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意外と知られていない「うつ病」の種類|典型的な症状だけじゃない?
2025.03.072025.03.07
非定型うつ病、心理面・思考、周産期うつ病と産後うつ病、気分変調症・持続性抑うつ障害、うつ病、双極性障害・躁うつ病
意外と知られていない「うつ病」の種類とは?
「うつ病」と聞くと、「気分が沈む」「やる気が出ない」といった一般的なイメージを思い浮かべる方が多いでしょう。しかし、実際にはうつ病にはさまざまな種類があり、その症状も人によって異なります。なかには、一般的に想像される症状とは異なる形で現れるケースもあるため、正しく理解することが大切です。
医学的には、診断基準やガイドラインに基づいて細かく分類されていますが、この記事では「症状の現れ方」に注目して、いくつかのタイプのうつ病を紹介します。
1. 典型的な「大うつ病(大うつ病性障害)」
最もよく知られているのが「大うつ病(大うつ病性障害)」です。これは、強い抑うつ感や喜びの喪失が2週間以上続く状態を指します。
主な症状
- ほぼ毎日、気分が沈む
- 興味や楽しさを感じなくなる
- 食欲や体重の変化(増減)
- 睡眠の乱れ(不眠または過眠)
- ひどい疲労感や倦怠感
- 自己否定感が強くなる
- 集中力が低下する
- 死について考えることが増える
「うつ病」という言葉を聞いたときに、多くの人が想像するのは、この大うつ病の症状に当てはまるケースが多いです。
2. 「非定型うつ病」|一時的に気分が回復する?
大うつ病とは異なり、一時的に気分が回復するのが非定型うつ病(新型うつ病)の特徴です。楽しい出来事があると気分が上がるものの、基本的には抑うつ症状が続きます。また、睡眠や食欲の傾向にも違いがあります。
主な症状
- 気分が落ち込むが、楽しいことがあると一時的に回復する
- 過眠(寝ても寝ても眠い)
- 過食(特に炭水化物を欲しがる)
- 人の評価や拒絶に過敏に反応する
- 身体が鉛のように重く感じる
特に対人関係のストレスを受けやすい人に多く見られる傾向があります。
3. 「持続性うつ病(気分変調症)」|軽いけれど長く続くうつ
大うつ病ほどの重さはないものの、抑うつ状態が2年以上続くのが持続性うつ病(気分変調症)の特徴です。本人が「ただの性格の問題」と思い込んでいることもあり、気づかれにくいことが多いです。
主な症状
- ずっと気分が落ち込んでいるが、なんとか日常生活をこなせる
- 自信が持てない
- 集中力が低下しやすい
- 喜びを感じにくい
- 疲れやすい
「もともと暗い性格だから」と思われがちですが、実際には治療が必要な病気です。
4. 「季節性うつ病」|冬になると気分が沈む
秋から冬にかけて発症し、春になると自然に改善するうつ病です。日照時間の減少が関係していると考えられています。
主な症状
- 秋や冬に抑うつ症状が強まる
- 睡眠時間が増える
- 甘いものや炭水化物を多く摂りたくなる
- 疲れやすくなる
日光を浴びることや、ビタミンDの補給が有効な対策の一つとされています。
5. 「産後うつ」|ホルモン変化と育児のストレスが影響
出産後、ホルモンバランスの変化や育児のストレスによって引き起こされるうつ病が、「産後うつ」です。特に初めての出産後に発症しやすいとされています。
主な症状
- 涙もろくなる
- 不安感が強くなる
- 眠れない
- 子どもへの愛情がわからなくなると感じる
産後うつは、適切なサポートを受けることで改善しやすくなります。
6. 「双極性障害」|うつと躁を繰り返す
うつ病と似ていますが、気分が沈む「うつ状態」と、テンションが異常に高まる「躁状態」を繰り返すのが特徴です。躁状態のときは活動的になるため、一見、元気に見えることもあります。
躁状態の主な症状
- 気分が高揚し、異常にテンションが高くなる
- 睡眠時間が減っても元気
- 衝動的な行動(浪費、無謀な挑戦など)
- 考えが止まらず、話し続ける
双極性障害は、通常のうつ病とは異なり、適切な診断と治療が必要になります。特にDSM-5における診断基準では、うつ病と、双極性障害はそれぞれ別の疾患群として分類されるようになりました。
7. 「仮面うつ病」|身体症状がメインで現れるうつ
「気分の落ち込み」ではなく、身体の不調が主な症状として現れるタイプのうつ病です。身体の異変ばかりを訴えるため、本人も周囲も「うつ病」と気づかないことが多いです。
主な症状
- 慢性的な頭痛や肩こり
- 胃の不調や消化不良(便秘・下痢)
- 動悸や息苦しさ
- 病院で検査をしても異常が見つからない
長期間、原因不明の体調不良が続く場合は、心の状態も考慮することが大切です。
まとめ
うつ病にはさまざまな種類があり、それぞれの特徴が異なります。
- 大うつ病➡典型的な抑うつ症状が続く
- 非定型うつ病➡一時的に気分が回復するが基本は沈む
- 持続性うつ病➡軽度の抑うつが長期間続く
- 季節性うつ病➡冬に発症しやすい
- 産後うつ➡出産後のホルモン変化が影響
- 双極性障害➡うつと躁を繰り返す
- 仮面うつ病➡身体症状がメインで現れる
「もしかして?」と感じたら、無理をせず精神科・心療内科などの専門家に相談し、早めに対処することが大切です。
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