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周産期発症の双極性障害について

2022.12.232022.12.23

妊娠に関連したメンタルヘルス、双極性障害・躁うつ病

周産期発症の双極性障害について

概要

ここでは、双極性障害および関連障害群の「特定用語」について解説します。特定用語とは、その人に特徴的な症状や様態を記述するために用いられるカテゴリーです。診断と併用されることで、個々の事例におけるより詳細な病態の把握が可能になります。今回は、双極性障害および関連障害群における「周産期発症」のケースについて詳細をまとめました。

周産期のメンタルヘルスと双極性障害について解説を行っております

特定用語「周産期発症」について

妊娠中~産後の期間は、神経内分泌学的変化と、心理社会的適応の程度、母乳養育が治療計画に与えうる影響、産後の気分障害の既往がその後の家族計画に及ぼす長期的な意味といった様々な観点からみて、非常に特異な期間です。今回解説する特定用語は、気分障害が、こうした妊娠出産に関連して起こる双極性障害に用いるもので、双極Ⅰ型障害、Ⅱ型障害のいずれの場合であっても適用されます。適用される気分エピソードは現在もしくは直近のもので、躁病、軽躁病、抑うつエピソードのいずれの場合でも適用が可能です。

追跡調査の期間によって概算は異なるものの、3~6%の女性が、妊娠中または産後数週~数か月の間に抑うつエピソードを発症することが分かっており、決してめずらしくないタイプの双極性障害といえるでしょう。また、「産後の」抑うつエピソードの50%は、実際には出産前から始まっていることが分かっています。ゆえに、これらのエピソードはまとめて周産期エピソードと呼称されます。いわゆる “マタニティブルー”と同様、妊娠中の気分および不安症状によって産後の抑うつエピソードの危険を増すことが前方視野的研究において示されています。

マタニティーブルーについて名古屋駅の心療内科が解説を行っています

周産期抑うつエピソードの女性は、しばしば強い不安とパニック発作を伴うこともあります。精神病性の特徴は伴うことも伴わないこともあります。「産後の気分エピソード、精神病性の特徴を伴う」は、500~1000回の出産に1回の頻度で起こりうるとされており、初産婦ではより多くみられる可能性があります。また、精神病性の特徴を伴う産後エピソードの危険は、過去に産後の気分エピソードを経験したことがある女性で特に増大します。産後の期間は、神経内分泌学的変化と、心理社会的適応の程度、母乳養育が治療計画に与えうる影響、産後の気分障害の既往がその後の家族計画に及ぼす長期的な意味といった点で特異な期間です。さらに、過去に抑うつ障害または双極性障害(特にⅠ型)の経験がある人や、双極性障害軍の家族歴がある人でも増大することが分かっています。

臨床的特徴

「周産期発症」の特定に必要な条件は以下の通りです。

  • 双極Ⅰ型障害または双極Ⅱ型障害の診断基準を満たすこと
  • 気分症状が妊娠中または出産後4週間以内に始まっていること

双極Ⅰ型障害およびⅡ型障害の診断基準については既出のため割愛します。

周産期発症とは「補足」

対象となる気分症状は、現時点のものであっても、直近のものであっても、妊娠中または出産後4週間以内に始まっていれば「周産期発症」として特定可能です。

特定において注意すべきは、産後の気分エピソードと産後の期間に起こるせん妄との区別です。産後の気分エピソード(特に精神病の症状を伴う場合)と、産後の期間におけるせん妄とは、意識や注意の水準の変動によって比較的容易に区別することができます。

今回は、双極性障害および関連症候群の「周産期発症」状態について解説しました。

参考文献:

日本精神神経学会 日本語版用語監修,高橋三郎,大野裕 監訳(2014)『DSM5 精神疾患の診断・統計マニュアル』医学書院

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