「気分の波が激しいのは性格だから」それ、本当にそうですか?について名古屋ひだまりこころクリニック名駅エスカ院が解説

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「気分の波が激しいのは性格だから」それ、本当にそうですか?

2025.06.162025.06.17

メンタルケア、うつ病、双極性障害・躁うつ病

「気分の波が激しいのは性格だから」それ、本当にそうですか?

  • 気分が急に上がったり落ち込んだりする。
  • ちょっとしたことで感情が爆発してしまう。

自分のこの不安定さを「性格のせい」として受け止めていませんか?

たしかに、人には感情の波があって当然です。しかし、その振れ幅があまりに大きく、日常生活に影響が出ている場合、性格ではなく“心の不調”のサインかもしれません。

“感情の揺れ”が日常に支障をきたしている場合

たとえば、次のような経験はありませんか?

  • さっきまで楽しかったのに、急に虚無感に襲われる
  • 周囲の人とのやりとりに過剰に反応してしまう
  • 気分が読めないと他人に言われる
  • 感情のコントロールが自分でも難しい

こうした状態が慢性的に続いているとすれば、単なる気分のムラでは済まない可能性があります。「性格」と片づけてしまうことで、見逃されるべきではない精神的な課題があることも多いのです。

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感情の波が激しくなる背景とは?

気分の起伏は、心理面だけでなく、脳の働きやホルモンのバランス、発達特性など、複数の要因が絡んでいます。

  • 神経伝達物質(セロトニンやドーパミン)の調整不良
  • 睡眠や生活リズムの乱れによる影響
  • 発達的な特性(ADHDやASD)
  • ホルモンの変動(とくに女性の月経周期など)
  • トラウマや長期的なストレスによる神経の過敏化

つまり、感情のコントロールがうまくいかないのは「性格の問題」ではなく、脳や神経の処理の問題であることが多いのです。

気分の不安定さが関係する主な精神疾患

以下のような疾患では、感情の波が強く現れやすいとされています。

双極性障害(躁うつ病)

気分が高揚する「躁状態」と、沈んでしまう「うつ状態」を周期的に繰り返す病気です。軽度の躁状態(軽躁)では気づかれにくく、本人も周囲も「性格の起伏」と誤認しやすい特徴があります。

境界性パーソナリティ障害

感情が不安定で、人間関係に極端な反応を示しやすいのが特徴です。見捨てられ不安や衝動的な行動がみられることもあり、「人付き合いに振り回されて疲れてしまう」と感じている方が多くいます。

月経前不快気分障害(PMDD)

月経の1〜2週間前になると気分の落ち込みや怒り、不安が強く現れる病気です。ホルモンの影響による感情の波で、本人の努力で抑えるのは困難です。

ADHD(注意欠如・多動症)

集中力の維持や衝動の制御が苦手な特性があり、感情の急な変化や爆発的な怒りが出やすくなることがあります。「周囲に合わせようとしても空回りしてしまう」という経験が繰り返されがちです。

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どこまでが“性格”で、どこからが“治療の対象”?

以下のチェックポイントを目安にしてみてください。

観点 性格の範囲 治療を検討すべき可能性
回復の早さ 数時間〜1日で落ち着く 数日以上続き、自分でコントロールできない
社会生活 人間関係や仕事に大きな支障はない 繰り返しトラブルや摩擦が起きる
本人の困り感 大きな問題と感じていない 自分で「なんとかしたい」と感じている
パターン 特定の場面のみで感情が乱れる どんな状況でも感情の起伏が大きい

「以前より感情の起伏が増えた」「同じ問題を繰り返してしまう」といった感覚がある場合、自己判断せず一度専門家に相談してみることをおすすめします。

医療機関でできること

心療内科や精神科では、以下のような評価や支援を受けることが可能です。

  • 症状や経過の聞き取り・整理
  • 必要に応じた心理検査(発達特性や認知傾向の分析)
  • 気分の安定をサポートする薬や治療の提案
  • 精神療法などによる感情との付き合い方の見直し
  • 睡眠・生活習慣の調整サポート

「気分の波をなくすこと」ではなく、「波に翻弄されずに過ごす方法」を一緒に探していくことが治療の目的です。

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自分を責めすぎず、専門家の視点を借りてみる

気分が安定しないと、どうしても「自分はダメなんだ」と責めてしまいがちです。しかし、感情の揺れには必ず理由があります。それが環境のせいなのか、体質的なものなのか、あるいは発達的な特性なのか…自分だけで判断するのは難しいものです。

だからこそ、医学的な視点で自分を客観的に見直す機会をもつことが大切です。治療や支援の選択肢を知ることで、必要以上に落ち込まず、自分らしく生きやすくなる可能性があります。

気分の波があると悩んでしまうとき

「気分の波がある=性格が未熟」という思い込みが、悩みを長引かせてしまうこともあります。感情の波に悩みながらも、自分を責めてしまっている方は、ぜひ一度専門機関で相談してみてください。

気分の安定は、トレーニングや治療や診療のサポートで少しずつ整えていける面もあります。また環境に応じた支援も大切で、性格の問題に見えるような感情の揺れの背景にある、適切な支援と必要な“理由”とが見つかることもあります。

名古屋ひだまりこころクリニック名駅エスカ院は名古屋駅から徒歩1分の心療内科,精神科,メンタルクリニックです。お気軽にご相談くださいませ。

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野村紀夫 監修
医療法人 山陽会 ひだまりこころクリニック 理事長 / 名古屋大学医学部卒業
保有資格 / 精神保健指定医、日本精神神経学会 専門医、日本精神神経学会 指導医、認知症サポート医など
所属学会 / 日本精神神経学会、日本心療内科学会、日本うつ病学会、日本認知症学会など

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