コロナ感染症と発達障害について名古屋市中村区,名古屋駅の心療内科・精神科・メンタルクリニックのひだまりこころクリニック名駅エスカ院が解説しております

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コロナと発達

2021.04.132022.06.08

新型コロナ感染症、大人の発達障害・ADHD

こんにちは。ひだまりこころクリニック名駅エスカ院です。前回に引き続き、新型コロナウイルス(COVID-19)が引き起こす心の問題について、専門的な観点からわかりやすく解説していきたいと思います。

今回のテーマは「コロナと発達」。学校の休校も長引く中、コロナによるストレスがお子さんの発達に与える影響を心配されている方も多いのではないでしょうか。気になる発達障害とコロナストレスとの関係や、コロナ禍で意識したい、障害を持つ人々への支援の基本についても触れていきます。

新型コロナウイルス感染症がこどもの発達に与える影響

こどもたちは、困難な状況に直面すると、さまざまな形で無意識の不安を表すと言われています。例えば、お母さんへの甘えが激しくなったり、おねしょや、寝つきの悪さが目立つようになるのもストレスによる反応のひとつです。さらに、怒りっぽくなる、不安を感じやすくなるなど、気分の変化がみられることも報告されています。こうした変化は、非常事態で多くのこどもに見られる正常な反応で、社会全体の状況が落ち着くことで次第におさまっていくものです。

あるいは、社会が落ち着きを取り戻す前に、心身が今の環境に適応することで落ち着いてくるかもしれません。ところが、こどもの変化を、新型コロナウイルスによる自粛や休校の悪影響と捉え、無理に治そうとしたり、過剰に心配しすぎては、かえってストレスになってしまいます。お子さんのサインは「この子なりに、感じるものがあるんだな」と受け止め、落ち着いて接してあげることが大切です。

緊急事態に見られる心の反応については、「コロナと不安」の記事でも触れています。ご参照ください。

コロナのストレスで発達障害が発症するってホント?

ところで、新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、発達障害の相談が増えたという話を耳にするようになりました。「コロナのストレスで発達障害が発症したのではないか?」という質問を受けることもありますが、発達障害は、本来持って生まれた脳の特徴からくるものであるため、コロナの感染拡大といったストレスを期に発症するものではないのが発達障害です。

ではなぜ、コロナ禍で発達の心配が増えているのでしょう?考えられる要因の一つは、ストレスフルな状況下で、もともともっていた特徴が強く表れるようになったことだと思います。発達障害は、「健常」と「異常」がはっきり分けられるものではありません。これまでの安定した環境では、なんとか目立った困り感もなくやってこれた子も、この異常事態では適応が追い付かず、キャパオーバーになってしまっている状況が考えられます。結果、これまでになかった特徴的な言動が目立つようになり、周囲が気づくことが増えたのかもしれません。

また、ボーっとすることが増えたり、反対に集中に欠けるといった変化が目立つようになった人の場合、発達障害ではなく、ストレス性の抑うつの症状である可能性があります。

いずれにしても、今この場所での本人の姿を受け止め、工夫して関わったり、必要に応じて専門的なケアにつないでいくことが周囲に求められます。

コロナと発達障害について心療内科が解説

発達障害をもつ人々に必要な支援とは?

新型コロナウイルスの流行にあたって、障害をもつ人々の抱えるさまざまなハンデは、本人とその介護者・養育者の大きなストレス因となることが言われています。発達障害も同様のことが言えるでしょう。

発達障害の特徴のひとつに、「環境の変化が苦手」「見通しが立たない状況に不安を感じやすい」といったものがあります。そうした人々にとって、一刻一刻と状況が変わる今の社会情勢は大変なストレスと考えられます。コミュニケーションの問題から、政府や家族からのメッセージの受け止めに食い違いが生じ、適切な行動がとりにくいこともあるかもしれません。周囲がわかりやすい言葉で、状況や見通し、求められる行動などを伝えることが大切です。特に、緊急事態宣言の期限や学校再開の予定日などは、今後変わる可能性があることを強調し、急な変更への心の準備ができるよう、配慮してあげることが大切です。

一方で、発達障害があることを理由に、手助けをしすぎることは、社会参加を妨げ、自己肯定感や自尊心の低下につながってしまうことも言われています。大切なのは、障害をもつ人々のニーズを正しく把握し、必要な支援を必要な分だけ行うことです。

また、ケアする側も疲れてしまわないよう、行政や民間の相談機関やサービスなども利用しながら、負担や悩みを抱え込まないことが大切です。

今回は、「コロナと発達」をテーマに、両者の関係性や支援の基本をお伝えしました。

発達障害の有無にかかわらず、正しい知識をもとに、安心できる家庭の雰囲気を作ってあげることがこどもたちの心の安定には大切です。今後は、家庭でできるストレスマネジメントの方法もご紹介していきたいと思いますので、参考にしていただけたら幸いです。

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野村紀夫 監修
医療法人 山陽会 ひだまりこころクリニック 理事長 / 名古屋大学医学部卒業
保有資格 / 精神保健指定医、日本精神神経学会 専門医、日本精神神経学会 指導医、認知症サポート医など
所属学会 / 日本精神神経学会、日本心療内科学会、日本うつ病学会、日本認知症学会など

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