせい?心のSOS?
2025.04.052025.04.06
職場とメンタルヘルス、精神科・心療内科、メンタルケア、非定型うつ病、うつ病、大人の発達障害・ADHD
仕事でミスが急に増えた時…ストレスとの関係は?
「最近、仕事で些細なミスが増えた気がする…」「以前はできていたことがうまくいかない」そんな変化に不安を感じたことはありませんか?
ミスは誰にでもあるもの。でも、急に頻度が増えたと感じたら、それは心や体からのサインかもしれません。特にうつ病や発達障害など、精神的な要因が影響しているケースもあります。
この記事では、仕事中のミスが増える原因や考えられる病気、対処法までをわかりやすく解説します。
ミスの原因はひとつじゃない
仕事でミスが増えるからといって、必ずしも病気とは限りません。よくある原因には以下のようなものがあります
- 睡眠不足や疲労による集中力の低下
- 慣れによる気のゆるみや確認不足
- 新しい業務や環境への適応途中
- 上司や同僚とのコミュニケーション不足
睡眠不足や疲労、慣れによる確認不足、新しい業務への不慣れ、人間関係のストレスなど、誰にでも起こりうる原因が関係していることもあります。こうした場合は、生活習慣の見直しや業務の整理、周囲とのコミュニケーション改善などで状況が好転することも十分にあります。焦らず、自分の状態を客観的に見つめ直してみましょう。
でも、こんな状態が続くなら要注意!
以下のような変化がみられる場合は、うつ病などの精神的な病気が関係している可能性もあります
- 気分の落ち込みが続いている
- 何をするにも疲れる、やる気が出ない
- 集中力や判断力が明らかに落ちている
- 夜眠れない、または寝ても疲れがとれない
気分の落ち込みや無気力、集中力の低下、眠れない・寝ても疲れが取れないといった状態が続く場合は要注意です。心のエネルギーが不足すると、脳の働きも鈍くなり、ミスが増える原因になります。
これらのサインがあるときは、無理をせず自分の心と体の状態に目を向け、必要に応じて専門機関に相談することが大切です。
仕事のミスとうつ病の関係
うつ病は「気分の病気」だけでなく、「認知(考える力)の病気」とも言われます。
特に仕事では、以下のようなサインとして現れることが多いです
- 納期ミスや提出忘れが増える
- デスクが散らかって片づけられない
- 計画通りに業務を進められない
- 人との会話を避ける、あるいは過剰に話す
- 遅刻や欠勤が続く
仕事の中では、納期ミスや提出忘れ、デスクの散らかり、計画通りに業務が進まないなどのサインとして現れることが多いです。また、人との会話を避けたり、逆に過剰に話すこともあります。
これらは「だらしない」わけではなく、脳のエネルギーが低下している結果として現れる症状です。うつ病が進行すると、仕事に支障をきたすことがあるため、早期の対処が重要です。
発達障害の可能性も?
大人になってから仕事の場面でミスが目立ち始め、「実は発達障害の特性があった」と気づくケースもあります。
発達障害の一例
- ADHD(注意欠如・多動症):忘れ物が多い、注意がそれやすい
- ASD(自閉スペクトラム症):マルチタスクが苦手、こだわりが強い
例えば、ADHD(注意欠如・多動症)の場合、忘れ物が多かったり、注意が散漫になったりします。ASD(自閉スペクトラム症)の場合は、マルチタスクが苦手で、強いこだわりがあることがあります。
また、発達障害の特性が原因で仕事がうまくいかず、そのストレスから二次的にうつ病を発症する「二次障害」であることも少なくありません。これらの症状に気づくことが、適切な対処の第一歩です。
自分でできる対処法5選
- 休養をとる➡疲れが蓄積しているなら、まずは心と体を休めましょう。
- 医療機関を受診する➡症状が続く場合は、専門医の診断を受けることが大切です。
- 職場に相談する➡環境を変えるだけで状況が改善することもあります。
- 休職や転職を考える➡今の環境が合っていないと感じたら、無理せず方向転換を。
- 支援機関を活用する➡就労移行支援や相談窓口など、プロの手を借りるのも◎。
自己診断チェックリスト(簡易版)
以下に該当する項目が多いほど、心の不調に繋がっている可能性も考慮して、精神科や心療内科などの医療機関への受診を考慮してみてください。
- □ 朝起きるのがつらい
- □ ミスが増えて自己嫌悪を感じる
- □ 以前楽しめていたことに興味が湧かない
- □ 集中力が続かない
- □ 寝つきが悪く、途中で目が覚める
- □ 仕事中、人と話すのがつらい
- □ 物事を悲観的に考えてしまう
参考文献
- 厚生労働省「こころの耳」https://kokoro.mhlw.go.jp/
- 国立精神・神経医療研究センター https://www.ncnp.go.jp/
- 日本うつ病学会 https://www.secretariat.ne.jp/jsmd/
【まとめ】ミスの裏にある心のサインを見逃さないで
仕事のミスは誰にでもあります。でも、急に増えたり、気分や体調の変化を伴ったりする時には、何か心の不調のサインかもしれません。
心の調子を崩すことは特別なことではなく、誰にでも起こり得るものでもあります。まず取り敢えず「頑張らなきゃ」ではなく、不調がいつもと違う時、継続する時には「立ち止まってケアしよう」という視点を持つことが、回復の第一歩です。
もしミスや不調で、孤独を感じている時も、一人で抱えず、医療機関含めた周囲に頼ってみてくださいね。
野村紀夫 監修
医療法人 山陽会 ひだまりこころクリニック 理事長 / 名古屋大学医学部卒業
保有資格 / 精神保健指定医、日本精神神経学会 専門医、日本精神神経学会 指導医、認知症サポート医など
所属学会 / 日本精神神経学会、日本心療内科学会、日本うつ病学会、日本認知症学会など
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