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うつ病の回復が遅れる原因と治りにくさ、すぐに治る人との違い
2025.03.292025.03.30
非定型うつ病、うつ病
うつ病の回復が遅れる原因と治りにくさ、すぐに治る人との違い
うつ病は、心の健康に大きな影響を与える精神的な疾患で、気分の落ち込み、無力感、倦怠感などが長期間続きます。日本におけるうつ病の患者数は、年々増加しており、社会的にも大きな問題となっています(厚生労働省、2022年)。うつ病は、治療を適切に行うことで回復可能な疾患ですが、治療が遅れると慢性化し、再発のリスクが高まります。
うつ病の治療期間と経過
うつ病の治療期間は、症状の重さや治療に対する反応によって異なります。軽度のうつ病であれば、数ヶ月で回復することもありますが、重度のうつ病の場合は、1年以上の治療が必要となることもあります。
但し、うつ病が良くなったかもしれないと感じた時、またうつ治療が終わった後も、予防的な治療を続けることが勧められます。特に再発を防ぐために、生活習慣の見直しや、医師による定期的なフォローアップが重要です。
うつ病の治療は、薬物療法、精神療法、生活習慣の改善を組み合わせたアプローチで行われます。しかし、治療の経過や期間は、個人差が大きいため、患者一人ひとりの状態に合わせた治療が重要です。
うつ病が治りにくい原因1【他人に頼ることの苦手さや抵抗感】
うつになりやすい性格と、精神的な抵抗感とは
うつ病になりやすい人には、いくつか共通した性格の特徴があります。たとえば、「真面目すぎる」「完璧を求める」「自分に厳しくなりすぎる」「何事にも熱心に取り組みすぎる」「他人への気配りが過剰」などの傾向があります。
こうした性格を持つ人は、他人に頼ることが苦手で、すべてを自分で背負い込んでしまうことが多いです。うつ病治療においても同様で、病院や治療、更にや薬物に頼ることに抵抗を感じやすいという面もあります。
また、うつ病の治療が進まない原因のもう一つに、患者自身が病気ということをなかなか受け入れられないことがあります。「自分はうつ病ではない」と認めたくない、あるいは薬物療法に対する不安が、治療を妨げてしまうことがあるのです。
適切な治療が早期の回復にも繋がります
抵抗感や医療に頼ることへの苦手さから、不調や疾患から回復するために大切な治療期間も、体調が完全でない段階で無理しすぎて頑張ろうとしてしまったり、治療を中断してしまうことも少なくありません。
適切な治療を早期に受けることが回復を早めるため、精神的な抵抗を少しづつ乗り越えたり、いま自分が大切に取り組むべきケアについて見つめなおしてみることも大切です。
うつ病が治りにくい原因2【自己中断、早期減量など、不適切な治療法】
うつ病には一人ひとりの患者に適した治療方法を選ぶことが重要でありますが、初発うつ病の方の場合、多くはおおよそ半年から1年前後でうつ病症状が落ち着くことがほとんどです。
ですが、途中で自己中断や早期減量などの、病状にそぐわない不適切なうつ治療の経過となってしまうと、うつ症状の遷延化や、再発化などの治りにくいきっかけになってしまいます。
自己中断しやすい、ポイント≪反応≫とは
うつ病治療の特徴でもありますが、薬物療法や自宅療養を始めて2~4週間頃から、【薬が効いてきたな】【疲れがとれて以前より体が軽くなったな】と自覚が出てくる時期があります。
この症状への気づきを≪反応≫と呼びますが、このタイミングで、お薬を自己中断してしまったり、自己減量してしまう方が実は少なくありません。
症状が少しづつ良くなっていることは決して悪いことではありませんが、あくまでも療養やお薬による作用で部分的に症状が緩和されているだけにすぎず、脳のホルモンバランスやストレスに対する脳の機能の回復にまで至っているとは言えません。
結果として、うつ病治療においてとても重要なこのタイミングで治療が不十分になってしまうことで、うつ病状の不安定さやうつの再発化を招いてしまうのです。
≪維持療法≫の大切さとは
この≪維持療法≫の時期には仕事を始めていたり、復職を遂げて社会生活を継続している人も少なくありません。
そして維持療法には、良い状態の継続と安定化、長期的な回復の促進と、再発の予防に繋がります。病状によっては増量しないまでも、良くなったと感じる薬物量での治療維持が早期に回復する上でも、とても大切になります。
うつ病は再発しやすい特徴がありますが、維持療法をちゃんと続けることで再発率を大幅に低く抑えることができます。研究においても、抗うつ薬を使った維持療法を続けることで、再発のリスクを約50%以上減らすことができるという報告があります。Cohen, L. S., et al. (2006).
