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うつ病の初期段階、悪化しやすい原因と特徴
2025.03.302025.03.30
初期症状、非定型うつ病、うつ病
うつ病、初期段階での対応の大切さ
私たちは誰しも、落ち込んだり気分が沈んだりすることがあります。しかし、うつ病はそれが長期間続き、気分の落ち込みや興味・関心の喪失などの精神的な症状に加え、不眠や食欲の変化、身体のだるさといった身体的な症状をもさまざまに引き起こす精神疾患です。
適切な対処をせずに放置すると、症状が悪化し、回復に長い時間がかかることがあります。そのため、初期段階で気づき、適切な対応をすることが重要です。
うつ病の初期症状とは?
うつ病の初期段階では、さまざまな心身の変化が現れることがあります。特に以下のような症状が続く場合は注意が必要です。
- 睡眠の乱れ
夜中に何度も目が覚める、寝つきが悪くなる、あるいは逆に長時間眠っても疲れが取れないと感じることがあります。 - 気分の重さや無気力感
理由もなく気分が落ち込んだり、朝起きたときに「また一日が始まるのがつらい」と感じたりすることがあります。 - 楽しさを感じにくくなる
以前は夢中になれた趣味や好きなことに興味が持てなくなり、何をしても満たされない感覚が続くことがあります。 - 集中力の低下と考えの停滞
仕事や勉強に集中できず、何をするにも頭が働かないと感じることが増えます。会話の内容を理解しづらくなったり、本を読んでも内容が頭に入らなかったりすることもあります。 - イライラや焦燥感の増加
ちょっとしたことで気持ちが揺れ動き、理由もなく焦ったり、些細なことに強くイライラしたりすることがあります。 - 自分を責める気持ちが強くなる
「自分は役に立たない」「周囲に迷惑をかけている」といった否定的な思考が頭から離れなくなることがあります。 - 体の不調が続く
胃腸の調子が悪くなる、頭痛や肩こりが治らない、倦怠感が抜けないなど、原因不明の体調不良が続くことがあります。 - 死や消失への思い
「いなくなった方が楽かもしれない」といった考えが浮かぶことがあります。これは深刻なサインであり、早めの対処が必要です。
上記のような症状が2週間以上続き、日常生活に支障をきたしている場合は、一人で抱え込まず、信頼できる人や心療内科,精神科,メンタルクリニックなどの適切な医療機関に相談することが大切です。
うつ病の初期段階では悪化させやすい特徴も
日常生活の中での緩徐な変化が気づかれにくい
うつ病の初期段階では、自分の不調に気づきにくかったり、「気の持ちよう」や「一時的な疲れ」と考えて無理をしてしまったりすることが多く、症状を悪化させやすい傾向があります。
特に、ストレスの原因となる環境をそのままにして頑張り続けると、心身の負担がさらに蓄積し、回復が難しくなってしまいます。
また、普段の生活の中で、緩徐に悪化していくため、うつ症状の程度を見誤ってしまいやすく、病院に相談すべき状態からしばらく経過したさらに悪化した状態で、心身の異変に気が付かれることも少なくありません。
うつ病になりやすい性格が関与していることも
また、うつ病の患者さんの多くが、
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まじめで責任感が強い:仕事や人間関係において義務感が強く、無理をしてでも頑張りすぎる傾向があります。
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完璧主義:自分に厳しく、高い基準を設けて、それを達成できないと強く自責の念を抱くことがあります。
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他人を優先しがち:周囲の期待に応えようとしすぎて、自分の気持ちを後回しにすることが多いです。
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ネガティブな思考になりやすい:物事を悲観的に捉えたり、失敗を過剰に気にしたりする傾向があります。
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ストレスをため込みやすい:悩みを誰にも相談できず、一人で抱え込むことが多いです。
性格の傾向をお持ちの方も多いとされております。そのため、なかなか「周囲に相談したり」、「助けを求めたり」ということに抵抗を感じられる方も少なくありません。
もちろん、こうした性格だからといって必ずうつ病になるわけではなく、環境やストレスの影響も大きく関係します。
うつ病を悪化させないためにできること
うつ病の初期段階で適切な対処を行うことで、重症化を防ぐことが期待できます。以下に、具体的な対処法を紹介します。
1. しっかり休息をとる
ストレスの多い環境から一時的に距離を取り、十分な休息を確保しましょう。
2. 生活リズムを整える
規則正しい生活を心がけることが、心身の健康維持につながります。特に、毎朝決まった時間に起き、朝日を浴びることが重要です。
3. 栄養バランスの取れた食事を摂る
食事のリズムを守り、タンパク質・ビタミン・ミネラルを意識的に摂取しましょう。特に、ビタミンB群やオメガ3脂肪酸が豊富な食品は、メンタルヘルスの改善に役立ちます。
4. 適度な運動をする
ウォーキングや軽いストレッチなど、無理のない範囲で体を動かすことが、ストレスの軽減につながります。
5. ストレスを溜め込みすぎない
趣味や気分転換の時間を意識的に作り、リラックスする時間を確保しましょう。
医療機関への相談のタイミング
うつ病の初期症状が2週間以上続き、日常生活に支障をきたしている場合はうつ病が考えられますので、お一人で抱えすぎたり、遠慮したりしすぎずに専門の医療機関への相談検討が大切です。早期の受診により、適切な治療を受けることが可能となり、回復への道が開けます。
また、うつ病は再発のリスクもあるため、症状が改善した後も定期的なフォローアップが重要です。
まとめ
うつ病の初期兆候を見逃さず、早期に適切な対処を行うことが、重症化を防ぐ鍵となります。日々の生活習慣を見直し、必要に応じて専門家の助けを求めることで、心身の健康をケアしていくことが大切です。自分一人で抱え込んだり自己判断しすぎず、家族や友人、医療機関と連携してサポートを受けることが大切です。
▶「うつ病の初期症状とは?放置するとどうなる?」についても記事にて紹介をしています
▶「うつ病の初期症状とは?見逃しがちなサインと早めの対処法」についても記事にて紹介をしています
▶「うつ病の初期症状とは?早期発見のために知っておきたいポイント」についても記事にて紹介をしています
▶うつ病に関する記載はこちら
野村紀夫 監修
医療法人 山陽会 ひだまりこころクリニック 理事長 / 名古屋大学医学部卒業
保有資格 / 精神保健指定医、日本精神神経学会 専門医、日本精神神経学会 指導医、認知症サポート医など
所属学会 / 日本精神神経学会、日本心療内科学会、日本うつ病学会、日本認知症学会など
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