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気分変調症でも人と上手くやっていくには?ロールレタリングで相手の気持ちを考える
2021.05.092022.06.08
気分変調症・持続性抑うつ障害
うつ病と比べるとマイルドとはいえ、気分がずっと落ち込んだ状態の気分変調症。性格の問題や甘えなどと誤解されやすいですが、気分変調症も精神疾患に含まれるものですので、生活していく上でしんどい思いを抱えることになります。
この記事では、気分変調症を患っていても無理なくコミュニケーションをやっていくための心理的技法のひとつとして、ロールレタリングについてお話しします。
気分変調症とは?
一言で言えば、うつ病ほどは大きくはないけど、気分の落ち込みがずっと続いた状態が気分変調症です。気分の落ち込みが2年間ほど続いた場合、気分変調症の診断が付きます。
「気分変調症」という言葉を聞いたことがない人も多いかもしれませんが、気分変調症も精神疾患のひとつです。しかし、うつ病と違って日常生活を送ることができないといったどうしようもない気分の落ち込むではありません。そのため、周りの人からは暗い性格だとか、甘えているだけだとか誤解されやすいです。本人でさえも自分の性格の問題だと考えている人が多いです。そのため、病院に受診ということをすぐには思い当たらず、うつ病や不安障害、パニック障害など他の病気を併発してしまうことも少なくありません。
ロールレタリングでコミュニケーションのすれ違いを減らす
気分変調症の治療では薬物療法だけではなく、物事の考え方を変える方法も効果があると言われています。そこでこの記事では、相手の考え方に気づくことでコミュニケーションのすれ違いを減らすロールレタリングをご紹介します。
ロールレタリングの方法
ロールレタリングでは、自分と「自分とトラブルを起こした相手」との間での手紙のやり取りをします。「自分とトラブルを起こした相手」といっても、本当にその当事者と手紙のやり取りをするわけではありません。自分が「トラブルを起こした相手」になりきって、手紙を書くのです。そうすることで相手が何を考えていたのか、どうしてすれ違いが起きたのかを察することができます。
例えば、上司から失敗を非常に怒られたことで落ち込んだ例を考えてみましょう。
(往信)上司宛てに、手紙を書く
仕事で失敗してしまってすまなく思っていることや、ただ上司に叱られたことが非常につらく、夜もなかなか眠れないなどを手紙に書き、封筒に入れる。
(返信)上司になりきって、往信を読んで返事を書く
怒ったことをそこまで気にしているとは気づかなかった。かつて自分も仕事でミスをしたときには非常に叱られたものだったけど、自分のときと今とでは考え方が違うのかもしれない。仕事でのミスは大きな損害につながるものだから気を付けないといけないものだが、今後は失敗の指摘の仕方をもう少し考えてみるなどと手紙に書き、封筒に入れる。
その繰り返し。
ロールレタリングのポイント
ポイントは以下の2つです。
①「手を使って」手紙を書く
LINEやメールを使うことが当たり前の現在では、文字にして手紙を書くということをする人はほとんどいないでしょう。しかし、文字にして手紙を書くことには意味があります。まず、手を使って文字にすることで脳をしっかり働かせることができます。また、文字にすることで自分の考えや感情を目で確認することができます。そのため、自分の考えや感情を少し離れた立場から見ることができるようになり、しっかり考えることが可能になるのです。
②相手になりきって手紙を書く
人はどうしても自分の考え方の枠組みのなかでしか、物事を考えることができません。しかし、相手になりきってみることで、相手の気持ちに気づくことができたり、相手の捉え方を変えることができるのです。なお、クレームを言ってくる知らない客のように、相手の気持ちを想像できない場合もあると思います。こういった場合では、手紙を書く相手は「これまでの自分の人生で自分を温かく支えてくれた人」にしても大丈夫です。自分の考えの枠組みから離れることが大切です。
ロールレタリングの注意点
相手からの視点になりきるロールレタリングでは、時として自分の知りたくなかった一面を知ってしまうこともあると思います。このことは自分の成長という意味では望ましいです。しかし、欠点を非常に気にしやすい人の場合は、自分への批判感情が強まってしまいます。そういった人の場合、ロールレタリングはあまり向いていないでしょう。
まとめ
この記事では気分の落ち込みを改善する方法として、ロールレタリングをご紹介しました。しかし気分変調症も精神疾患のため、セルフケアには限界があります。また、セルフケアで応急処置をしているうちに、無理をしてうつ病やパニック障害などを併発してしまっては本末転倒です。「もしかしたら自分は気分変調症かも…」と思われたら、心療内科・メンタルクリニック・精神科に受診してみることをおすすめします。
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