注意欠如・多動症(ADHD,注意欠陥多動症)とは?特徴・原因・治療・支援についての詳しい解説について名古屋ひだまりこころクリニック名駅エスカ院が心療内科ブログで紹介

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注意欠如・多動症(ADHD、注意欠陥多動症)とは?特徴・原因・治療・支援についての詳しい解説

2025.09.222025.09.22

大人の発達障害・ADHD

注意欠如・多動症(ADHD)とは?

特徴・原因・治療・支援についての詳しい解説

注意欠如・多動症(ADHD: Attention-Deficit/Hyperactivity Disorder、注意欠陥多動症とも呼ばれる)は、発達障害の一つであり、「不注意」と「多動性・衝動性」という特徴を中心に表れる神経発達症のひとつです。かつては「子ども特有の問題」とみなされることが多かったのですが、現在では大人になっても症状が続くケースがあることが広く知られるようになり、学業、仕事、家庭生活に影響を及ぼす可能性がある疾患として注目されています。

「落ち着きがない」「約束を守れない」「物をよくなくす」といった日常的な困りごとは、本人の性格や努力不足と誤解されやすいものです。しかし、ADHDは脳の特性に基づくものであり、意思の弱さや育て方だけで説明できるものではありません。

本記事では、ADHDの特徴や原因、診断の考え方、治療法や支援体制、そして大人におけるADHDの課題までを、できるだけわかりやすく解説していきます。

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ADHDの特徴と診断の視点

ADHDの中核となる特徴は大きく分けて 「不注意」 と 「多動性・衝動性」 の二つです。症状の現れ方には個人差があり、不注意が目立つ人もいれば、多動や衝動の方が強く出る人もいます。両方の特徴をあわせ持つタイプも少なくありません。

不注意の特徴

  • 細かい作業でのミスが多い
  • 課題や活動に集中し続けることが難しい
  • 忘れ物や物の紛失が頻繁に起こる
  • 計画立てや時間管理が苦手で、締め切りを守れないことがある
  • 他人の話を聞いていないように見える

これらは「怠けている」「真剣さが足りない」と誤解されがちですが、本人の意欲や努力とは無関係に起きている神経発達上の特性です。

多動性・衝動性の特徴

  • 授業中や会議中にじっと座っていることが苦手
  • 落ち着きなく手足を動かす
  • 話が長くなると途中で割り込んでしまう
  • 順番を待つのが苦手
  • 思いついた行動を衝動的に実行してしまう

衝動性が強い場合、後先を考えずに行動するために、事故やトラブルに巻き込まれやすい点にも注意が必要です。

診断上の重要な視点

診断にあたっては、症状が 複数の場面(家庭と学校/仕事など)で継続していること が必要です。たとえば家庭では問題が目立たないが学校では顕著に困難が表れる、といった場合もあります。また、年齢や発達段階に照らして行動が過剰かどうかを判断することも重要です。

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ADHDの原因についての考え方

ADHDの正確な原因は未解明ですが、研究によって次のような要因が関係していると考えられています。

  1. 遺伝的要因
    ADHDは遺伝的な影響が強いことが知られています。家族にADHDを持つ人がいる場合、同様の特徴を示す可能性が高くなると報告されています。
  2. 脳の働きの特徴
    前頭前野や神経伝達物質(ドーパミンやノルアドレナリン)の働きの違いが、不注意や衝動性の背景にあるとされています。
  3. 環境的要因
    出生前後の環境、早産や低出生体重、胎児期の影響などが関連すると考えられることもあります。ただし、育て方やしつけの問題が直接の原因となるわけではありません。

重要なのは、ADHDは「本人の努力不足」ではなく「脳の特性によるもの」であると理解することです。

子どもにおけるADHDの現れ方

幼少期には「活発」「集中が続かない」といった行動は誰にでも見られるため、ADHDの症状と区別が難しいことがあります。しかし、次のような特徴が強く長期に続く場合、ADHDの可能性が高まります。

  • 忘れ物や落ち着きのなさが日常生活に繰り返し影響する
  • 学校での学習や集団生活に支障をきたす
  • 家族や友人との関係がうまくいかないことが多い

早期に気づくことで、支援や環境調整を整えることが可能となり、子どもの自己肯定感や学習意欲の低下を防ぐことにつながります。

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ADHDの治療と支援の方法

ADHDに対するアプローチは、薬物療法 と 心理社会的支援 を組み合わせるのが一般的です。

薬物療法

中枢神経刺激薬や非刺激薬といった薬が使用され、集中力を高めたり衝動を抑える効果が期待されます。ただし、あくまで症状をコントロールする手段であり、根本的に治癒させる薬ではありません。副作用や効果の個人差があるため、必ず専門医の管理のもとで行う必要があります。

心理社会的支援

  • 行動療法・認知行動療法(CBT)
    問題行動を具体的に改善していくアプローチ。
  • ペアレントトレーニング
    保護者がADHDを理解し、子どもへの対応を学ぶプログラム。
  • 学校での支援
    課題を小分けにする、席の配置を工夫する、サポートツールを利用するなど環境調整が重要。

周囲の理解と協力

家庭や学校、職場がADHDの特性を理解し、柔軟にサポートできるかどうかが、本人の生活の質を大きく左右します。

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大人のADHD

かつては「大人になれば自然に治る」と考えられていましたが、現在では 成人しても半数以上に症状が続く ことが明らかになっています。

大人のADHDで見られる特徴

  • 仕事を整理して最後までやり遂げられない
  • 期限や約束を守れず信頼を失う
  • 衝動的に大きな決断をしてしまう
  • 注意散漫で会議や作業に集中できない
  • 人間関係のトラブルが多い

その結果、失敗体験が積み重なり、自信をなくしてうつ病や不安障害を併発する人も少なくありません。

大人の支援と対処

  • 薬物療法 によって集中力や衝動性の改善を図る
  • 生活上の工夫(予定を可視化する、物を決まった場所に置くなど)
  • 心理療法やコーチング によって自己理解を深める
  • 職場の合理的配慮(仕事内容の調整やサポートツールの使用など)

ADHDと共に生きるために

ADHDは一生を通じて影響を及ぼすこともありますが、適切な治療とサポートを受けることで、困難を軽減し、自分らしい生活を送ることが可能です。

特性を理解し、苦手を補う工夫をしながら、強みを活かせる環境を整えることが大切です。クリエイティブな発想力やエネルギッシュな行動力といったADHDのポジティブな側面に目を向けることも、本人の自信や成長につながります。

まとめ

  • ADHDは「不注意」「多動性・衝動性」を特徴とする発達障害
  • 原因は遺伝や脳の働きの特徴が関与しており、努力不足ではない
  • 治療は薬物療法と心理社会的支援を組み合わせる
  • 大人になっても症状が続くことが多く、職場や家庭で困難が生じる
  • 適切な理解と環境調整が、生活の質を大きく向上させる

「もしかしてADHDかもしれない」と感じるときは、自己判断で悩み続けず、専門医に相談することが第一歩です。当クリニックでは、診断・治療・生活支援を通じて、一人ひとりに合ったサポートを提供しています。どうぞお気軽にご相談ください。

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野村紀夫 監修
医療法人 山陽会 ひだまりこころクリニック 理事長 / 名古屋大学医学部卒業
保有資格 / 精神保健指定医、日本精神神経学会 専門医、日本精神神経学会 指導医、認知症サポート医など
所属学会 / 日本精神神経学会、日本心療内科学会、日本うつ病学会、日本認知症学会など

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