そして維持療法を継続しつつ、時期をみて病状に応じて、ゆっくりと慎重に薬の減量を行っていきます。減量期間やその後のフォロー期間を含めると初回のうつ病治療から期間は、おおよそ約1年半から2年前後かかるとされており、うつ病の治療期間や予防とフォローの為の治療期間としても推奨されています。
うつ病が治りにくい原因3【環境や生活習慣】
仕事や家庭でのストレスが長期間続くと、うつ病が慢性化しやすくなります。また、不規則な食事、睡眠不足、運動不足といった生活習慣が回復を遅らせる要因となります。これらの環境や生活の見直しや解決をしない限り、治療の効果を最大化することは難しいことがあります。
すぐ治る人と治りにくい人との違いとは
(1) 治療への理解と、再発や遷延化を誘発しないための取り組み
回復が早い人は、治療に積極的に取り組み、必要な治療法を素直に受け入れる姿勢を持っていることがあります。うつ治療が順調であるほど、遷延化させない、再発化させないことがうつ病治療ではとても大切です。薬物療法や生活面への見直しをきちんと実行し、薬の減量も含めて医師との連携を大切にすることが、回復を早める大きな要因となります。
(2) 健康的な生活習慣
回復が早い人は、健康的な生活習慣を意識したり、ストレスに対する見直しや解消法を上手く利用している方が多いです。規則正しい睡眠、バランスの取れた食事、適度な運動などがうつ病の回復を助けます。特に運動は、ストレスを軽減し、うつ病の症状を軽くする効果があるとされています(Harvard Medical School, 2019)。
またリラックス法やストレッチ法など、ストレスと上手く付き合うための対処法をいくつも取り組んでいる方もいらっしゃいます。
▶「うつのときに試してみたいこと|意外な回復のヒント」についての記事も紹介しています
(3) 早期発見と治療
うつ病が早期に発見され、すぐに治療が開始されると、回復までの期間が短くなる傾向があります。また同様に、うつ治療経過中にも病状変化や悪化に早く気が付いて対処する事にも同様に早期回復に繋がりやすいです。
つまり、症状が軽いうちに治療を始めること・症状の悪化や変化に早めに気が付くことが、回復を早めるカギとなります。
結論
うつ病の治療は、薬物療法、精神療法、生活習慣の改善を組み合わせた多角的なアプローチが求められます。適切な治療を経ていると、初発のうつ病ではうつ症状は1年前後で落ちつく人が多く、その後のフォロー維持期間も含めると初回治療からは個人差がありますが、一般的には1年以上から2年程度かかることが多いです。
再発させないためにも、治療後の予防的なアプローチは特に重要であり、継続的なフォローアップや生活習慣の改善が必要です。そして、今回紹介しました経過につきましては、あくまでもうつ病初発の方の場合であり、再発や遷延化してしまうと、薬物や治療への反応が少しづつ低下して、より年単位での長期的な治療が必要になってしまう傾向があるとされています。
うつ病の治療には適切な治療と病気への理解が大切です。そして再発を防ぐためにも、早期発見と早期治療が重要で、再発の兆候を見逃さず、適切な対処をすることで、うつ病を克服する可能性は高まるのです。
参考文献
- 厚生労働省(2022年)「うつ病患者の現状」
- Harvard Medical School(2019年)「Exercise for Depression」
- 日本精神神経学会(2020年)「精神障害における社会的支援の重要性」
- 日本認知療法学会(2021年)「認知行動療法の有効性」
- 日本うつ病学会(2022年)「職場でのメンタルヘルス対策」
▶うつ病に関する記載はこちら
野村紀夫 監修
医療法人 山陽会 ひだまりこころクリニック 理事長 / 名古屋大学医学部卒業
保有資格 / 精神保健指定医、日本精神神経学会 専門医、日本精神神経学会 指導医、認知症サポート医など
所属学会 / 日本精神神経学会、日本心療内科学会、日本うつ病学会、日本認知症学会など
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