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“寝る前に1人反省会”してしまう人へ|その思考のクセを心療内科の視点でやさしく解説
2025.04.252025.04.26
ぐるぐる思考、抑うつ、うつ病、不眠症・睡眠障害
寝る前のぐるぐる思考・反省会について
寝る前に、今日の出来事を振り返って、「あれはこうすればよかった」「どうしてあんなことをしてしまったんだろう」など、反省や自己批判を繰り返してしまうことはありませんか?特に眠りに就く前にそのような思考に陥ると、気持ちが落ち着かず、睡眠にも影響を及ぼしてしまいます。これが習慣になっていると、寝る前に「1人反省会」を開くことが日常となり、心身にストレスを与える原因になることがあります。
今回は、寝る前に反省会をしてしまう思考のクセがどうして起こるのか、心療内科的な視点でそのメカニズムをやさしく解説し、心地よい睡眠を取り戻すためのアプローチについて考えてみます。
寝る前の反省会、その心理的背景とは?
寝る前に思考が活発になり、1人反省会をしてしまうことには、いくつかの心理的な背景があります。ここでは、その代表的な要因を見ていきましょう。
(1) 完璧主義的傾向
完璧主義が強い人は、日中の出来事に対して過剰に自己批判的になりやすいです。寝る前にその日の行動を振り返り、少しでもミスがあったり、思うようにいかなかったことに焦点を当ててしまいます。「完璧でなければならない」というプレッシャーが、寝る前の反省会を引き起こす原因となります。
(2) 過去の失敗や後悔の積み重ね
過去に起こった失敗や後悔が心の中で消化されずに残っていると、夜にその思いが蘇ってきやすくなります。反省や自己批判は、心の中で過去の出来事を繰り返し再生するようなものです。これが習慣化すると、寝る前に必ずその思考に囚われるようになります。
(3) ストレスや不安感
ストレスや不安を抱えていると、その日の出来事に対する反応が過剰になりがちです。特に、日中に感じた小さな不安やストレスが寝る前に増幅されて、反省会が始まることがあります。反省することで不安やストレスが少しでも解消されると思い込んでいることが、この行動を続けさせる要因となります。
反省会がもたらす悪影響とは?
反省会が寝る前に習慣となることで、次第に心身に悪影響が出ることがあります。その主な影響を見ていきましょう。
(1) 睡眠の質の低下
寝る前に反省会をしていると、思考が活発になり、心が落ち着かなくなります。心身がリラックスする時間が少なくなると、入眠が遅れたり、深い眠りに入れないことがあります。これが続くと、睡眠の質が低下し、翌日の疲れが取れにくくなる原因となります。
(2) 自己評価の低下
自己批判が強くなると、自己評価が低くなり、自信を失うことがあります。寝る前に反省している内容が過剰に自分を責めるものであると、「自分はダメだ」という思い込みが強化され、自己肯定感がさらに下がってしまいます。これが積み重なると、うつ病や不安障害など、精神的な不調の原因になりかねません。
(3) ストレスの増加
反省会をすることで、日中の出来事が頭の中で繰り返され、ストレスが増すことがあります。特に、解決策が見つからない問題に対して反省していると、無限ループに陥り、ストレスが解消されるどころか、逆に増加してしまいます。
心療内科的なアプローチ:反省会をやめるためにできること
寝る前の反省会をやめるためには、まずその思考パターンに気づき、少しずつ改善していくことが重要です。心療内科的なアプローチでは、次のような方法が有効です。
(1) “完璧でなくてもよい”という認識を持つ
完璧主義的な傾向が強い場合、まずは「完璧である必要はない」と自分に言い聞かせることが大切です。どんなに完璧を目指しても、完璧な人間は存在しません。自分ができる範囲でベストを尽くし、それで良いという自信を持つことが、反省会を減らすための第一歩です。
(2) 寝る前のリラックス時間を設ける
寝る前に反省会をしないためには、リラックスする時間を意識的に設けることが重要です。例えば、軽いストレッチや深呼吸をする、リラックスできる音楽を聴く、寝室を心地よい環境に整えるなど、心を落ち着けるための時間を作りましょう。リラックスした状態で眠ることが、より良い睡眠を促進します。
(3) 「反省会」を書き出してみる
反省が頭の中でぐるぐる回っている場合、それを紙に書き出してみるのも効果的です。頭の中で考えるだけでは終わりのないループに陥りやすいですが、書き出すことで「問題点」「学び」「次に活かすこと」などを整理することができます。そして、「反省はここまで」と区切りをつけることができます。
(4) 睡眠のための習慣を整える
反省会が習慣化している場合、睡眠に関する習慣を整えることも大切です。例えば、寝る前にスクリーンを見る時間を減らし、リラックスした読書や瞑想を取り入れるなど、睡眠を促進する環境作りを心がけましょう。また、寝室はできるだけ快適な空間に保ち、寝具を見直してみるのも効果的です。
まとめ
寝る前の反省会は、気づかないうちに習慣になっていることがあります。これは、完璧主義や過去の後悔、ストレスなどの心理的背景から生まれることが多いです。しかし、反省会が習慣化すると、睡眠の質が低下し、自己評価の低下やストレスの増加につながる可能性があります。心療内科的には、完璧主義を手放し、リラックスする時間を作り、反省会を日々の生活の中で意識的に減らしていくことが大切です。自分を責めすぎず、心地よい眠りを取り戻すためのアプローチを増やしていきましょう。
名古屋ひだまりこころクリニック名駅エスカ院も不眠症や睡眠障害・抑うつやうつ病の診療も行っております。お気軽にご相談くださいませ。
野村紀夫 監修
医療法人 山陽会 ひだまりこころクリニック 理事長 / 名古屋大学医学部卒業
保有資格 / 精神保健指定医、日本精神神経学会 専門医、日本精神神経学会 指導医、認知症サポート医など
所属学会 / 日本精神神経学会、日本心療内科学会、日本うつ病学会、日本認知症学会など
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