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月曜日の仕事が辛い原因は?サザエさん症候群の症状と対処法を解説

2024.05.182024.05.18

サザエさん症候群、適応障害、うつ病

日曜日の夜に憂うつになることはありませんか?

日曜日の夕方になると、「明日から仕事か…」「嫌な上司と会わなければならない…」と考えて憂うつになった経験はありませんか。仕事に真面目に向き合っている人ほど、休みから仕事に切り替わるタイミングがつらいものです。

仕事のことを考えて日曜日の夜に憂うつになることは「サザエさん症候群」と呼ばれます。多くの人が経験する憂うつな気持ちですが、重症化すると、うつ病などの精神疾患につながる可能性があり、注意が必要です。

本記事では、サザエさん症候群に悩んでいる人のために、原因や症状、乗り越え方について解説します。

サザエさん症候群とは?

「ブルーマンデー症候群」・「月曜病」とも呼ばれる

サザエさん症候群とは、日曜日の夕方に放送されている「サザエさん」が流れる時間になると、憂うつな気持ちになることから名づけられました。「ブルーマンデー症候群」や「月曜病」とも呼ばれます。

「休みの日に何もできなかった」「明日から5日連続で仕事だ」と休日を有意義に過ごせなかった後悔や、仕事への億劫さが特徴です。正式な病名ではありませんが、サザエさん症候群に悩んでいる人は多いでしょう。

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サザエさん症候群の症状は?

サザエさん症候群では、仕事のストレスに反応して生じる症状が特徴です。具体的には以下のような症状がみられます。

【心理面】

  • 不安を感じる
  • 憂うつな気持ちになる
  • 漠然とした焦りがある

【身体面】

  • 寝つけない
  • 夜中に目が覚める
  • 頭痛
  • 胃痛や下痢がある
  • 倦怠感がある
  • 涙が出る
  • 動悸がする

月曜日から始まる仕事を思い出して憂うつになるのは、誰でも経験することかもしれません。しかし、「不安で寝つけない」「気持ちが焦って動悸がする」などの状態は、ストレスによる反応が強く出ている可能性があります。

そのような状態が続いてしまう場合は、「適応障害」「不安障害」の診断がつくケースもあるでしょう。

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サザエさん症候群が起きる原因は?

サザエさん症候群は、「仕事のストレス」や「睡眠リズムの乱れ」から生じることが多いでしょう。2つの原因について解説します。

仕事のストレスの性質について考える

仕事のストレスが大きいほど、休日から仕事に切り替えるハードルが高くなります。仕事のストレスとして主に挙げられるのは以下の3つの要因です。

  • 業務の質と量:残業が多い、体力的に大変な仕事である、仕事の責任が重い
  • 裁量範囲:自分の判断で行える仕事が少ない
  • 人間関係:嫌な上司がいる、相談できる人がいない

とくに、周囲のサポートが少なく、裁量権がないのに業務量が多い状態だとストレスが高くなるとされています。「言われるがまま仕事に追われて、相談する人もいない」という状態がストレスフルなのです。ストレスを抱えているほど、月曜日が憂うつになりやすいでしょう。

睡眠リズムの乱れ

平日に早起きした分、休日は遅く起きたり、寝だめをするという人が多いのではないでしょうか。しかし、平日と休日の起床時刻や睡眠時間に差があると、時差ぼけのような状態になり、月曜日の午前まで身体がだるくなってしまうことがあるのです。

「ソーシャルジェットラグ」という現象であり、2日間の休日の寝だめで、睡眠リズムが1時間程度ほど遅れるとも報告されています。睡眠リズムが乱れると、身体を無理に起こそうとするため、だるさや疲れを感じやすくなるのです。

月曜日に感じる体のだるさは、睡眠リズムが関係していることがあります。休日も平日と同じ時間に起床することが大切だといえるでしょう。

サザエさん症候群はうつ病と同じなの?

日曜日の夕方帯に限定した、抑うつ気分である

サザエさん症候群は、うつ病の状態とは異なります。うつ病は、気分の落ち込みや興味関心が失われた状態が2週間以上続くことが一般的です。

サザエさん症候群は、あくまでも「日曜日の夕方」という特定のタイミングに限られる憂鬱を指しています。そのため、うつ病の症状のような継続的な抑うつ気分とは少し異なるといえるでしょう。むしろどちらかというとストレスに反応して症状が出ている適応障害に近い症状だと考えられます。

ただ、うつ病ではないからといって対処しなくてもいいというわけではありません。ストレス状態が慢性化すると、脳内の神経伝達物質のバランスが乱れ、うつ病を発症してしまうケースがあるからです。

ストレスによる症状が強い場合は、精神科や心療内科を受診しましょう。

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サザエさん症候群の対処法とは?

仕事のことを考えると憂うつな気分になるサザエさん症候群ですが、どのように対処すれば乗り越えられるのでしょうか。「休日の過ごし方」と「月曜日の始め方」の2つについて解説します。

休日の過ごし方:朝寝坊は2時間以内にする

休日のソーシャルジェットラグを防ぐため、起床時刻のズレは2時間以内にすることがおすすめです。例えば、平日は7時に起きている場合は、休日は9時までに起床するとよいでしょう。

何か予定がないと、早く起床しにくいかもしれません。そのため、日中に軽めの内容でもいいので、予定を入れておくと起床しやすいでしょう。予定の詰めすぎには注意が必要ですが、休日にメリハリをつけて過ごすことで、月曜日のだるさが改善される可能性があります。

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月曜日の始め方:簡単なタスクから取り組む

月曜日の朝一に重要な仕事が入っていると、憂うつな気持ちになりやすいのではないでしょうか。可能なら、月曜日には負担の大きな仕事は入れず、簡単なタスク・完了しやすいタスクから取り組んでウォーミングアップするとよいでしょう。

サザエさん症候群はメンタルヘルス不調のサインかもしれません

サザエさん症候群は、うつ病の症状とは異なるものの、放置するとうつ病を発症してしまう可能性があります。今回の記事では、サザエさん症候群に関する症状や対処法について紹介をしました。

しかし、ストレスが慢性化して、月曜日以外でも気分が落ち込んだり、出社できなくなったりする場合は、精神科や心療内科を受診し、専門的な治療を受ける方が良いかもしれません。

月曜日の憂うつさは多くの人が経験するものですが、長く続く場合は、見過ごさずにその理由を考えてみることも必要でしょう。

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野村紀夫 監修
医療法人 山陽会 ひだまりこころクリニック 理事長 / 名古屋大学医学部卒業
保有資格 / 精神保健指定医、日本精神神経学会 専門医、日本精神神経学会 指導医、認知症サポート医など
所属学会 / 日本精神神経学会、日本心療内科学会、日本うつ病学会、日本認知症学会など

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