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ストレスコーピングを知るとラクになる!?種類や方法を徹底解説
2025.01.232025.01.23
ストレスコーピング
ストレスに対処する方法について
「ストレスコーピング」という言葉は聞き慣れないかもしれませが「ストレスに対処する方法」という意味です。
生活の中でストレスコーピングがうまくできるようになると、心が軽くなり前向きな気持ちで過ごせるようになります。
この記事では、ストレスコーピングとは何か、ストレスコーピングの種類や問題点、どうすれば実践できるのかを解説します。
ストレスコーピングを高めると、職場での過ごし方や人間関係、日常生活のストレスにも対処できるようになるでしょう。心の健康を守るための参考になれば幸いです。
ストレスコーピングとは
コーピングとは「対処する」という意味で、ストレスコーピング(ストレス対処行動)とは、ストレス状況にどのように対処するのかを指します。
ストレスコーピングが低いと、ストレスを溜め込んでしまい、抑うつ気分やイライラして過ごす時間が長くなるのです。それにより、うつ病や自律神経失調症などの心の病気になる可能性が高くなります。
ストレスに対処するときの考える順番
人にはストレスに対処するときの考える順序があり、流れは以下のとおりです。
①一時的評価:そのストレスがどのくらい自分に害があったり脅威になったりするのかを考える
②二次的評価:ストレス状況にどう対処すべきかを考える
一次的評価/二次的評価とは
たとえば、業務時間外に同僚から仕事の連絡があった場合、その連絡に「家に帰ってきたのに仕事の話か…」とストレスを感じ、自分の心にどのくらい負担になっているのかを考えるのです。これを一時的評価といいます。
このようなストレスを感じたときに、ストレス反応として憂うつ、不安、イライラなどネガティブな気持ちになるのです。
次に、対処法を考えます。不満をいえずガマンして返信をするか、断りの連絡を入れるかです。これを二次的評価といいます。
この場合、ガマンするとストレスが溜まっていきます。
一方で「ごめんね、わたし業務時間外は仕事のこと考えないようにしているの」と断ると、その後のストレスは軽減される面もあるでしょう。このように、ストレス状況にどのように対処するかがストレスコーピングです。
ストレスコーピングの種類
ストレスコーピングには以下の5つの種類があります。[1]
- 問題焦点型コーピング
- 情動焦点型コーピング
- 認知的再評価コーピング
- 社会支援探索型コーピング
- 気晴らし型コーピング
それぞれの特徴と具体例を見ていきましょう。
問題焦点型コーピング
1つ目は問題焦点型コーピングです。
ストレスを感じている問題に、自分の努力や周りに協力してもらい直接対処していく方法をいいます。[1]
たとえば、昇進試験があるが勉強が難しく捗らずにストレスに感じているとき、勉強時間をつくったり先輩に教えてもらったりして試験に挑むことです。
問題自体を解決するためにどのように対処するのかがポイントになります。
情動焦点型コーピング
2つ目は情動焦点型コーピングです。
情動焦点型コーピングとは感情をどう整理するのかで、感情発散型と感情抑圧型の2パターンがあります。
感情発散型とは
感情発散型とは、取り返しのつかない失敗や大切な人を亡くしてしまったとき、不安や不満、悲しみなどの気持ちを人に話してストレスに対処することです。[1]
「愚痴を聞いてもらって楽になった」「話してスッキリしたよ」という経験は感情発散型になります。
感情抑制型とは
一方で、感情抑圧型は、不安や悲しみなどの感情を、誰にも吐き出さずにグッと堪えて溜め込んでいくことをいいます。
感情発散型の方が、心を健康にする効果があり、ストレスに関連する精神疾患の予防にも有効とされています。
認知的再評価型コーピング
3つ目は認知的再評価型コーピングです。
目の前の問題に対して、見方を変えたり発想を変えたりすることで、よい方向に考え直すことをいいます。[1]
たとえば、仕事のプレゼンで緊張して言葉が詰まってしまったが、その場の雰囲気や発表をできたことで自信はついた。次はもっと事前に練習すると自信をもってプレゼンすることができるはずだと、反省点を踏まえた成長方法を見出すことができる。
社会支援探索型コーピング
4つ目は社会支援探索型コーピングです。
問題が生じたときに、周りの人に相談したりアドバイスを求めたりして問題を解決する対処方法をいいます。[1]
たとえば、営業先で余計なことを言ってしまったと会社で気づいたとき、上司に相談すると「そのことに対して向こうが反応してなかったら大丈夫だよ」と言われ安心する。
このように、自分では解決できずに悩んでいたことを、相談することでアドバイスをもらい対処することが社会支援探索型コーピングです。
気晴らし型コーピング
4つ目は気晴らし型コーピングです。
自分の好きなこと(カラオケ、温泉、運動、カフェ巡り、読書など)を行い気分転換することで、ストレスに対処する方法です。[1]
たとえば、会社で毎日デスクワークをしているので、休日は山へ行き身体を動かすことでストレスを発散させることをいいます。
他にも、ヨガやアロマテラピーなども効果的です。
ストレスコーピングの問題点
ストレスコーピングが偏っていると、心が疲れてしまうことがあります。
最近は問題解決型コーピングしかとれない傾向があり、気晴らし型コーピングや衝動焦点型コーピングの感情発散型ができないケースが多くなっています。[1]
休みの日も十分に休息がとれずに、心に疲れが溜まっていくのです。
ストレスコーピングはどれが良いとかではなく、あなたの心を守るため、バランスよく使っていくことが大切です。
ストレスコーピングの方法
ストレスコーピングを高めるには、自分自身を知ることや認知行動療法が有効です。
人は誰しもストレスを抱えていますが、自分のストレスに気づかないことが多くあります。[2]
日々の生活で「どの場面でストレスを感じているのか」を振り返ってみましょう。 たとえば、仕事の人間関係や家事の負担など、自分のストレスポイントを知ることで、正しい対処法が見えてきます。自分を客観的に知るきっかけとして、紙に書いたり携帯にメモしたりと、誰にも見せずに自分のありのままの気持ちを書くことが大切です。
認知行動療法とは
一方で認知行動療法とは、ものの受け取り方や考え方に働きかけ気持ちを楽にする心理療法です。[3]認知的再評価型コーピングに有効で、とくにコラム法は取り組みやすいでしょう。
ストレスに感じた状況を書き出し、そのときの気分や頭に浮かんだこと、なぜそう考えたのかを分析していく方法がコラム法です。[4]
以下は、厚生労働省が出しているコラム法のワークシートもあります。自分で記入して簡単にできるので、実践してみてくださいね。
まとめ
ストレスコーピングが高くなると、ストレス処理がうまくなり心身の健康にも役立ちます。
あなたにあったストレスコーピングはどれなのかを考えながら、1つの方法だけでなく、さまざまなストレスコーピングを組み合わせてみてください。
ストレスコーピングをバランスよく身につけて、生きやすい日常を送りましょう。
参考文献
[1] ストレスコーピング―自分でできるストレスマネジメント―|坪井 康次
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jhas/6/2/6_2_2_1/_pdf
[2] ストレスへの気づき|厚生労働省こころの耳
https://kokoro.mhlw.go.jp/nowhow/nh003/
[3] 認知行動療法とは|認知行動療法センター
https://cbt.ncnp.go.jp/contents/about.php
[4] うつ病の認知療法・認知行動療法(患者さんのための資料)
https://www.mhlw.go.jp/bunya/shougaihoken/kokoro/dl/04.pdf
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