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心理・環境的負荷が与えるパニック障害とは
2021.04.052022.06.08
パニック障害
パニック障害は”予期せず・突然”パニック発作が起きることが診断基準ではあるが・・・
パニック障害は、予期せず突然、パニック発作が起きてしまう事が特徴である疾患です。
呼吸や息のしづらさ、動悸や胸部の違和感など、急激に増悪する症状は、死をも予感させるほど強烈で我を忘れてしまったり、その場にたたまれない程であったり、周囲への配慮や集中が解かれてしまう程の症状でもあり、これはパニック発作とも呼ばれています。
特に、パニック障害ではこれらの発作を、予期せず・突然発症するという事が診断では重要であるとされており、もし発作が誘発されるような、高所や閉所・広場やヘビ等の誘発等がありましたら、それでもパニック障害を完全に否定することにはなりませんが、その他の精神疾患の併存も考慮に入れて判断をする必要があります。
ここでは、パニック障害の発症の心理面について解説を行っています。
パニック障害の発症時、実は心理面・環境面での負荷が存在していることも多い
パニック障害は、予期せず・突然という経緯でのパニック発作の存在が大切です。しかし、パニック障害と診断された人々の多くは、それ以前から何らかの心理的負荷やストレスが起きていることも多いのが特徴です。
つまりは、パニック発作の発症時前後には大きなきっかけはなかったかもしれませんが、パニック発作が起きる時期の前に何らかの精神的な負担や負荷がのしかかっていた可能性は高いという事になります。
もちろん、パニック障害を診断された全員が、その心理的負担が明確になっているわけではなく、一部の方ははっきりしないし、特に経緯もないという方も珍しくはありません。
パニック障害の発症前の心理的負荷とはどのようなものが多いのか
文献的には、大切な人との死別や、喪失のストレスが背景としてあったり、その他に苦痛やストレスがかかった状態が起きていることも多いとされています。特に怒りやイライラに対する耐性が低い事や、業務や責任の増大、重要な人物との離別や、陥れられているという慢性的な感情など様々です。
【パニック障害】実際の受診の傾向として、
・会社内での部署の変更に伴う業務量の負荷
・人事の影響による、業務量やストレスの増加
・昇進に伴うストレスやプレッシャーの増加
・人間関係の不調や、人間関係の調整への労力の増加
・上手くいかない、苦しくてどうしようもない状況の継続(職場や家庭や人間関係など)
・懸念材料に対して、不可抗力であると思い知らされる状況の継続
など、のエピソードが背景にある方が多い印象を受けます。
特にこれらの背景の傾向としては、今までは弱い不安として処理できていたものが、次第に本人の重大関心事・懸念事への閾値が下がって不安が大きく膨らんでしまっていることも大きな特徴です。
パニック障害で、周囲のストレスや負荷が大きくなっただけではなく、ご自身の中での不安関心事への閾値が下がって不安が高まったことが重なっている場合には、パニック障害の治療面では薬物療法だけではなく、これらの背景や認知面にも焦点を当てた精神療法も有効となるのです。
もしパニック障害かもパニック発作かもと悩まれている方は、我慢しすぎず心療内科や精神科・メンタルクリニックなどの医療機関へご相談ください。
野村紀夫 監修
医療法人 山陽会 ひだまりこころクリニック 理事長 / 名古屋大学医学部卒業
保有資格 / 精神保健指定医、日本精神神経学会 専門医、日本精神神経学会 指導医、認知症サポート医など
所属学会 / 日本精神神経学会、日本心療内科学会、日本うつ病学会、日本認知症学会など
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