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レジリエンスとは?困難をしなやかに乗り越える力とその育て方

2025.09.202025.09.20

レジリエンス

レジリエンスとは?

困難をしなやかに乗り越える力とその育て方

「レジリエンス(resilience)」という言葉を耳にしたことがある方も多いのではないでしょうか。直訳すると「回復力」「弾力性」といった意味を持ちますが、心理学や教育、ビジネスの分野では「逆境をしなやかに乗り越え、再び立ち上がる力」として広く使われています。

レジリエンスは単なる忍耐ではなく、困難な経験を通して学び、さらに成長していける前向きな力を指します。本記事では、レジリエンスの特徴や高める方法について、医療の観点も交えて解説します。

レジリエンスの主な特徴

レジリエンスにはさまざまな側面があります。以下に代表的な特徴を整理してみましょう。

1. 回復力

逆境から立ち直る力は、レジリエンスの核となる要素です。失敗や喪失といった心理的ショックから「以前の自分に戻る」だけでなく、そこから新しい力を得ることも含まれます。心理学的には「ポスト・トラウマティック・グロース(外傷後成長)」とも関連づけられる概念です。

2. 柔軟性

状況の変化に適応する力も欠かせません。計画通りに進まないときに別の方法を探す、異なる視点を受け入れるなど、柔軟に対応できる人ほどストレスを長引かせずにすみます。

3. ポジティブな視点

逆境を「チャンス」と捉える姿勢は、心理的安定を支えます。困難をただ避けるのではなく「学びの機会」として取り込むことで、次の挑戦に活かすことができます。

4. 自己効力感

「自分ならできる」という自己信頼感は、困難に直面したときの大きな支えになります。自己効力感の高い人は失敗しても諦めず、解決策を探す姿勢を持ち続ける傾向があります。

5. 問題解決能力

レジリエンスが高い人は感情的に流されず、現実的な解決策を冷静に探ります。客観的に状況を分析することで、複雑な問題にも段階的に対処できます。

6. 感情のコントロール

ストレスや不安を感じても爆発させず、適切に処理できることも重要です。感情を整えられる人ほど、冷静さを保ちやすく、周囲との関係性も安定します。

7. 社会的サポートの活用

周囲の支援を適切に求められることもレジリエンスの一部です。人とのつながりを保ち、必要なときに助けを借りられる人ほど、困難を抱え込まずにすみます。

8. 逆境を成長の糧にする姿勢

最も大きな特徴のひとつは、困難を「ただ耐える」のではなく「自分を成長させる素材」として活かせることです。レジリエンスが高い人は挫折の経験から学び、より強い自分へと進化していきます。

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レジリエンスを高める具体的な方法

レジリエンスは生まれつきの資質だけではなく、後天的に鍛えることができます。ここでは、そのための実践的な方法を紹介します。

1. 支え合える人間関係を育む

信頼できる人との関係は、困難を乗り越える大きな支えになります。孤立せず、家族や友人、同僚とのつながりを意識的に保つことが重要です。

2. 小さな目標を積み重ねる

大きな目標に直面すると人は圧倒されやすいものです。小さなステップに分けて取り組むことで、達成感を積み重ね、自己効力感を育むことができます。

3. 柔軟な思考を養う

「この方法しかない」と考えると壁にぶつかったときに挫折しやすくなります。複数の選択肢を想定し、視点を変える習慣を持つことが適応力を高めます。

4. 自己効力感を育てる

成功体験の積み重ねが自信につながります。小さな挑戦をクリアすることでも、「自分にはできる」という感覚が強まり、困難に立ち向かう力となります。

5. 心身のセルフケアを優先する

十分な睡眠、バランスの取れた食事、適度な運動は、精神の回復力を高める基本です。リラクゼーション法や趣味の時間を持つことも有効です。

6. 感情コントロールの習慣を持つ

深呼吸や瞑想、マインドフルネスは感情の暴走を防ぎます。自分の気持ちに気づき、客観的に眺める習慣を持つことで、冷静に対応できるようになります。

7. 健康的なストレス対処法を持つ

ストレスのサインを早めに察知し、適切に対処する力が必要です。運動や趣味、リラクゼーションなど、自分に合った解消法を複数持つことが効果的です。

8. 前向きな視点を意識する

「失敗から何を学べるか」と考える姿勢は、困難を乗り越えるモチベーションを支えます。意識的に前向きな側面を探す習慣を持ちましょう。

9. 目的意識を明確にする

「なぜ自分は努力しているのか」という目的意識があると、困難は一時的な試練として捉えやすくなります。価値観に基づいた行動が、逆境を超える力につながります。

医療とレジリエンス

精神医療の現場でも、レジリエンスは重要な概念として注目されています。うつ病や不安障害など心の病を抱える方にとって、症状の改善だけでなく「再発に立ち向かう力」を育てることが回復の大切な一部だからです。

心理療法やカウンセリングの場では、レジリエンスを強化するために以下のような取り組みが行われることもあります。

  • 認知行動療法を通じて柔軟な思考を育む
  • マインドフルネスで感情のコントロールを学ぶ
  • 支援者とのつながりを再構築する

これらはすべて「困難を避ける」のではなく、「困難とどう向き合い、回復し成長できるか」を支えるアプローチです。

まとめ

レジリエンスとは、単に逆境を耐えるだけの力ではなく、柔軟性やポジティブな視点を持ちながら回復し、経験を糧に成長していける力を指します。人間関係、セルフケア、自己効力感、感情コントロールなど、さまざまな要素を意識的に鍛えることで、誰でも高めていくことが可能です。

困難は避けられないものですが、それにどう対応するかは工夫次第で変わります。レジリエンスを育むことは、生活の質を守り、未来に向けた前向きな歩みを後押ししてくれるきっかけにも繋がります。

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野村紀夫 監修
医療法人 山陽会 ひだまりこころクリニック 理事長 / 名古屋大学医学部卒業
保有資格 / 精神保健指定医、日本精神神経学会 専門医、日本精神神経学会 指導医、認知症サポート医など
所属学会 / 日本精神神経学会、日本心療内科学会、日本うつ病学会、日本認知症学会など

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