創作が心を癒すとき｜絵や音楽がもたらす心の安らぎ

創作がもたらす心への影響とは？

うつ病と向き合う日々は、時に重く感じるものです。しかし、そんな中でも「何かを創ること」が心の支えとなることがあります。

絵を描く、音楽を奏でる、詩を書く・・・。

これらの創作活動は、気持ちを落ち着かせ、心の奥にある想いと向き合う貴重な時間をもたらします。本記事では、創作が心に与える影響について解説します。

なぜ創作活動は心に良いのか？

① 感情を形にして発散できる

うつの状態にあると、気持ちを言葉にすることが難しくなることがあります。「何がつらいのかわからない」「言葉にしようとすると余計に苦しくなる」と感じることも少なくありません。

しかし、絵や音楽などの創作活動を通じて、自分の感情を表現することができます。例えば、無意識のうちに暗い色を使って描いた絵や、切ないメロディを奏でることで、心の中のモヤモヤが整理されていくことがあります。

② 自分と向き合う時間ができる

創作活動は、自己表現の手段であり、自分自身を知るきっかけにもなります。

たとえば、描くたびに似たようなモチーフを使っていることに気づいたり、詩の中に特定の言葉が何度も出てくることがあります。これらの表現の中には、心の奥に眠る思いや考えが映し出されているかもしれません。作品を通じて自分の状態に気づくことは、心のケアにとって大切な一歩です。

③ 小さな達成感が自己肯定感につながる

うつの状態にあると、「何をやってもダメだ」と感じやすくなります。しかし、小さな作品でも完成させることで、「やり遂げた」という実感が生まれます。

この積み重ねによって、「自分にもできることがある」と思えるようになり、少しずつ自己肯定感が回復していくのです。

④ 創作の時間が「今この瞬間」に集中できる

うつのときは、過去の後悔や未来への不安にとらわれがちです。しかし、創作に没頭している時間は、「今」に集中することができます。

これは「マインドフルネス」にも通じる考え方で、目の前のことに意識を向けることで、ストレスを軽減し、心を穏やかにする効果が期待できます。

⑤ 人とつながる手段になる

うつのときは、対面でのコミュニケーションが負担に感じることもあります。しかし、創作活動を通じてなら、自然な形で他者と関わることができます。

たとえば、SNSに作品を投稿することで共感や励ましのコメントをもらったり、オンラインの創作コミュニティで同じ趣味を持つ人と交流することができるかもしれません。言葉では伝えにくい気持ちも、作品を通じて共有することができます。

創作活動を続けるために大切なこと

創作は心の支えになりますが、無理をするとかえって負担になることもあります。気持ちよく続けるために、次の点を意識してみましょう。

① 完璧を求めすぎない

「うまく描かなければ」「良い曲を作らなければ」と思うと、プレッシャーになり、かえって創作が苦しくなります。うつのときは、「結果」よりも「作る過程」を楽しむことを大切にしましょう。

② 気が乗らないときは無理をしない

創作が楽しく感じる日もあれば、気が進まない日もあります。無理にやろうとせず、「今は休む時期」と割り切ることも大切です。

③ 他人と比べない

SNSでは素晴らしい作品がたくさん目に入りますが、「自分の作品は劣っている」と思う必要はありません。創作は「競争」ではなく「自己表現」。誰かと比べず、自分のペースで楽しみましょう。

まとめ「創作は心のリハビリになる」

創作活動には、感情の発散や自己表現、達成感の獲得といったさまざまなメリットがあります。何かを生み出すことで、自分の気持ちを整理し、少しずつ前向きな気持ちを取り戻せるかもしれません。

ただし、無理をしないことが大切です。創作は「やるべきこと」ではなく、「心を癒すためのひとつの手段」。焦らず、自分のペースで進めてみましょう。