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夢を見る脳と心の関係「夢が示す無意識のサインとは?」

2025.05.122025.05.12

レム睡眠・ノンレム睡眠、不安障害・不安症、うつ病

夢を見る脳と心の関係「夢が示す無意識のサインとは?」

朝目が覚めたとき、「変な夢を見た」「なんだか疲れが残っている」そんな感覚を覚えたことはないでしょうか。あるいは、何度も同じ夢を繰り返し見ることに不安を感じた経験がある方もいるかもしれません。

夢は、古くから人の関心を引いてきた現象です。かつては神秘的なものと考えられたり、心理学の世界では“無意識のあらわれ”と解釈されたりしてきました。現代の精神医学や脳科学の観点からも、夢は単なる「映像」ではなく、私たちの心と脳の状態を反映する重要な手がかりとされています。

本記事では、「なぜ人は夢を見るのか?」「夢の内容にはどんな意味があるのか?」「精神疾患との関係は?」といった点について、専門的な知見をもとに整理していきます。

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レム睡眠と夢の関係

まず、夢を見るのは主に「レム睡眠」と呼ばれる睡眠の段階です。睡眠には「ノンレム睡眠(深い眠り)」と「レム睡眠(浅い眠り)」が交互に現れます。レム睡眠時は体は休んでいるにも関わらず、脳波の活動が覚醒に近く、眼球が急速に動いていることからこの名前が付けられました。

この時期、脳は日中の出来事を整理し、記憶を統合する働きをしています。夢は、そうした情報処理の「副産物」とも言われています。つまり、脳が活動しているが身体は動けない…そのような独特な状態の中で、感情や記憶が映像的に再構成されるのです。

「夢に意味はあるのか?」

この問いに対しては、精神医学と心理学で少し立場が分かれます。

古典的な精神分析の立場、特にフロイトは「夢は抑圧された欲望の象徴である」と述べました。これに対し、現代の神経科学や睡眠研究では、「夢に象徴的な意味があるかは別として、感情を整理する生理的機能を果たしている」と考えられています。

実際に、ストレスが強い時期やトラウマ体験後に悪夢が増えることは多くの研究で示されています。これは脳が情動処理をしきれておらず、睡眠中もその負荷が持ち越されている状態と理解できます。

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よく見る夢の背景には「心の偏り」がある

  • 「歯が抜ける夢」
  • 「試験に遅れる夢」
  • 「誰かに追われる夢」

など、共通のテーマをもつ夢が多くの人に見られることがあります。

これらの夢は、しばしば不安・緊張・自己評価の揺らぎといった心理状態を背景に持っていることが多いです。たとえば、追われる夢は「現実で逃げたい状況」や「対人ストレス」があるときに出現しやすいことが知られています。

こうした夢を見たとき、「自分は何に不安を感じているのか」と振り返ることは、自己理解を深めるヒントになるかもしれません。ただし、夢そのものに強い意味づけをしすぎることは逆効果になる場合もあります。

精神疾患と夢:悪夢は“症状”の一部?

夢の質や頻度が変化することは、精神疾患の一つのサインとなることがあります。

たとえば、PTSD(心的外傷後ストレス障害)では、トラウマ体験がそのまま夢の中で再現される「再体験」が典型的です。これにより、睡眠が極端に妨げられ、日常生活にも大きな影響が及びます。

また、うつ病不安障害でも、悪夢が増えることがあり、睡眠の質が低下する原因となります。脳の情動制御がうまく働かず、夜間にその処理が持ち越されることが影響しています。

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夢を使った心理療法も存在する

一部の心理療法では、夢の内容を扱うことがあります。たとえば、ユング派心理学では、夢を「無意識の自己調整機能」として尊重し、象徴的な意味を対話の中で紐解いていきます。

また、PTSDの治療では「イメージリハーサル療法(IRT)」という方法もあります。これは、悪夢の内容を患者自身が「より望ましい展開」に書き換え、それを繰り返しイメージトレーニングすることで、実際の夢の質を改善するというアプローチです。

睡眠と心の健康は密接につながっている

精神科外来では、「よく眠れていますか?」「夢の内容に疲れていませんか?」という質問が投げかけられることがあります。これは、睡眠と夢の状態が心の健康状態を間接的に反映するからです。

たとえば、ある種の抗うつ薬はレム睡眠を抑制する作用を持ち、結果として夢の頻度や内容が変わることがあります。逆に、薬を中止したタイミングで夢が急に増えることもあり、こうした変化も診療上の参考になります。

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“心の定期点検”と夢の関係について

夢そのものを診断材料にすることは少ないものの、夢の変化や悪夢の頻度は、心の疲れや過剰なストレスを示唆するサインと捉えることができます。

「最近よく悪夢を見るな」「夢の内容がつらい」「睡眠が浅くて疲れが取れない」こういった感覚が続く場合は、心療内科や精神科で相談してみるのも一つの選択肢です。

夢は、単なる「夜の映像体験」ではなく、私たちの脳と心が交差する領域にあります。無理に意味を探す必要はありませんが、無視してよいものでもありません。睡眠と夢の質を通して、自分自身の状態をやさしく点検してみることも、ときには大切な心のメンテナンスになるかもしれません。

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野村紀夫 監修
医療法人 山陽会 ひだまりこころクリニック 理事長 / 名古屋大学医学部卒業
保有資格 / 精神保健指定医、日本精神神経学会 専門医、日本精神神経学会 指導医、認知症サポート医など
所属学会 / 日本精神神経学会、日本心療内科学会、日本うつ病学会、日本認知症学会など

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