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職場でうつ病を伝えるべきかどうか

2025.09.082025.09.08

抑うつ、うつ病

職場でうつ病を伝えるべきかどうか

うつ病という言葉は広く知られるようになりましたが、社会の中には依然として偏見や誤解が残っているのも事実です。そのため、自分がうつ病を経験していることを職場や面接の場で伝えることに抵抗を感じるのは自然なことです。病気を隠すことにも一定の利点はありますが、一方で状況に応じて信頼できる相手に伝えることには大きな意味があります。

この記事では、「職場でうつ病を公表するべきか」「採用面接でどのように対応すべきか」というテーマについて考えていきます。

職場の同僚や上司に伝えることの意味

「うつ病を知られてしまうと不利になるのではないか」と不安に感じる方は少なくありません。確かに、伝えることに伴うリスクを懸念するのは自然です。しかし、公表には利点も存在します。

例えば、定期的な通院や体調の変動に合わせて休暇を取りやすくなったり、業務量を調整してもらいやすくなる可能性があります。また、身近に自分の状況を理解してくれている人がいるという安心感は、孤立感を和らげ、精神的な支えにもつながります。

もちろん、すべての同僚に病名を公表する必要はありません。むしろ、信頼できる上司や理解のある同僚など、限られた人に伝えるだけでも、安心して働ける環境を整える助けになります。

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会社組織として知ってもらうことの意義

職場の個人に伝えるだけでなく、会社という組織に対して病歴を開示する場面もあります。代表的なのが健康診断の際に記入する既往歴の欄です。

ここに記載すべきか迷う方も多いですが、健康状態を正しく理解してもらうための重要なツールと考えることができます。通院や症状に応じた配慮を希望するのであれば、病歴を記載したほうが適切です。一方、業務にほとんど影響せず、休暇も通常の範囲で足りる場合には、必ずしも記載が必要とは限りません。ただし、健康や勤務に関係する部分があるなら、正しく伝えておく方が安心です。

これは、企業には「安全配慮義務」と呼ばれる責任があるためです。従業員が安心して働けるよう環境を整えるのは雇用側の義務であり、そのためには本人からの正しい情報提供も欠かせません。特別な配慮を求める場合はもちろんですが、仮に大きな配慮が必要でなかったとしても、病歴を知ってもらっているだけで誤解やトラブルを防げるケースもあります。

採用面接における公表の判断

採用面接の場でうつ病を公表すべきかどうかは、多くの方が悩むところです。病歴を伝えたことで不利になるのではと心配される方もいます。

しかし、採用する側が重視しているのは病名そのものではなく、その人がどのように働けるのか、能力や適性、人柄などです。もし体調面で心配がある場合には、単に「病気です」と伝えるのではなく、「こういった工夫や配慮があれば業務を遂行できます」といった具体的な説明を添えると、採用側も安心して受け止めやすくなります。

一方で、公表しなかったことが後に問題となる場合もあります。たとえば、抗うつ薬の副作用で強い眠気が生じるにもかかわらず、バスや電車の運転業務に応募していた場合、雇用側が「重大な事実を隠していた」と判断する可能性があります。こうした場合には、最悪懲戒処分の対象となることもあり得ます。したがって、業務内容と自分の体調や治療の影響をあらかじめ照らし合わせておくことが重要です。

公表の判断をサポートする相談先

自分一人で「公表するべきかどうか」を判断するのは簡単ではありません。迷ったときには、まず主治医に相談することが基本です。医師は病状や薬の影響を踏まえて、どの程度職場に伝えるべきか助言してくれます。

また、転職活動中であれば、ハローワークや就労支援機関といった公的なサービスを利用するのも有効です。すでに働いている方であれば、信頼できる上司や人事担当者に相談することで、適切な配慮を得られる場合があります。こうした相談の積み重ねが、自分を守る大切なステップとなります。

まとめ

うつ病を職場や面接で公表するかどうかは、一律に「必ずすべき」「必ず隠すべき」と言えるものではありません。重要なのは、自分の体調や仕事内容にどのような影響があるかを見極め、そのうえで適切に伝えるかどうかを判断することです。

正直に病名を伝えることで得られる安心や配慮は大きいですが、伝え方や範囲を工夫することも大切です。そして、自分だけで判断できないときは、医師や支援機関、あるいは職場の信頼できる人へ相談することが、自分を守りながら働き続けるための最良の方法になると思います。

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野村紀夫 監修
医療法人 山陽会 ひだまりこころクリニック 理事長 / 名古屋大学医学部卒業
保有資格 / 精神保健指定医、日本精神神経学会 専門医、日本精神神経学会 指導医、認知症サポート医など
所属学会 / 日本精神神経学会、日本心療内科学会、日本うつ病学会、日本認知症学会など

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