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“甘いものがやめられない”のは、心がSOS出してるかも心療内科の視点とは
2025.04.252025.05.02
食事とメンタルヘルス
“甘いものがやめられない”のは、心がSOS出してるかも
- 「仕事の合間についチョコレートを食べてしまう」
- 「夜になると無性に甘いものが食べたくなる」
- 「ストレスがたまると、気づいたらお菓子を食べている」
こんなふうに、“甘いものをやめたいのにやめられない”という相談は、実は心療内科でも珍しくありません。
多くの人が、「自分は意思が弱い」と感じてしまいがちですが、実際にはそれだけが理由ではないことが多いのです。背景には、脳や心の働きの乱れ、ストレスへの対処パターンが関わっている場合もあります。
この記事では、「甘いものがやめられない」ことに隠れた心のSOSを、心療内科の視点から解説します。
甘いもの=脳への即効性のあるご褒美
まず、甘いものは脳にとって“即効性のある報酬”です。糖質は血糖値を一気に上げ、脳内でセロトニンやドーパミンといった“気分を安定させる物質”の分泌を促します。
これは、ストレスや疲労でメンタルのバランスが崩れたとき、一時的に気持ちを落ち着かせる効果があるため、無意識に“自己治療”のように甘いものを求める人が多いのです。
言い換えれば、「やめられない」のではなく、脳が“必要としている”状態とも言えます。
「ストレス食い」と「こころの飢え」
特に注意したいのは、「ストレス食い」や「心の穴埋め」としての甘いものの摂取です。
- 過剰な仕事量や人間関係のストレス
- 不眠や疲労の蓄積
- 孤独感や自己否定感
- 気分の落ち込みや不安
こうした状態が続くと、脳が「快感物質を出してバランスを保とう」として、手っ取り早い糖分に頼るようになります。この仕組みは、ある意味自然なストレス対処法なのですが、繰り返すうちに習慣化し、「やめたくてもやめられない」状態になることがあります。
甘いもの依存は、心身の悪循環を生む
問題なのは、糖分による気分の一時的な安定は長くは続かないという点です。
血糖値が急激に上がると、その後反動で急降下します。これによって、以下のような症状が出やすくなります:
- イライラしやすくなる
- 集中力が落ちる
- 気分が不安定になる
- さらに甘いものを求める
このサイクルが続くと、心身の疲労が蓄積され、本来のストレス耐性も低下していきます。つまり、「甘いもの=ストレス解消」と思っていても、実際には心と体の負担を増やしてしまっていることがあるのです。
「やめなきゃ」と思うほど逆効果になる
「もう甘いものは食べない」と決意しても、うまくいかないことの方が多いものです。心療内科では、いきなりやめようとするのではなく、“減らし方”や“代わりの習慣”を整えることをおすすめしています。
以下は一例です
- 朝食や昼食で炭水化物をしっかりとる(血糖値の安定)
- 小腹がすいたときはナッツやチーズに切り替える
- 甘いものを食べたくなる時間帯を記録し、パターンを知る
- 疲労やストレスを感じたらまず“5分間の休憩”を挟む
つまり、「食べない努力」よりも、「ストレスの根本にアプローチする工夫」が大切ということです。
こんなときは、心療内科に相談を
甘いものがやめられない背景に、うつ病や不安障害、睡眠障害、自律神経失調が隠れていることもあります。
以下のような状態が続く場合は、早めに医師のアドバイスを受けることをおすすめします
- 甘いものを食べた後に自己嫌悪が強い
- 食欲が乱高下している(過食と無食の繰り返し)
- 常に疲れていて、寝てもスッキリしない
- 気分が落ち込む・不安が強い
- 他人との関わりが億劫になってきた
心療内科では、診療を通して生活へのアドバイスや疾患教育を行い、必要に応じたお薬のサポートを行いながらも、無理のない改善計画を一緒に考えていきます。
まとめ:「やめられない」の背景にあるサインを見逃さないで
甘いものをやめられないと感じたとき、「自分は意志が弱い」と責める必要はありません。それは、心が疲れているサインであり、今のあなたに必要な“ケアのヒント”です。
一時的なご褒美としての甘いものは問題ありませんが、それが日常の中で「どうしてもやめられない」ものになっているなら、少し立ち止まって、自分の心の状態を見直してみることが大切です。
心療内科では、「食の偏り」や「習慣の変化」から、心の不調をキャッチすることもあります。気になることがあれば、早めに相談することで、体だけでなく心のバランスも整えやすくなります。
野村紀夫 監修
医療法人 山陽会 ひだまりこころクリニック 理事長 / 名古屋大学医学部卒業
保有資格 / 精神保健指定医、日本精神神経学会 専門医、日本精神神経学会 指導医、認知症サポート医など
所属学会 / 日本精神神経学会、日本心療内科学会、日本うつ病学会、日本認知症学会など
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